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「ちょっと幸せ」をテーマに、グルメ・美容・健康・カルチャーなど、女性にうれしい情報満載のフリーマガジン「Poco'ce(ポコチェ)」から 前原 滉 さんのインタビューをお届けします♪
Profile/1992年生まれ。高校卒業後、事務所の養成所を経てデビュー。連続テレビ小説「まんぷく」、「らんまん」をはじめ、ドラマ「あなたの番です」、「ユニコーンに乗って」、「VRおじさんの初恋」、「スカイキャスル」、「クラスメイトの女子、全員好きでした」、映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』、『沈黙の艦隊』、『笑いのカイブツ』、『マッチング』など、多数の作品に出演している。
テレビ朝日のグループ会社として報道情報番組やバラエティ番組を制作してきたテレビ朝日映像が初めて手がけた長編オリジナル映画『ありきたりな言葉じゃなくて』が全国公開される。映像業界で起きた実話をもとに、新人脚本家の青年と普通の“彼女”の出会いを描いた本作で主演を務めた前原滉さん。出演オファーが来た時の心境から伺うと「最初は一度お断りしました」と教えてくれた。
「今振り返ってみると、どうしてお断りしたんだろうと思う部分もあるのですが、お話をいただいた時は“今の僕じゃちょっと背負いきれないな”というのが正直な気持ちでした。なぜそう思ったのか、どこに引っ掛かったのかを言葉にするのは難しいのですが、その直感を持ったまま主演をお引き受けすることはできませんでした。どんな役でもそうですが、とくに主役は覚悟を持って臨まなければいけないと思っているからこそ、少しでも引っ掛かるものがあるのに僕が主演を担うのは失礼だと思ったんです」
それでも監督の熱意に背中を押され引き受けることを決意した前原さん。主演を演じる上で意識した点は“場の雰囲気を悪くしないこと”だとか。
「僕が“よし、ついて来い!”というタイプじゃないのはわかりますよね?(笑)。背中で引っ張れるタイプでもないので、主演としての現場での在り方を考えた時、場の空気を悪くしないことくらいでしか貢献できないなと思いました。なので、主演だからと無理にいつもと違うことをするのではなくて、いつものままで、誰かが居づらい空間を作らないようにしたいなと。いつもと違うとしたら、自分から共演者の方に話しかける場面を多く持ったことですね。本来の自分なら絶対にやらないです(笑)。でも、今まで出演させていただいてきた作品では主演のみなさんが積極的に声をかけてくださって助けられた場面がいくつもあったので、今回は僕もやってみようと思えたんだと思います」
前原さん演じる32歳の藤田拓也はワイドショーのナレーション原稿を徹夜で書く日々を過ごす構成作家。そんな彼がついに念願のTVドラマの脚本家デビューを果たすことになるのだが、浮かれ気分でいる拓也の前にごく普通の女性、りえが現れて...とストーリーは展開していく。
「拓也は自己中心的で未熟な部分はありますが、彼の持っている悩みや、特別な何かになりたいけれどなりきれないという葛藤は、日常を生きる多くの人が持っているものじゃないかなと思います。もちろん僕も。多分これがスッキリと解決することなんて一生かけてもないのかなと思いつつ、だからこそもがいたりチャレンジすることに意味があるのかなと。決して特別ではない人間の拓也が彼女と出会い、どう感じてどう成長するのかを見届けてもらえたら嬉しいです」
初めて自分の名前が入った脚本を手にし、浮かれる拓也。前原さんもご自身の過去を重ねたのではと質問すると、「覚えてないんですよね(笑)」と予想外のお答えが。
「初めて自分の名前が入った台本、なんの作品だったんだろう?(笑)。僕、そういうのすぐ忘れちゃうんです。というか、思い入れを客観視してしまう癖があるんでしょうね。“こんな経験はきっとみんなもしてるよな”って妙に冷静になってしまって、100%で喜べないんです。そういうところが“ドライな人間”って思われる理由なんでしょうね(笑)。なので、拓也が浮かれるシーンを演じながら、彼はこういうことにちゃんと感動できる人間なんだって新鮮で。その気づきは、役作りにも役立ちました」
『ありきたりな言葉じゃなくて』というタイトルにちなみ、前原さんの記憶に残っている言葉を教えてもらおうと思ったのだが、やはり「ないんですよね」と笑う。
「なんですかね、言葉ってどれくらい信用できるのかなと考えてしまうんです。例えば、誰かがアドバイスを求めているとして、その答えが僕から出たものなのか、尊敬している先輩からもらった答えなのかで受け取り方が違ってくると思うんです。もちろん逆もしかりで、僕もこれまでたくさん素敵な言葉をいただいてきたと思います。でも、僕がまっすぐ受け止められていなかったなと。だから素直に受け止められる人になりたいって話なんですけどね(笑)。そう考えると“ありがとう”や“おめでとう”という言葉は誰も傷つけないですし、単純に嬉しくなるので好きな言葉ですね」
最後に改めて作品の見どころを伺うと。
「派手な物語でも特別なファンタジーでもない物語だと思います。拓也に共感できないという人もたくさんいるでしょう(笑)。でも、その拓也を支えてくれる家族や仲間、拓也が出会った“彼女”...。共感できる誰かがきっといると思います。きっと何か観終わったあとに考えることができる映画だと思うので、ぜひ劇場で観ていただけたら嬉しいです」
監督/渡邉崇 原案/栗田智也
脚本/渡邉崇、栗田智也
出演/前原滉、小西桜子、内田慈、奥野瑛太 他
公開/ 12 月 20 日(金)全国ロードショー
PHOTO / NAITO (OUTNUMBER inc.)
STYLIST / TAKASHI USUI (THYMON Inc.)
HAIR & MAKE / YUKIYA (SUN VALLEY)
TEXT / Satoko Nemoto
この記事のライター
Poco'ce
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