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子育ては喜びも多く、同じくらい悩みも多くあります。そして、その悩みの内容や深さも様々で……。
今回は「親の在り方」について考えてみたいと思います。
「学校を休みがちな子にどう対処したらいい?」「自分の子どもをかわいいと思えません」「不器用な子のために親ができることは?」など、女性たちの悩みや質問に対して産婦人科医・高尾美穂先生の答えを、著書『こうしたらきっとうまくいく 心がフワッと軽くなる82のヒント』(扶桑社)よりお届けします。
14歳の娘は片頭痛や生理痛がひどく、1年ほど前から学校を休みがちで困っています。病院を受診して痛み止めは飲んでいますが、ほかにできる対策は?
痛み止めを使っておられるなど、お母さんの立場として十分なアクションを起こしていただいていると思います。体の調子の悪さ自体に目を向けることは、もちろん大切です。一方で、小学校高学年から中学校のお子さんにおいては、とくに腹痛や頭痛で学校を休む場合、学校に行きたくないと思っているんじゃないかという可能性を私は考えたりします。これは、本人が嘘をついていると言っているのではありません。高校生ぐらいになれば自分で行きたくないと言えると思いますが、その手前の年代ですと、はっきり言えない、もしくは自分でも意識できていないこともあるんじゃないかと思うのです。
私自身が子どもだった40年ぐらい前は、親、とくに母親は家にいて、子どもが親に話を聞いてもらう時間はたっぷりあったと思います。今は働く女性が増えたり、子どもが塾や学童に行ってから帰宅したりするようになって、その時間をつくりにくくなっていると想像します。これはお母さんのせいではなくて、社会の変化によるものです。
子どもたちは、言葉にできない思いを抱えているかもしれない。どこかが痛いというメッセージは、もしかすると子どもからのSOSなのかもしれない。ゆったりとした空間と時間をつくって話せる場をもち、親に悩みや迷いを伝えてくれるような環境をつくることも必要でしょう。そして、子ども本人もSOSを求めなきゃいけない状況だと認識できていないケースもありますから、こちらから一声かけてみるというアクションも大切かなと思います。
体の不調への対処とともに、子どもが悩みを伝えられる環境をつくっていきたいですね
自分の子どもと相性が合わず、かわいく思えないときは、どうしたらいいのでしょうか。まだ10歳にも満たない娘で、親を責めたりはしないのにそう感じてしまいます。
※画像はイメージです
これは決してめずらしい話ではないと私は受け止めています。
子の親であれば自分の子をかわいいと思って当然と思われているかもしれません。でも、たとえば子どもが二人いて上の子はかわいく思えるけれど下の子はかわいく思えないなど、いろんなケースがあるようです。
血がつながっていてもつながっていなくても、男の子でも女の子でも、親が望むような生き方をしていてもそうでなかったとしても、かわいいと思える関係性もあれば、かわいいと思えない関係性もあっておかしくないのが実際のところです。このことを知っておいていただくといいのではないかと思います。
それはなぜなのか、理由を考えると、当然のことではありますが、親と子、それぞれが別の人格だからなんですよね。そして、親と子はお互いに親子だからこそ自分の思いが届くであろうと思っているけれど、そうとはかぎらない。つまり、親子だから仲がいい、という関係性ばかりではないんです。
でも、子どもが困ったときに頼ることができるのは、親である可能性が高く、そのときに親はできることをしたいものです。かわいく思えなかったとしても、相談に乗ったり、経済的な面で支えたりするなど、今自分にできることをするというスタンスで過ごしていくので十分なんじゃないかと思います。
親子でも別の人格だから、子どもをかわいいと思える関係も思えない関係もあります
小5の息子は、変わっていると友達から嫌われるタイプ。幼さや不器用さがありますが、優しい子だと私たち夫婦は感じています。自己肯定できる大人になるために、親はなにをすべき?
いわゆる変わっている子どもって、世の中に少なからずいますよね。そんなお子さんたちも、年齢を重ねるにつれて社会性を高めていき、いろんな判断ができるような年代になると、なんとなく社会の枠組みに自らはまっていく。だいたい高校生くらいになると社会でうまくやっていけるような形に移行していくことが多いように思います。
親としてどうすればいいかというご相談ですが、多くのお友達ができるタイプではないとしても、気が合う人はいるでしょうから、当然ですが、気の合う人を大事にするという姿勢を親として息子さんに伝えるのが大事だと思います。そして、お子さんの変わっているところをどうしたら活かせるかを考えるのがいいでしょう。もちろん息子さん本人の意向を酌んだうえで考えてほしいと思います。学校はもしかすると過ごしにくい場かもしれませんが、社会に出るタイミングで、もうちょっと自由なスタイルのところを選択するのもよいでしょうね。
また、現時点でもう十分できているのかもしれませんが、親として、子どものキャラを全肯定することが大事だと思います。
子どもがどんな選択をしても、それがよくある選択じゃなかったとしても、まずは受け入れて理解しようと努める。すべてを理解しきれなくても、親として理解する努力をしているという共感の姿勢を本人に示せるといいですね。そして、息子さんを信じることです。肯定感をもとにした信じる気持ちを失わないこと。こうした親としての姿勢が、息子さんが自分を肯定する生き方につながっていくと思います。
子どものキャラを全肯定すること、理解しようと努めることが大切です
※高尾美穂 著『こうしたらきっとうまくいく 心がフワッと軽くなる82のヒント』(扶桑社)より一部抜粋・再編集
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マイナビウーマン子育て
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