【お通夜の基本のマナー】礼儀作法・当日の流れ・服装・注意点をまとめて解説

更新日:2023年10月31日 / 公開日:2023年10月31日

訃報(お通夜や葬儀、告別式のお知らせ)が届くのは予測できないため、お通夜の用意に慌てる人も多いのではないでしょうか?落ち着いた気持ちで故人を見送るためにも、お通夜の基本的な服装や礼儀作法、マナーを把握しておきましょう。今回は、お通夜の流れ・礼儀作法・マナー、服装のマナーについて詳しく紹介します。

1.お通夜の流れ

はじめに、お通夜の基本的な流れを紹介します。

1-1.受付でお悔やみの言葉を述べる

葬儀場に到着したら受付へ向かい、手短にお悔やみの言葉を述べて一礼します。

1-2.香典を渡し芳名帳に記帳する

袱紗から香典を取り出して袱紗の上に乗せ、両手で香典を差し出します。

香典を渡したら、芳名帳または芳名カードに記帳します。

記帳が終わったら、「お参りさせていただきます」と述べて式場に入りましょう。

受付の前に芳名カードへ記入し、香典と一緒に渡す場合もあります。

1-3.着席・僧侶入場

お通夜が始まる10分前になると、着席の案内があります。

席が決まっている場合は案内に従い、決められていない場合は前から詰めて座りましょう。

お通夜の開始時間になると、僧侶が入場します。

1-4.読経・焼香・法話

僧侶による読経が始まり、自分の順番がきたら焼香しましょう。

読経と焼香が終わると、僧侶が法話を行います。

1-5.僧侶退場・喪主挨拶

僧侶が退場したあと、喪主から挨拶があります。

席についたまま静かに聞きましょう。

1-6.通夜振る舞い

通夜振る舞いは、喪家が僧侶や弔問客に対して感謝をし、故人を偲ぶために食事やお酒を振る舞う食事会です。

案内に従って、会場へ移動しましょう。

故人や遺族と親しい関係である場合を除いて、長居はせずに退席しましょう。

2.初めてでも安心!お通夜の礼儀作法・マナー

お通夜ではさまざまな礼儀作法やマナーがあります。

ここでは、香典・お悔やみの言葉・焼香・通夜振る舞いのマナーについて紹介します。

2-1.香典のマナー

香典の金額相場と書き方に関するマナーを紹介します。

<金額の相場>

香典の金額の相場は、故人との関係性が近いほど金額が多くなりますが、自分が喪主であったり葬儀費用を負担したりするときには、香典を包む必要はありません。

香典は、年齢が高いほど包む金額も多くなります。

故人との関係性や自分の年齢を考慮して、相場を参考に香典の金額を考えると良いでしょう。

ただし、割り切れる偶数は『故人とのつながりを切る』と連想させ、『4=死』と『9=苦』も不吉な数字(忌み数)とされています。

香典ではタブーとされているため、3,000円・5,000円・1万円・3万円・5万円・10万円といった金額で包むとよいでしょう。

香典袋は、コンビニや100円ショップなどで購入可能です。

<書き方>

香典袋の外袋には表書き・名前、中袋には金額・名前・住所を記載します。

「悲しみの涙で墨が薄れた」という意味から、薄墨の筆ペンまたは毛筆で書くのが基本です。

故人の宗教・宗派によって表書きの書き方が異なるので、事前に確認しておきましょう。

宗教・宗派別の書き方は以下の通りです。

2-2.お悔やみの言葉

お悔やみの言葉は、失礼がないように注意しましょう。

ここでは、お悔やみの言葉の例文と使ってはいけない言葉を紹介します。

<例文>

お悔やみの言葉の一般的な例文は以下の通りです。

「この度は心よりお悔やみ申し上げます」

「この度はご愁傷様でございます」

「突然の訃報を受け、誠に残念でなりません。どうぞお力落としのございませんように」

<使ってはいけない言葉>

お通夜や葬儀では、縁起の悪い『忌み言葉』は避けるのがマナーとされています。

以下のような言葉は使わないようにしましょう。

 【不幸が重なることを連想させる『重ね言葉』】

【不幸が続くこと・不吉なことを連想させる言葉】

【生死の直接的な表現】

【キリスト教や神道での忌み言葉】

2-3.焼香のマナー

焼香は立礼焼香・座礼焼香・回し(廻し)焼香の3種類があります。

宗派や地域によってやり方は異なりますが、基本的なやり方は以下の通りです。

<立礼焼香>

起立した状態で行うやり方です。

主に椅子席の式場で行われます。

1.焼香の順番が回ってきたら席を立ち、祭壇の前で遺族に向かって一礼します。

2.焼香台の一歩手前まで進み、遺影に向かって一礼(または合掌)してから焼香台の前に立ちます。

3.右手の親指・人差し指・中指で抹香をつまんで目の高さまで持ち上げ、指先を擦るようにして香炉へ落とします。(1〜3回繰り返します)

4.遺影に合掌し、一礼します。

5.遺影に体を向けたまま数歩下がり、遺族へ一礼して席に戻ります。

<座礼焼香>

正座をして行うやり方です。

主に、畳敷きの式場で行われます。

1.順番が回ってきたら中腰で前に進み、焼香台の手前に正座して遺族に一礼します。

2.遺影に向かって一礼し、膝をつけた状態で焼香台の前に移動して合掌します。

3.立礼焼香の3・4と同様に、焼香します。

4.遺影に体を向けたまま膝をつけた状態で下がり、遺族に一礼して中腰で席に戻ります。

<回し(廻し)焼香>

回し焼香は、香炉を回して焼香をするやり方です。

主に、小さな式場で行われます。

1.自分の席へ香炉が回ってきたら、軽く一礼して受け取ります。

2.遺影に向かって一礼(合掌)し、立礼焼香の3・4と同様に焼香します。

3.次の人に香炉を回します。

2-4.通夜振る舞いのマナー

通夜振る舞いは、一口でも箸をつけるのがマナーとされています。

案内があった際には出席し、少しでも食べ物や飲み物をいただいてから退席すると失礼に当たらないでしょう。

また、通夜振る舞いでは、以下のようなことはマナー違反なので注意しましょう。

・故人と関係ない話をする

・大声で話す

・大きな声で笑う

3.参列者の服装のマナー・常識

お通夜に参列するときは、喪服を着用するのが一般的です。

参列者の服装のマナー・常識を確認しておきましょう。

3-1.男性

男性の場合、お通夜ではブラックスーツ(準喪服)または暗い色合いのダークスーツ(略喪服)を着用します。

服装の基本マナー・常識は以下の通りです。

3-2.女性

女性の場合、お通夜ではブラックフォーマル(準喪服)または暗い色合いのスーツ・ワンピース・アンサンブルを着るのが一般的です。

女性はメイクのマナーも把握しておきましょう。

服装とメイクの基本マナー・常識は以下の通りです。

3-3.子供・学生

子供・学生の場合、幼稚園や保育園、学校の制服があるときは喪服の代わりに制服を着ていきます。

服装の基本マナー・常識は以下の通りです。

4.お通夜についてよくある質問

ここでは、お通夜についてよくある質問と回答を紹介します。

4-1.お通夜と葬儀、告別式の違いは何ですか?

【お通夜】

故人の家族や親族、近親者などで故人との最後の時間を過ごし、故人を偲ぶ儀式です。

【葬儀】

故人の家族や親族、近親者などで冥福を祈り、死者を葬るための儀式です。

【告別式】

知人や同僚・仕事関係者など、故人と縁のあった人が、最後のお別れをする儀式です。

通夜の翌日に、葬儀・告別式を行い、その後に火葬を行うのが一般的です。

4-2.お通夜に出席できない場合どうすれば良いですか?

お通夜に出席できない場合は、お通夜の前に弔電や共花を送ると良いでしょう。

香典は、お通夜に参列する人に預ける・現金書留の封筒で郵送する・弔問するといった方法で渡しましょう。

4-3.お通夜に遅れそうな時はどうすれば良いですか?

1時間以内の遅刻であれば、遺族に迷惑をかけることはほとんどありません。

1時間以上の遅刻でも、通夜振る舞いの時間に間に合うようであれば、事前に遅れることを連絡してから参列しましょう。

4-4.お通夜はどれくらいの時間かかりますか?

お通夜の儀式は1時間〜1時間半程度、通夜振る舞いは1〜2時間程度が一般的です。

お通夜では礼儀やマナーを守り失礼のないよう参列しよう!

お通夜では、受付から通夜振る舞いに至るまでさまざまな礼儀作法やマナーがあります。

マナー違反をしてしまうと常識がないと思われるだけでなく、遺族に不快感を与えたり迷惑をかけてしまったりする場合があるので注意が必要です。

また、宗教・宗派によって礼儀作法やマナーは異なり、遺族の意向によって香典や供花の辞退をされるケースもあります。

訃報が届いたら、詳細をきちんと確認しておき、マナーを守って失礼のないように参列しましょう。

まとめ

・お通夜の流れは、受付→香典を渡す・芳名帳に記帳→着席・僧侶入場→読経・焼香・法話→僧侶退場・喪主挨拶→通夜振る舞い

・香典・お悔やみの言葉・焼香・通夜振る舞いのマナーを把握しておくのがポイント

・お通夜では喪服を着用するのが基本で、小物やバッグ、メイクにもマナーがある

・訃報が届いたら詳細を確認し、礼儀やマナーを守って参列することが大事



この記事に関連するキーワード

この記事のライター

新着

ログイン・無料会員登録