お葬式のマナーとは?お通夜・葬儀・告別式に参列する際の服装や礼儀作法を紹介

更新日:2023年11月1日 / 公開日:2023年11月1日

お通夜・葬儀・告別式に参列する際には、守るべきマナーがあります。 今回は、お葬式(葬儀)に参列する際の服装や身につけるもの、お通夜・お葬式・告別式でのマナーや作法について詳しく紹介します。突然届いた訃報に慌てることがないように、基本のマナーを確認しておきましょう。

1.お葬式(葬儀)に参列する際の服装

ここでは、参列する際の服装や身につけるもののマナーを紹介します。

1-1.お葬式に参列する際の服装

お葬式で着用する喪服には正喪服・準喪服・略喪服の3種類があり、参列者は準喪服を着用するのが基本です。

女性の基本の服装とマナーは以下の通りです。

お葬式では、肌の露出が多い服装はタブーです。

そのため、喪服の袖の長さは長袖〜5分丈、スカートはひざが隠れる丈にしましょう。

平服の指定がある場合は、黒・紺・グレーなど暗い色合いのスーツやワンピースといった略喪服を着用します。

<男性の場合>

男性の準喪服はブラックスーツ(ジャケットはシングル・ダブルどちらでもOK)に白無地のワイシャツを着用し、ネクタイ・靴下・靴は黒で統一するのが基本です。

平服の指定がある場合は、ダークスーツといった略喪服を着用します。

1-2.子供が参列する際の服装

子供が参列する場合は、幼稚園や学校の制服が正装です。

制服がない場合は、以下のような服装を着用するとよいでしょう。

赤ちゃんの場合はキャラクターものや派手な色の服は避けて、色は黒・グレー・白、シンプルなデザインの服を着用するのがおすすめです。

1-3.身につけてはいけないもの

葬式では、アクセサリーは結婚指輪以外はつけないのが基本です。

ただし、涙の象徴とされる真珠の一連ネックレスやイヤリング(ピアス)であれば、つけても問題ありません。

また、動物の毛皮やフェイクファー、アニマル柄など殺生を連想させるアイテムを身につけるのはマナー違反となるため、コートやマフラーを着用する際は注意しましょう。

靴やバッグは、光沢がなくシンプルなデザインであれば革素材でも問題ないと考えられています。

ただし、オーストリッチやクロコダイルなど、皮革とわかりやすいアイテムは避けましょう。

2.【お通夜】受付・焼香・故人との対面・振る舞い

ここでは、受付でかける言葉・焼香・故人との対面など、お通夜での基本マナーについて紹介します。

2-1.受付でかける言葉のマナー

お通夜の受付では、「心よりお悔やみ申し上げます」「この度はご愁傷様でございます」などお悔やみの言葉を述べます。

このときに述べる言葉は短く簡潔に、声のトーンは抑えて静かに話しましょう。

2-2.正しい焼香の作法

お通夜で正しく焼香できるように、基本的な作法を把握しておきましょう。

1.祭壇の前に進み、遺族に向かって一礼します。

2.焼香台の手前に進み、遺影に向かって一礼してから焼香台の前に立ちます。

3. 親指・人指し指・中指で抹香をつまみ、額の高さまで掲げてから香炉にくべます。(1〜3回繰り返す)

4.遺影に向かって合掌し、一礼します。

5.遺影の方を向いたまま数歩下がり、遺族に一礼して席に戻ります。

2-3.宗派によって作法が異なる場合も

焼香の基本的なやり方は同じですが、宗派によって作法が異なる場合もあります。

<作法例>

地域や会場の都合によっても焼香の作法が異なる場合があるため、お通夜に参列する際は確認しておきましょう。

2-4.故人と対面する際のマナー

遺族に故人との対面をすすめられたときは、マナーに沿って対面しましょう。

故人と対面する際の基本的な作法とマナー違反となる行動は以下の通りです。

<基本的な作法>

1.遺族に対面をすすめられたら、「お別れさせていただきます」「対面させていただきます」などと一言述べる

2.故人から少し下がった位置で一礼する

3.遺族が柩の扉を開けたら(または、白布を外したら)、静かに近づいて対面する

4.対面が終わったら故人に向かって深く一礼し、合掌する

5.少し下がり、遺族に一礼して離れる

<マナー違反となる行動>

・遺族の了承を得ずに故人と対面する

・勝手に顔にかかっている白布を取る

・柩の扉を勝手に開ける

・勝手に故人に触れる

3.【お葬式・告別式】焼香・弔辞・出棺・拾骨の仕方

ここでは、お葬式・告別式での焼香・弔辞・出棺・拾骨の仕方やマナーを紹介します。

3-1.お葬式・告別式での焼香

お葬式・告別式で参列者が多い場合は、長い列ができることもあります。

葬儀場では私語は慎むことがマナーとされているため、友人や会社関係の人と一緒に参列する場合は、世間話はせずに静かに列に並びましょう。

順番が来たら祭壇の前に進み、焼香します。

参列者が多い場合は、「お焼香は一回でお願いします。」と案内が入ることもあります。

案内に従って、気持ちを込めて1回で焼香しましょう。

3-2.弔辞

弔辞を頼まれたときは、特別な事情がない限りは快く引き受けましょう。

弔辞は文字数では800〜1000文字程度、ゆっくり読み上げて3分〜5分程度が目安です。

弔辞には、以下のようなことを書くのが一般的です。

・訃報に対しての悲しみ

・故人との関係

・故人の功績・経歴・人柄

・故人とのエピソード

・遺族へのお悔やみの言葉

・お別れの言葉

弔辞は奉書紙または大判の巻紙に、薄墨で清書するのが正式な書き方です。

読み終えたら遺族に渡すので、丁寧に書きましょう。

3-3.出棺時のマナー

告別式に参列したら、出棺にも立ち会うようにしましょう。

出棺の際には、故人の周りに生花(別れ花)を飾り、最後のお別れをします。

花を飾るのは、故人との縁が深い人の順なので注意しましょう。

火葬場に同行するのは基本的に故人の遺族や親族で、一般参列者は合掌または黙礼でお見送りします。

寒い季節でコートを着用している場合は、出棺時には脱ぎましょう。

3-4.拾骨の仕方

故人と親しい関係だった場合、火葬場まで同行できる場合もあります。

拾骨を行う際は、2人1組で箸で遺骨を拾って骨壷に納めます。

故人と縁の深い人から順に、足元から頭部に向かって骨壷に納めていくのが一般的です。

最後に喪主が喉仏を骨壷に納めて終了です。

4.葬儀後のマナー

ここでは、葬儀後の精進落し・法事や法要の案内状のマナーを紹介します。

4-1.精進落し

精進落しは、参列者へのお礼やお清め、故人への供養といった意味があり、火葬への参列者が出席するのが一般的です。

遺族から精進落としへ誘われたら、できるだけ出席しましょう。

振る舞われた料理は一口でも箸をつけるのがマナーですが、持ち帰りにできる場合もあります。

途中退席する際は、必ず遺族に声をかけてから退席しましょう。

4-2.法事・法要の案内状

法事・法要は遺族・親族で行われるのが一般的ですが、故人と親しい関係だった場合は招待される場合もあります。

法事・法要の案内状を受け取った際は、1週間以内に返信しましょう。

特別な事情がない限りは、できるだけ出席するのがマナーです。

欠席する場合は、案内状に付いている返信はがきに欠席する理由を記載し、丁寧にお断りしましょう。

5.その他気をつけたいマナー

ここでは、数珠の持ち方・言葉づかいに関するマナーを紹介します。

5-1.数珠の持ち方

数珠は本式数珠(宗派別数珠)と片手数珠があります。

本式数珠(宗派別数珠)は宗派にあわせた正式な数珠で、宗派によって仕様や持ち方が異なります。

一般的には、宗派を問わない片手数珠を使用します。

急なお葬式や宗派にこだわりがない場合は、片手数珠を用意するとよいでしょう。

片手数珠の基本的な持ち方は2通りあります。

・左手に輪を通して右手を添えて合掌する(房は真下に垂らす)

・両手に輪を通して合掌する(房は真下に垂らす)

移動する際は、房が下を向いた状態で左手で持ちましょう。

5-2.言葉づかい

お通夜・葬儀・告別式では、遺族や参列者を不快な気持ちにさせないように言葉づかいに注意する必要があります。

とくに、不吉なことを連想させる言葉・不幸が続くことを連想させる言葉・重ね言葉は縁起が悪い忌み言葉とされています。

挨拶や弔辞の際には、以下のような言葉は使わないようにしましょう。

<不吉なことを連想させる言葉>

<不幸が続くことを連想させる言葉・重ね言葉>

お葬式のマナーを押さえて失礼のない振る舞いを!

お通夜やお葬式では遺族や参列者に不快な思いをさせないように配慮することが大切です。

マナーや作法を理解していないと、気づかないうちに失礼な言動をとってしまう可能性があるので注意しましょう。

また、マナーがわからないと焦ってしまい、きちんと故人とのお別れができなくなってしまいます。

今回紹介した情報を参考にお通夜やお葬式のマナーを押さえておき、失礼のない振る舞いで心穏やかに故人を見送りましょう。

まとめ

・お葬式に参列する際は、女性は基本的にブラックフォーマルを着用し、マナーに沿った着こなしをすることが大事

・お通夜・葬儀・告別式では、それぞれに礼儀作法やマナーがある

・宗派や地域によって作法が異なる場合もある

・数珠の持ち方や言葉づかいなど細かいマナーも確認しておき、失礼のない振る舞いをすることが大切



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