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デイサービスでゲームを使った実証開始。楽しめるフレイル予防で超高齢社会問題に挑む

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目次


GLOEとウェルモは、高齢者通所介護施設(以下、デイサービス)で、ゲームを使った実証実験を2025年春より実施する。

超高齢社会の現状

日本は、2005年に高齢化率(65歳以上の人口が総人口に占める割合)が世界で最も高くなり、2007年には高齢化率が21%を超える超高齢社会に突入。総務省統計局の発表によると、2024年9月時点での高齢者人口は3,625万人、高齢者人口化率は29.3%で過去最高となった。

加齢が最大因子とされる認知症に関しては、平成29年度高齢者白書によると、2012年の高齢者における認知症患者数は約460万人で高齢者の7人に1人だったのに対し、2050年には約800万人、つまり日本国内の高齢者の5人に1人が認知症になると推計されている。

また、2025年以降、1日あたり約130名が新たに認知症を発症すると試算されており、この増加速度は世界でも類を見ず、国を挙げて対策を急いでいる。

超高齢社会の課題

超高齢社会に伴い、認知症高齢者とそれを支える家族・地域のサポートが喫緊の課題に。認知症の発症や進行を防ぐために、フレイル(※1)に対するアプローチが有効とされている。

フレイルの高齢者に対するアプローチとしては、運動や認知機能トレーニング(いわゆる脳トレ)などを実施する直接的なアプローチと、認知症を発症する前段階で本人の生活環境を整えるなど高齢者を取り巻く環境に対する間接的なアプローチがある。

厚生労働省「高齢者の保健事業のあり方検討ワーキンググループ」では、これらのアプローチをデイサービスをはじめとした介護予防サービスの場を使い展開していくことを推奨している。

しかしデイサービス事業者の約半数が赤字運営であり、高齢者のフレイルに対してアプローチできる環境の存続さえ危ぶまれているのだそう。

実証実施の背景

自身の加齢に伴う機能低下を自覚していない段階の高齢者が、フレイル「予防」の重要性を理解し、率先してデイサービスを利用することはごく稀だという。

また、たとえデイサービスを利用しても、高齢者の7割は施設に滞在する数時間を除いて他者との交流がほとんどないという結果が厚生労働省の調査で示されている。

こうした状況のなか、デイサービスを運営する事業者側は、いかにして予防に対して無関心な高齢者が楽しめるフレイル予防プログラムを提供するか頭を悩ませているのだそう。

そこで、GLOEとウェルモは、今後さらに加速する「認知症高齢者問題」を解決するために、双方の強みである「ゲーム」と「介護」のノウハウを融合させた実証実験に取り組むことを決定した。

実証概要

従来の医学系研究により、高齢者がゲームをすることで認知機能や身体機能が改善することが明らかにされてきた。

今回のゲームを使った実証実験では、これらの効果に加えてゲームの持つ拡張性に注目し、専門家指導の下、運動や体操など身体機能訓練を主に取り入れている「リハビリテーション特化型デイサービス」のプログラムにゲームを取り入れて検証を行う。

検証内容は、「定量的に利用者の認知機能や運動機能の変化がみられるか」「利用者の行動変化やデイサービスへの参加意欲に変化がみられるか」「ゲームプログラム導入とデイサービス従業員の業務量の変化について」「ゲームの結果が、高齢者の身体的・精神的変化をモニタリングできる手段として活用できるかどうか」だ。

さらに、介護業界の生産性向上に貢献することを目的として、従業員の業務負担軽減の効果も併せて検証し、デイサービスに導入しやすい持続可能なプログラムを開発できるよう取り組んでいく。

実証への期待と今後の展望


GLOEとウェルモは、インターネット環境含めDX化を進めることで、自宅にいる独居高齢者もオンラインで参加できるため、デイサービスに参加しない日でもコミュニティへの参加を促して社会的孤立を防いだり、一人で外出が難しい人にも社会交流の場を提供できると考えている。

また、若年層に対して、ゲームをきっかけに介護業界への就職を促す効果にも期待しているそう。

今後は、従来のゲームコンテンツのみならず、高齢者が自発的に取り組み、かつ介護現場が導入しやすい新たなコンテンツの企画・開発を予定。「ゲームと介護」をテーマに、科学的に根拠のあるプログラムとして裏付けされたゲームを全国の介護施設に教育システムと併せて展開していく構えだ。

同時に、GLOEとウェルモが協力して、高齢者があたりまえにゲームでも繋がるコミュニティの社会実装のひとつとして「ゲーミング特化型デイサービス」を運営し、継続的に実証実験ができる環境を作り、常に最新のプログラムを生み出したいと考えている。

超高齢社会の課題に「ゲームと介護」で挑む2社の取り組みに注目したい。

※1 フレイルとは、加齢に伴い生理的な予備能力が低下し、ストレスに対する回復力が減少した状態

(Higuchi)



この記事のライター

STRAIGHT PRESS

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