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日本毛織(通称社名:ニッケ)衣料繊維事業本部は、一昨年に策定したSDGsビジョンに基づき、さまざまな活動に取り組んでいる。
その活動のひとつ、真のサステナビリティを目指す取り組みとして、本来は廃棄される羊毛から肥料をつくり、土に還す実験を開始した。
同社は、自然の恩恵を受けた素材である「ウール」の総合メーカーとして生まれ、日本の繊維産業とともに発展し、これまで歩んできた。祖業を受け継ぐ衣料繊維事業本部では、2020年に策定したSDGs方針の中で、そのビジョンを「Weaving for the future(未来を織りなす)」としたそう。
より安心で安全な持続可能な未来へ向け、地球環境の保護・保全に寄与し、掲げた未来を実現する人財育成を支援することを目的としている。その実現のため、3つのコミットメントと9つのアクションを掲げて実行中だ。
9つのアクションのうち、「ウールのリサイクルシステムの運用」「グローバルに活躍できる人材育成活動」の具現化を目指し、一昨年から、ともに神戸発祥である「六甲山牧場」との取り組みを開始。
これまでに、牧場で社員が子ども向けのイベントを開催したり、同社が別途行っている出前授業に牧場のスタッフが参加したりという形で、羊を通じたコラボレーションを行っている。
観光牧場と民間企業が手を取り合うからこそのシナジー効果を発揮し、地域社会への貢献や、子どもたちに向けた環境教育への支援を目指していければと考えているとのこと。
こうした活動の一環として、4月9日(土)・10日(日)には、「六甲山牧場」で開催された羊の一斉毛刈りイベントには、同社社員が参加した。
今回の参加目的は、毛刈りで生じた落ち毛のうち、再利用できずこれまでは廃棄していた部分を収集することだそう。
提携先である製肥所と打ち合わせを重ね、あまり状態の良くない羊毛でも、窒素成分やアミノ酸をたっぷりと含んだ有機質肥料に生まれ変わらせる目途が立ったという。
イタリア語で羊毛を意味する「ラナ」から名付けられた肥料<ラナリン>は、自然の恵みを取り扱う同社が目指すべき、「真のサステナビリティ」のシンボルとのこと。
まだ実験段階であり、量もそう多くはないが、これから検証を重ね、品質の向上と規模の拡大に取り組んでいくという。
この度できあがる肥料は、神戸ワイナリーで同社が借りているブドウ畑の施肥に用い、効能が確認される。
また、「六甲山牧場」で行われる他のイベントで来場者に配るほか、同社が行っている環境教育活動で訪問する学校でも使ってもらう予定だという。
5月14日(土)には「六甲山牧場」で「ニッケ ウールLABO」と題された、ウールクラフトというフェルトボールアクセサリー作りができるイベントを開催予定。同イベントは、雨天の場合、順延・中止の可能性があるので注意を。
この機会に日本毛織の取り組みについてチェックしてみては。
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