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10日にスタートする日本テレビ系連続ドラマ「俺たちの箱根駅伝」(土曜・後9時、大泉洋主演)のチーフ脚本家に抜てきされたのが、中央大文学部4年の鈴木すみれさん(22)だ。2018年、フジテレビヤングシナリオ大賞を史上最年少の14歳で受賞。初の連ドラ脚本で、人気作家・池井戸潤氏(63)原作に挑む。ランナー側とテレビ局側の“2本のタスキ”をつなぐことを肝に、2年半にわたって執筆した。(水野 佑紀)
「冷静に考えて、初めての連ドラが池井戸先生(の作品)ってありえないですよね」。知的な空気感をまとう鈴木さんだが、全話を書き終えた今も夢を見ているようだという。
同作の話が舞い込んだのは、19歳の時。「とりあえず書いて読んでもらおうという、ふわっとした形で始まりました」。最年少の14歳でヤングシナリオ大賞に輝いてから5年。オリジナルを書いていたが、日の目を見なかった鈴木さんにとってチャンスだった。原作を読み「吸引力がある作品。レースのシーンは映像化したら、絶対に泣いてしまう」と魅了された。
夢中で第1話を書いた。池井戸氏から「大丈夫」とお墨付きをもらい、ドラマ版脚本の“タスキ”を受け取った。「ホッとしましたし、うれしかったです。打ち合わせの人数も多くて、毎回10人くらい。規模が大きな作品をやらせていただけて、とにかくありがたいという気持ちが一番です」
監督やプロデューサーから指導を受けながら執筆した。池井戸氏とも対面で打ち合わせを重ね、シーンの意味を確認し合った。風通しのいい環境で、才能がのびのびと躍動。「原作の精神が飛躍しているか」という点にこだわり「選手側は受け継いできたものをつなぎ、テレビ側も不可能と言われた生中継を可能にした先人の思いや中継をつなぐ使命がある。ランナー側、テレビ局側の二軸とも、タスキをつなぐことが大事だと思って書いた」という。
25年の第101回大会は現地で取材した。箱根駅伝は小学生の頃に神奈川・茅ケ崎市の沿道で応援し「一瞬だった」と記憶に刻まれていたが、取材で見た景色は、より刺激的だった。
東京のスタート・ゴール地点を見届け、おなじみの神奈川・箱根町の小涌園に宿泊。6区スタート前の芦ノ湖で目撃した光景が印象深い。「午前3時くらいに起きて、私的には超寒かったです。でも、選手は布地も少ないユニホーム姿で作戦確認をして、その選手たちの精神統一を中継側もしっかり押さえるっていう気概を感じました」。日テレの選手ファースト精神は、主人公たちに投影した。
学業と両立するため、片道1時間半の通学時間中に執筆したことも。苦しい時はシンガー・ソングライターの折坂悠太(37)のライブや趣味の散歩で3時間歩いてリフレッシュし、21歳の時に書き上げた。「作品を通して、大人たちが純粋に熱くなっている現場があることに、ものすごく感動しました。実際の熱がフィクションになることによって飛躍して、伝わってほしいです」と力を込めた。=終わり=
〇…大学では万葉集など古典文学を学ぶゼミに所属し、現在は卒論の執筆中。池井戸氏からも「卒業できそう?」と心配されたため、何としても来春の卒業を目指す。卒業後は脚本家に専念する予定で「半径が狭い物語を書きながら、視野を広く、世界を見られるものを書きたいです」。オリジナル作品も書きためているものがあると明かし「いつか日の目を見たらいいな」と夢に描いた。
◆鈴木 すみれ(すずき・すみれ)2004年6月14日、東京都生まれ。22歳。2018年、「ココア」でフジテレビヤングシナリオ大賞を史上最年少の14歳で受賞。20年、中央大学高等学校に進学。23年、中大文学部に入学。同年、第69回角川短歌賞佳作。25年、映画「女神降臨」で初の映画脚本。唐田えりかと知英がダブル主演する来年2月5日公開の映画「過怠」(山本英監督)の脚本を担当。
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スポーツ報知
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