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昭和を代表する歌手・美空ひばりさん(享年52)が39年前に当時の福島・いわき市長に送った「詫(わ)び状」がこのほど発見され、12日、いわき市の塩屋埼灯台の近くにある「雲雀乃苑(ひばりのその)」で展示セレモニーが行われた。
塩屋埼灯台は、大病を患ったひばりさんの復帰第1作「みだれ髪/塩屋崎」の舞台となった地。1987年11月、ひばりさんはプロモーションのため現地を訪れる予定だったが体調不良で断念し、当時のいわき市長・中田武雄氏に直筆の手紙を送った。昨秋、地元有志によって市庁から詫び状が発見され、複製が一般公開されることとなった。
「みだれ髪」は、星野哲郎さんが塩屋埼灯台に孤高の歌姫・ひばりさんを重ねて作詞。作曲を手がけた船村徹さんに、入院中のひばりさんが「決して手加減はしないでください」と直訴し、地声と裏声の繊細な切り替えが必要な難曲として知られる。
セレモニーでは歌手の坂本冬美(59)が「みだれ髪」を披露。ひばりさんが同曲を歌唱したときに実際に着けていた帯を締め、海風に包まれながら歌声にひばりさんの魂を宿らせた。
坂本は40年の歌手人生で「みだれ髪」を歌うのは初めて。「正直、私の音域では無理があるんですが、お声がけいただいたのはきっと意味があること。葛藤はありましたが、ひばりさんの思いもしっかり伝えなきゃ、という思いで挑戦しました」。10日にはお忍びで墓参りし「無事に皆様の前で歌わせていただけて本当によかった」とホッとした様子。演歌歌手の梅谷心愛(18)、西山琳久(11)も歌声を響かせた。
ひばりさんの長男でひばりプロダクション社長の加藤和也氏は「母の最後の心残りはこの場所に自分の足で来られなかったこと。今回再発見された手紙が展示され、たくさんの方に協力頂いたことに感謝しております」と感無量。39年の時を超え、ひばりさんの情熱は塩屋埼の地に確かに伝わった。(宮路 美穂)
【詫び状全文】
初めて御便りさせて頂きます。美空ひばりでございます。
此度、楽しみに予定致して居りました私の、いわき市訪問につきましては、市長さんはじめ係の皆様方に一方ならぬご配慮を賜っておるとのこと、報告を受け、誠に有難いことと感謝致して居ります。
詳しいことは、私共の社員よりご報告を申し上げさせますが、止むを得ぬ事情により、十一月二十六日、二十七日に予定致して居りました貴市訪問を、不本意ながら延期しなければならなくなった事を、私自身、非常に残念に思って居ります。
「みだれ髪」、「塩屋崎」、こんなに素晴らしい作品のテーマを与えて下さったいわき市に行ってみたいという気持は、今も変っておりません。
近い内に必ず、いわき市及び塩屋崎を訪問させて頂き、市長さんにも直接お目に掛って、ご挨拶させて頂き度いと思って居ります。
最初の御便りが、こんな事で誠に残念ではございますが、事情をご賢察の上、お許しを頂き度いと存じます。
最後に、市長さんのこれから益々の御活躍と、市職員の皆様の健康をお祈り致し、ご挨拶に代えさせて頂きます。
かしこ
美空ひばり
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スポーツ報知
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