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巨大ターミナル駅・新宿に乗り入れるJR中央線・京王線・小田急線は、通勤・通学アクセスも良い人気の沿線。編集部では、これらの沿線に住んでいる人100名ずつ(計300名)にアンケートを実施し、その住み心地などを調査した結果を路線ごとにお伝えする。今回は「京王線」にスポットを当て、気になる調査結果を見ていこう。
お気に入りポイントは「乗車運賃が安い」「電車内がきれい」など
京王線とひとことでいっても、実は東京から八王子までを結ぶ「京王線」のほかに、調布で乗り換えする「京王相模原線」、高尾山の方へ向かう「京王高尾線」、「京王新線」「京王競馬場線」「京王動物園線」などがあるほか、人気の街・渋谷と吉祥寺を結ぶ「京王井の頭線」もある。
今回の調査ではそれらの沿線をすべて対象として、京王線沿線に住んでいる人に、京王線のどんなところが好きなのか、気に入っているのかを質問し、あてはまるものを複数選んでもらったところ、ランキングTOP10は次のような結果に。
●京王線の好きなところは? ※複数回答
1位:どこに行くにも便利 60.2%
2位:乗車運賃が安い 55.1%
3位:ほかの沿線に乗り換えしやすい 37.8%
4位:運行本数が多い 36.7%
5位:電車内がきれい 26.5%
6位:好きな駅やスポットがたくさんある 24.5%
7位:遅延が少ない 19.4%
8位:乗客のマナーが良い 18.4%
8位:家賃や物価が安い 18.4%
10位:走行中の景色が好き 17.3%
1位の「どこに行くにも便利」(60.2%)、2位の「乗車運賃が安い」(55.1%)は半数以上の人が選択しているが、特に注目したいのが、2位の「乗車運賃が安い」という項目。
同時に調査をした近隣沿線のデータでは、「乗車運賃が安い」は小田急線が28.1%、中央線が12.0%のところ、京王線が55.1%と突出して高い数値に。フリーコメントを見ても「新宿までJRの半額」(52歳・男性)、「初乗り料金が安い」(38歳・女性)といったコメントが多い。なかには「新宿までは安いうえ、時差回数券(※1)、土・休日回数券(※2)もあるので、確実に中央線より安く、ほかの私鉄と比べても割安感がある」(66歳・男性)
(※1)時差回数券……平日の10時~16時、土・休日に利用できるお得な回数券
(※2)土・休日割引回数券……土・休日に利用できるお得な回数券
5位の「電車内がきれい」(26.5%)も注目したいデータ。小田急線の17.7%、中央線の7.0%と比べると、大きな差がある。また、8位の「家賃や物価が安い」(18.4%)も同様。小田急線の13.5%、中央線の9.0%に比べて高い。便利さだけでなく、費用の割安感、車内の快適さでも人気のある沿線といえそうだ。
残念なのは「電車の運行時間・本数」「ほかの線とのアクセス」次に、京王線の改善してほしいところ、もう少し改善されると良いのにと思うところをリサーチ。あてはまるものを複数選んでもらったところ、ランキングTOP7は以下のとおり。
●京王線でもう少し改善されると良いのにと思うところは? ※複数回答
1位:通勤ラッシュ時の混雑が激しい 45.0%
2位:終電が早い・始発が遅い 24.0%
3位:悪天候時や事故など遅延が多い 17.0%
4位:特にない 15.0%
5位:ほかの線との乗り換えが不便 13.0%
5位:運行本数が少ない 13.0%
7位:電車の種類が多くて複雑 8.0%
1位は「通勤ラッシュ時の混雑が激しい」(45.0%)だが、これは小田急線(49.0%)、中央線(52.0%)と比べるとまだいいほう。むしろ、2位の「終電が早い・始発が遅い」(24.0%)に注目してみたい。
「終電が早い・始発が遅い」の項目は、小田急線が17.0%、中央線が2.0%なのに対し、京王線は24.0%とほかを大きく引き離して高い。同率5位の「ほかの線との乗り換えが不便」(13.0%)、「運行本数が少ない」(13.0%)も同様で、中央線が2〜3%、小田急線が6〜7%のところ、京王線だけが10%以上となっている。
フリーコメントを見ると「0時20分には新宿を出ないと家に帰れない。午前1時くらいまでは運行してほしい」(54歳・男性)、「ラッシュ時でもとにかく本数が少ない! 東京の沿線で10分に1本間隔は不便」(39歳・女性)などの声も。電車の本数に関しては、特に各駅停車しか停まらない駅に住んでいる人からのコメントが多いが、終電・始発、ほかの線とのアクセスに関しては、ちょっぴり残念……と感じている人が全体的に多いようだ。
(※)編集部注:平日/土・休日ともに新宿発0:33が京王八王子駅行最終電車(2016年3月3日時点)
京王線は「とても好き」「好き」の合計が91.0%。沿線住人の多くに愛されているようだ。そこで、これから京王線沿線に住もうと考える人に、先輩住人としてオススメしたい・自慢したいことを聞いてみると……
「近隣のほかの沿線に比べると物価も安く、緑も多いので住みやすい街が多いと思う。特に特急が停まる駅は商業施設も発展していて便利」(45歳・男性)、「繁華街から、ここは東京かと思うような緑豊かな山まで、表情豊かな沿線風景が魅力」(50歳・男性)などというコメントが目立った。都会の便利さと自然の豊かさを兼ね備えているところが、京王線の大きな魅力のひとつといえそうだ。
ちなみに、この沿線でオススメのスポットはどこか聞いてみたところ、以下のスポットが挙がった。
●デートするなら
・下北沢 理由:「個性的な洋服屋さんや飲食店が多いので、こだわりデートができそう」(20歳・女性)、「カフェやお店が多く、散歩するのが楽しい。変わったお店もあり、見ているだけでも会話が弾む」(38歳・女性)
・吉祥寺〜井の頭公園 理由:「ショッピングにも散歩にも利用しやすい」(44歳・男性)、「吉祥寺駅から井の頭公園まで歩けて、昔からのお店やおしゃれなカフェなど楽しめる」(53歳・女性)
●子連れで遊びに行くなら
・多摩動物公園 理由:「動物と自然な感じで付き合える、ライオンバスが素晴らしい」(57歳・男性)、「子どもの好きな動物がたくさんいる。広い園内は、運動不足のお父さんにもおすすめ」(50歳・男性)
・高尾山 理由:「緑がいっぱい。温泉や新しい博物館みたいなのもできたし、アクセスがなんといってもいい」(53歳・女性)、「足腰の丈夫な子どもになれそうですよ」(40歳・女性)
●穴場だと思うスポット
・百草園 理由:「季節の草花が見られるスポットだが、いつも人はまばら」(25歳・男性)、「アジサイ園がきれいだが人がほとんど降りない駅だから」(39歳・女性)
・深大寺 理由:「まさか東京とは思えないのどかさがある」(53歳・男性)、「おそばがおいしい」(45歳・女性)
乗車運賃や家賃、物価が比較的安く、電車内はきれいで快適。平日は通勤・通学の学生や会社員、土日は子ども連れも遊べる府中競馬場や、多摩動物公園、サンリオピューロランドに向かう家族連れ、高尾山でハイキングを楽しむ山ガールやお年寄り、味の素スタジアムにサッカー観戦に向かう若者たちも多い。老若男女が楽しめる行楽スポットがたくさんあるのも、京王線の魅力のひとつといえるだろう。
●調査概要この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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