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「ちょっと幸せ」をテーマに、グルメ・美容・健康・カルチャーなど、女性にうれしい情報満載のフリーマガジン「Poco'ce(ポコチェ)」から伊藤万理華さん×金子大地さんのインタビューをお届けします♪
伊藤万理華/1996年生まれ。2011年から乃木坂46一期生メンバーとして活躍し、2017年に同グループを卒業。現在は俳優としてドラマ、映画、舞台に出演する一方、雑誌「装苑」での連載やPARCO展「伊藤万理華の脳内博覧会」を開催するなどクリエーターとしても才能を発揮。出演作は映画『映画 賭ケグルイ』、ドラマ『夢中さ、きみに。』舞台『DOORS』など。また、7月クール連続テレビドラマ、木ドラ24『お耳に合いましたら。』(テレビ東京ほか)で地上波連続ドラマ、初主演を務める。
STYLING / Momomi Kanda
HAIR&MAKE / Wakana Takahashi
金子大地/1996年生まれ。「アミューズオーディションフェス2014」にて俳優・モデル部門を受賞しデビュー。2018年ドラマ『おっさんずラブ』で知名度を高め、翌年ドラマ『腐女子、うっかりゲイに告る。』で初主演を果たし、第16回コンフィデンスアワード・ドラマ賞 新人賞を受賞。主な映画出演作品は『ナラタージュ』『殺さない彼と死なない彼女』『猿楽町で会いましょう』など。「先生、私の隣に座っていただけませんか?」(9月10日公開)ほか3作品が公開待機中。
STYLING / Junya Chino
HAIR&MAKE / Taro Yoshida(W)
勝新太郎を敬愛する時代劇オタクの女子高生が、自分の書いた脚本の主役にぴったりな青年と出会い、親友らとともに映画作りに駆け抜ける高校最後の夏を描いた物語『サマーフィルムにのって』。映画作りに夢中になった高校最後の夏を熱演したお2人にまずは、ご自身の高校時代のお話から伺った。
伊藤 私は高校1年の夏から乃木坂46で活動していたので、学生時代の思い出は本当に少ないのですが、高校最後の学校行事だったダンス発表会は忘れられない思い出です。自分たちで衣装も音楽も振り付けもしなくてはいけないという、割と本格的な発表会で、私は振り付けを担当しました。奇跡的に同じクラスに映画監督志望の子や音楽を作れる子などがいたこともあって、見事最優秀賞を獲得して。あのときは本当に嬉しかったです。
金子 すごい!ハダシみたいな話だね。
伊藤 ハダシたちに比べたら短い時間でしたけど、放課後に集まって練習をしたり。高校時代に唯一学生として夢中になった大切な思い出です。
金子 僕はそういった思い出はないですね。仲良しの幼馴染が5人いるのですが、みんな高校でバラバラになってしまって。学校は違えど彼らとよく遊んでいました。当時は好きなことも、やりたいことも、未来のことも、なにも考えていなかった気がします。
未来といえば、金子さん演じる凛太郎は、未来から来た謎の青年。そこで、もしタイムトラベルできるとしたらと尋ねると「過去!」と、金子さんから即答が。
金子 未来はやってくるけれど、過去にはもう戻れないので。
伊藤 そう考えたらそうですね。戻れるならいつに戻りたいですか?
金子 中2ですね。たぶん、人生で一番笑っていたのがその頃だったと思います。毎日くだらないことで腹を抱えて笑っていました。そんな光景をぼんやり眺めてニヤけたいです。
伊藤 いいですね! 私も中学時代かなぁ。中学の時って、背伸びをしてファッション雑誌を読んだりし始める頃。私の周りもそうだったのですが、私は小学生から母のお下がりを着ていたので、オシャレには全然ハマらなくて…。でも、やっぱり友達に影響されてというか、羨ましく見えて自分もやってみたりしました。お小遣いでメイク用品や、今まで着たことのないジャンルの服を買ってみたり(笑)。でも、絶対母にバレたくないから隠したりしていました。結局バレていたみたいなんですけど(笑)。
金子 お母さんはなんて?
伊藤 「いつ買ったのー!?」って。私の行動を微笑ましく見ていてくれたんだと思うのですが、ものすごく恥ずかしかったのを覚えています。だから過去に行ったら当時の私に「そんなことをしていても、自分の趣味は変わらないよ」って伝えたいです。
金子 でも、それもいい経験だよね。
伊藤 そうですね。その経験があったからこそ、自分の好きな物がより鮮明になったのかもしれないですしね。
楽しく話される様子は、まさにハダシと凛太郎そのものだが、確かお2人は初共演。どのようにして距離を縮めたのだろう?
伊藤 共演者のみなさんとは、ほぼ初めましてでしたので、まずは仲良くなることが第一だと思いました。なので、現場にチェキを持って行って、撮影中や休憩中にみんなのオフショットを撮影して距離を縮めていました。
金子 そのチェキにメッセージを書いて最後にくれたんです。今も大切に保管しています。僕も今回は初めてお仕事をする人ばかりでしたが、現場はいつも伊藤さんを中心に明るい雰囲気で。こんな素敵な現場はなかなかないなと思える素敵な現場でした。
「ハダシの熱にみんながほだされて、その船に乗っかる感じ」が、現場の伊藤さんとリンクしていたと金子さんは続ける。
金子 伊藤さん自身のものづくりに対する熱みたいなものがハダシに通じるところがあって、その説得力をものすごく感じました。ハダシの不思議な存在感というか、この人についていきたいと思わせてくれる魅力が伊藤さんとリンクしていたように思います。
伊藤 金子さんは、凛太郎と自分は全然似ているところがないと言うのですが、私は結構似ている気がします。何かを考えているように見えるけど、実は何も考えていないんだろうな…、とか(笑)。現場に馴染むときはアホみたいにふざけて楽しそうなのに、いざ本番となるとちょっと異質な感じが表情に見えたり。いい意味で本心が読めない感じがタイムトラベラーの凛太郎っぽかったです。
第33回東京国際映画祭で上映されるやいなや「超爽快で感動的なラスト」と大絶賛の本作。公開を心待ちにしている多くの方にあらためて見どころを伺うと。
金子 今みんなが求めている作品なのかなと思います。コロナ禍で、やりたいことも制限されて、とても窮屈な状況が続く中、作品の中のハダシたちはそんなこと関係なく、思う存分にやりたいことに突き進んでいく。どこかエネルギーを発散したくてもできない世の中だからこそ、その姿を見るだけでも気持ちいいと思えるんです。それでいて、切なさもあったり、観た後に色々な感情が湧いてくる作品だと思いますし、観る人によって感じ方も違うと思うので、そこを楽しんでもらえたら嬉しいです。
伊藤 やっぱりどうしても暗くなりがちな今だからこそ、せめて映画はスカっと希望のあるものを観て、元気になってもらえたら嬉しいです。映画も上映が延期されたり、映画館自体も閉館に追い込まれたりしてしまっていますが、絶対にものづくりの熱量や、『好き』の熱量は消えないと思います。なので、映画に限らず、その好きを忘れずに、どこかで消化して欲しい。生み出すということを忘れないで欲しいというか、それを私たち世代がもっとやるべきだと思っているので、この作品を通じてそんな気持ちが伝わってくれたらいいなと思います。
(C)2021「サマーフィルムにのって」製作委員会
監督/松本壮史
脚本/三浦直之(ロロ)、松本壮史
出演/伊藤万理華、金子大地、河合優実、祷キララ、小日向星一、池田永吉、篠田諒、甲田まひる、ゆうたろう、篠原悠伸、板橋駿谷 他
公開/8月6日(金) 新宿武蔵野館ほか
PHOTO / Ryuta Seki
TEXT / Satoko Nemoto
この記事のライター
Poco'ce
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