更新日:2017年5月24日 / 公開日:2017年5月24日
将来に向けての不安はあるものの、お金のことは苦手だし何から手をつけたらいいかわからない…というお悩み。日本の義務教育では、身の回りのお金について教えてくれませんから、苦手意識を持つのも無理はありませんよね。そんなお悩みを持つ方へ、今回もケチケチ贅沢日記の著者であるmuccoさんにアドバイスいただきます!
Q、
将来に向けてお金の不安はあるものの、お金のことは苦手です。何から手をつけていいのかもさっぱりわかりません。でも、なんとかなりますよね?
(30代前半・物流・既婚)
A、
「お金のことはよくわからない。苦手。」という人はとても多いです。
日本の義務教育は、身の回りのお金について教えてくれませんので、苦手意識を持つのも無理はありません。
質問者さんだけではありませんのでどうぞご安心ください。
その一方で、苦手だけれど何とかしなければ、と感じている人が多いのも事実です。
その証拠に、世の中は日々の節約術から投資、老後対策までさまざまなマネー本で溢れています。
何から手を付けていいかわからない場合は、質問者さんが抱いている「お金の不安」の正体を知ることから始めましょう。
何から手を付けていいかわからない場合の多くは、頭の中が整理されていない状態です。
とにかく思いつくまま書き出してみましょう。
仕事のタスクリストやTO DOリストを作るのと同じですね。
例)
・子供の教育資金
・家
・老後
・仕事
順番を付けることで、さらに頭の中を整理します。同時に対処する優先順位もわかります。
例)
1・子供の教育資金
3・家
4・老後
2・仕事
例)
1・子供の教育費(大卒までいくら必要か?どうやって用意するの?)
2・仕事(会社がつぶれたらどうしよう?転職リスクは?)
3・家(持ち家?賃貸?買うとしたら住宅ローンはいくらまで借りられるの?)
4・老後(年金はいくらもらえるの?老後資金はいくら必要?)
例1・3・4
いくらかかる?など金額に対する不安は、知識不足による不安です。
これらは過去のデータが数値化されていますので、インターネットで検索すれば、だいたいの目安がわかります。
目安を知れば、過度な不安を抱くことは少なくなります。
例えば質問者さんが一番不安に思っている子供の教育費。「教育費」で検索してみましょう。
すると教育関連会社や学資保険を扱う保険会社の記事に、こんなふうに平均教育費が表示されていませんか?
★幼稚園から高校まで すべて公立の場合143.6万円 すべて私立の場合436.8万円
(文部科学省 平成26年度「子供の学習費」の結果について より)
「わからない→調べる→知る」ことで、ではどうしたらいいのか?と次の対処法へ進むことができます。
例2
収入源や稼ぐことに対する不安ですね。
自分の生活を維持するのに最低いくら必要かがわかっていれば、「稼ぐ」ことのハードルはそれほど高くないでしょう。
また、予期せぬ事態に備えて、最低6か月分の生活費を蓄えておくことで、稼げない時期の心理的負担も少なくなるでしょう。
「収入源・稼ぐこと」のお金そのものへの不安はこれでだいぶ解消されます。
例2の隠れた問題は、「希望にあった職場が見つかるかどうか」さらに欲を言えば、「今よりも条件のいい職場が見つかるかどうか」ではありませんか?
この点に関しては、転職市場での自分の価値を調べたり、スキルアップを図ったり、稼ぎ方・働き方の意識を変えることが必要となります。
皆さんの祖父母世代までは、お金のことを知らなくても「なんとかなった」、正しくは国が「何とかしてくれた」のですが、私たち現役世代はどうでしょう?
たしかに、健康でさえあれば質問者さんのおっしゃるように「なんとかなる」でしょうが、どんな生活を望むかによって「なんとかなる」の意味が違ってきます。
自分が望む生活を送りたいのであれば、国や会社組織に過度な期待はせず、かといって将来に悲観することなく、それぞれが自分で考え、できることをやって、前へ進む必要があります。
もはや、お金のことは苦手、では済まない時代になっているのです。
多くの人がただ漠然と抱えてるお金の不安は、苦手意識や知識不足から生まれています。
でも、「わからない」「苦手」と逃げていても、何も進まないので、自分の力で解決していかなければならないでしょう。
今は皆さんの手元にあるスマートフォンや目の前にあるパソコンを通じて、手軽に無料で調べることができます。
さらに詳しく知りたい・相談したい場合は、ファイナンシャル・プランナーなどお金の専門家に頼ることもできます。
身の回りのお金、社会保障から投資まで、お金の知識全般やお金を管理する能力のことを「マネー・リテラシー」といいます。
日常生活の中で「わからない→調べる→知る」といった行動はマネー・リテラシーを身につける第一歩。
何かを始めたい時や金銭的なトラブルが生じた場合の対処の仕方は、マネー・リテラシーがあるかどうかで差がついてしまいます。
不安の正体を知る、というのは時として自分の現実と向き合うことにもなりますので、すこし辛いかもしれませんが、それを後回しにすればするほど辛さも大きくなります。
漠然とした不安の正体を知って、知識を蓄え、行動すれば、不安は人生の目標へと姿を変えていくのです。
かつての私がまさにそうでした。
次回はその経験についてお話しましょう。
この記事のライター
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