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高温多湿の日本の夏は、植物にとってもなかなか厳しい季節。きれいな寄せ植えを作っても、どんどん元気がなくなってしまって、上手く育てられなかった……なんてことはありませんか? せっかく作るなら、暑さに負けず、お花も次々と咲いてくれるとうれしいですよね。そのためにはどんなものを植えるのか、お花選びがとても重要です。
こんにちは♪ キャラ弁・フラワーケーキ講師のよんぴよままです。
気温が高くなると、多くの植物にとっては生育旺盛な時期となります。どんどん育ってきたかと思えば、急に元気がなくなったり、ときには枯れてしまうこともありますよね。
高温多湿の日本の夏は、人間だけではなく実は植物にとっても過酷。そんな厳しい季節だからこそ、管理しやすい寄せ植えがオススメなんです。
とはいえ、きれいな状態をキープし、長く楽しむためにはそれなりのコツやポイントがあります。今回は夏用の寄せ植えに向いている花の選び方や、寄せ植えを作るときのポイントをご紹介します。
「暑さ」と「湿度」がかなり厳しい日本の夏。そんな夏でも綺麗な寄せ植えを作るためには、まずはこの季節の環境に耐えられる性質のものを選ぶことが重要です。
気温の高さは平気でも蒸れには弱かったり、強い日差しが苦手な植物もあります。まずは真夏の暑さに強く、長期間花を咲かせるようなものを選んでみましょう。
蒸れが苦手な植物は、伸びてきたら刈込んだり適度な間隔を空けたりと、通気性をよくすることで問題が改善することも。ちょっと手がかかりますが、その手間暇で元気になってくれると愛着も深まります。
ほかにも、乾燥気味が適していたり、水切れしやすい花もあります。
寄せ植えはひとつの鉢で管理するため、性質が違いすぎると、それぞれに適した状態にすることが難しくなります。できるだけ似た環境を好む者同士で植えるのが望ましいですが、多少の違いならお互いに補い合ってくれることもあるので、そこまで厳密に考えなくても大丈夫です。
あとはテーマをひとつ決めると◎。「元気」「涼し気」「ナチュラル」「華やか」など、どんな寄せ植えを飾りたいかイメージして、それに合わせた色合いや全体のバランスを考えて組み合わせてみるとイイですよ♪
【開花時期】4月~11月ごろ【植えつけ】4月~9月【花色】ピンク、青、黄、白、オレンジ、茶、赤、紫、複色
夏にあふれるように咲くペチュニアを、そのまま小さくしたような姿のカリブラコア。ナス科のペチュニアから派生して誕生した比較的新しいお花です。成長も早く、花をたくさん咲かせてくれます。
多年草と1年草のものがありますが、寒さにはあまり強くありません。挿し芽でも増やせるほど丈夫で、育てやすい花です。
ペチュニアよりも色が豊富なのが魅力。こちらの画像のものは八重咲で、色もグラデーションになっており、中心に少し黄色い部分もあります。ビビッドカラーからニュアンスカラーまで、これだけ揃う花はなかなかありません。
【開花時期】4月~11月ごろ【植えつけ】4~6月、9月【花色】白、ピンク、赤、紫、オレンジ、黄、複色
小さな桜のような花が集まって咲くバーベナは「美女桜」という別名があります。クマツヅラ科のバーベナ属で種類も多く、1年草のものと宿根性の多年草のものまで。夏の暑さには比較的強いのに対し冬の寒さには弱く、日本では1年草扱いになっている種類もあります。
春から秋まで咲くバーベナは、花が少なくなる真夏でも元気。水はけと日当たりがあれば育つため、初心者向きです。乾燥には比較的強く、ジメジメした環境は苦手。風通しのよい状態にしてあげると元気に育ちます。
【開花時期】4月~11月ごろ【植えつけ】4月~7月【花色】黄
夏の暑さに負けず、元気に明るい黄色い花を咲かせてくれるメランポジウム。キク科の小花らしい形も可愛らしく、こんもりと育って次々と花を咲かせてくれます。
こう見えて暑さだけでなく多湿にも強く、花がら摘みをしなくても、肥料をあまり与えなくてもどんどん花を咲かせてくれます。1年草なのでたくさん咲いたら終わりですが、長期間楽しませてくれます。
【開花時期】春~晩秋【植えつけ】春~夏【花色】白
多肉植物や低木など種類が多いユーフォルビアですが、今回ピックアップするのは白い涼やかな八重咲の花をたくさん咲かせてくれるユーフォルビア ダイアモンドスノー。トウダイグサ科の多年草ですが、耐寒性はあまりないので冬越しは室内で。
暑さにも乾燥にも強く、あまりお手入れしなくても花がどんどん咲いてキレイな姿をキープ。日当たりは好きなので日向に置くようにしてください。驚くことにカットした枝を水にさしておくと発根し、挿し木が可能に。
【開花時期】5月~11月ごろ【植えつけ】5月~8月【花色】白、ピンク、赤、紫、黄
小さなポンポンのような丸く可愛いビジュアルのセンニチコウはヒユ科の花。1年草と多年草があり、花のように見えているの部分は、実は苞(ほう)。よく見ると、苞の間に小さな花が見えます。
名前の通り、長く色がキレイなまま鑑賞できるセンニチコウ。収穫してドライフラワーにしても、色がキレイなまま長く楽しめます。
暑さや乾燥には強く、摘心すれば枝分かれしてボリュームも出ます。背が高くなってくると倒れたり姿が乱れたりしてくるので、支柱を立てたり、こまめに収穫してみて。
【開花時期】5月~11月ごろ【植えつけ】4月~7月【花色】紫、ピンク、白
キレイな発色とモコモコとした姿が可愛らしいアゲラタムは、キク科の多年草。耐寒性はあまりないので1年草扱いですが、春から秋まで長く花を咲かせてくれます。
暑さや乾燥にも強く、次々と花を咲かせていきます。密集しがちなので、蒸れないよう刈込んでみて。こちらも挿し芽で増やせますよ。
【開花時期】6月~10月ごろ【植えつけ】5月~7月【花色】白、ピンク、紫、青、複色
オオバコ科(またはゴマノハグサ科)のアンゲロニアは多年草の花。夏の強い日差しにも負けずとても育てやすいですが、耐寒性はないため日本では1年草扱いとなっています。
花色の種類が多いだけでなく、枝分かれもよくてボリュームが出る上に、スッと上に伸びて背丈が適度に出せるため、寄せ植えに使うとバランスよく仕上がります。
【開花時期】5月~11月ごろ【植え付け】4月~6月【花色】青紫、赤紫、白
ナス科のソラナム・ラントネッティは常緑の低木。青紫の花びらとか芯の黄色のコントラストが鮮やかで、斑入りの明るい葉もキレイ。斑入りでないタイプもあるので、お好みで。花つきはよいので次々咲いてきますが、花がなくなってもカラーリーフとして観賞価値アリ。
夏の暑さは平気ですが、耐寒性はそこまでないので外での冬越しは難しく、室内で上手に管理すれば木質化して2mになることもあるとか。寄せ植えにするなら、コンパクトな苗でも存在感があります。
【開花時期】6月~11月ごろ【植えつけ】4月~7月、9月~11月【花色】赤、ピンク、青、紫、白、黄、複色
ハーブの一種であるサルビアは、花色も姿も多種多様です。1年草と宿根草(多年草)の種類があり、なかには低木化するもの。こちらは宿根サルビアで、遠目で見るとまるでラベンダーのよう。
種類が多く、特性もさまざま。高温多湿に強いものもあれば弱いものもあり、耐寒性のあるものやないものまで種類によって違います。共通するのは春~冬にかけて長期間花を咲かせてくれること。上に伸びて高さが出てくれるので、横に広がるタイプのものと組み合わせると◎
【開花時期】5月~7月、9月~11月【植えつけ】3月~4月、9月~10月【花色】ピンク
オレガノもハーブの一種。サルビアのような目を引く花が咲くわけではありませんが、カラーリーフとして寄せ植えに取り入れると動きが出ます。
オレガノも種類が多く、姿や性質は違います。オレガノの中でも、ケントビューティーは料理用ではなく鑑賞向きのもの。枝先の緑~薄ピンクの花のような部分は苞で、実際の花はその内側に見えるピンク色の小花。
涼し気な雰囲気ですが、高温多湿はちょっと苦手。夏は乾燥気味に管理し、蒸れないように切り戻しをしたり、摘心などもすると◎。耐寒性は結構あるので、冬越しも可能。
まだまだ夏にぴったりの花はたくさんありますが、今回はご紹介した中からカリブラコア、バーベナ、ユーフォルビア・ダイアモンドスノー、宿根サルビア、ケントビューティーに、葉の形が可愛いグレコマ・バリエガータをプラス。
今回の寄せ植えのテーマは「涼しさ」。寄せ植えを作る場合、メインとなる目を引く花や元気いっぱいなカラーでいかにも主役! という花を入れることが多いのですが、今回はあえて入れません。暑い夏を少しでも涼しく感じるようなカラーと、風を感じる空気感を意識し、花が小ぶりでやさしげなビジュアルのものを選んでみました。
用意するもの鉢植え(プランター)、花の土、鉢底石(軽石)、虫よけネット
夏にたくさん花をつけるような植物は成長が早いため、鉢植えのサイズは苗を植えたときに、スペース的に少し余裕があると安心です。余り詰めすぎると、根を傷めたり、蒸れたり、水切れが起きやすかったりします。
寄せ植えを作る鉢の穴に虫よけネットを敷き、その上に鉢底石を入れてならします。
苗を置いたときに縁から1.5~2cm程度下の高さになるよう、土を入れてならします。
苗のポットを外す前に、並べ方を決定。配置次第で全体の雰囲気も変わるので、配色、高低差、成長の仕方も想像してバランスを整えてください。
決まったら苗をポットから出して、鉢の中に配置していきます。このときにポキッと折ってしまったりするので、やさしく扱ってくださいね。
苗を土の上に並べた段階では、隙間がいっぱい。苗の安定感もありません。
土を入れて隙間を埋めていきます。ここはケチらずしっかりと入れていきましょう!
指でぎゅっぎゅと押して隙間がないか確認し、表面を平らに整えていきます。このときに土の足りない部分を発見したら、さらに追加。しっかり土を入れないと苗の根がむき出しになって乾燥してしまったり、グラついたりするので、端までチェックしてくださいね。
鉢の縁から1cmほど下の位置に土が収まるようにすると◎。このスペースをウォータースペースと呼びます。水やりをした際に、土が縁までいっぱいだと水があふれて流れてしまい、肝心の根元に染みわたらなかったり、土が流出してしまったりします。
土の中に水が染みていくまで溜まるスペースができて、溢れないようにする効果があるので、このウォータースペースは意外に大切。
被った土を洗い流し、根元にしっかり水がいきわたるように、たっぷりと水やりをしたら作業完了。鉢底から水が出てくるくらい、しっかり水やりしてください。
ふわっと風を感じる夏の寄せ植えの完成です。 手前に植えたものは横に伸び、溢れるように育っていくものばかり。サルビアが伸びて背が高くなってきたら、もっとバランスのよい状態になり、小さなナチュラルガーデンのような雰囲気になってきそう♪
常にじとじとしていては蒸れてしまうので、水やりは土の乾き具合を見て、あげるときにはたっぷりと。
暑さや日差しに強いものばかりを選びましたが、成長していく中で姿が乱れたり、隣の植物が埋もれて日が当たらなくなったりもしてくるかもしれません。そんなときは切り戻したりして、日当たりと通気性をよくするよう心掛けてください。
寄せ植えの管理のしやすさのひとつは、持ち運びできること。何日も雨に当たりっぱなしでいると、弱ってしまう場合もあります。そんなときは、雨があたりにくい場所へ少し移動してあげるのも手です。
スタンドを使って高さを出してあげたり、ハンギングバスケットを活用すれば、それだけで通気性は格段によくなります。照り返しによる気温の上昇や日差しを軽減する効果もあるのでオススメですよ。
日本の夏の暑さと湿気は植物にとっても過酷ですが、真夏でも元気にたくさんの花を長期間咲かせてくれる苗もたくさんあります。寄せ植えにすることで管理もしやすくなり、暑い季節でも長く楽しむことは可能です。
まずは夏に向いている植物を探して、好みの組み合わせをしてみてください。花にこだわらず、葉色のキレイなカラーリーフを入れてみるのもオススメですよ♪
この記事のライター
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