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人気テレビ番組『マツコ&有吉の怒りの新党』で取り上げられ、話題になっている『共感性羞恥』。共感性羞恥は心理学用語のひとつで、他人に起きたことなのに自分が恥ずかしい気持ちになってしまう状態を指します。今回は、共感性羞恥の意味や共感性羞恥になりやすい人の特徴、克服方法について詳しく紹介します。
共感性羞恥というワードは見たことあるけど、読み方や意味は知らないという人もいるかもしれませんね。
まずは、共感性羞恥の読み方や意味からチェックしてみましょう。
共感性羞恥は、「きょうかんせいしゅうち」と読みます。
また、『共感性羞恥心(きょうかんせいしゅうちしん)』や『共感的羞恥心(きょうかんてきしゅうちしん)』と言われることもあります。
英語では『empathic(感情移入できる・共感できる)』、『 embarrassment(困惑・きまりの悪さ)』を合わせた『empathic embarrassment』と表現します。
共感性羞恥は、他人が恥をかいていたり怒られていたりすると、自分に起きたことのように恥ずかしさやつらさを感じる心理現象のことです。
子供から大人まで年齢に関係なく起こる現象ですが、とくに自意識が強くなる思春期に起こりやすいといわれています。
共感性羞恥は、日常生活のさまざまなシーンで起こります。
例えば、以下のような場面で共感性羞恥が起こることがあります。
・歩いていた人が滑って転んだとき
・カラオケで音痴な人が歌っているとき
・SNSで間違った情報を得意げに伝えている人がいたとき
・バラエティ番組でお笑い芸人がスベっていたとき
・テレビやネットのドッキリ企画で仕掛けられた人が驚いて焦っていたとき
・マンガやアニメの主人公が失敗したとき
・ドラマで告白シーンがあったとき
目の前で起きた状況だけでなく、ドラマやマンガ、アニメなどの登場人物に対しても共感性羞恥を感じる人は多いです。
共感性羞恥を感じるといたたまれなくなり、その場から離れたり、観るのをやめてしまったりすることも少なくありません。
ここでは、共感性羞恥になりやすい人の特徴を紹介します。
共感性羞恥になりやすい人は、普段からひと目を気にしていたり、恥ずかしがりだったりするのが特徴です。
ひと目を気にする人や恥ずかしがり屋の人は、他人にどう思われるかを気にしていて、恥に対する感受性が強い傾向があります。
共感性羞恥になりやすい人は、自分に自信がなく他人の評価を気にしすぎてしまうため、コミュニケーションが苦手な傾向があります。
自分から積極的に人と関わることができないので、友人が少なくコミュニティーが狭いことも特徴のひとつです。
共感性羞恥になりやすい人は、HSPの傾向があるケースもあります。
『HSP(Highly Sensitive Person)』は心理学で使われている用語で、生まれつき感受性が強くて周りからの刺激を受けやすい繊細な人のことです。
その人の性格を形づくっている気質のひとつで、病気ではありません。
HSPの気質を持っている人は、自分と他人との心の境界線が薄く、周囲の雰囲気や他人の感情を敏感に察知します。
他の人が気にならないようなことも強く感じ取って影響を受けてしまうため、共感性羞恥になりやすいといわれています。
ここでは、共感性羞恥を抱く主な原因を紹介します。
共感性羞恥を抱くのは、過去に同じ経験をしたことがあるのが原因の場合があります。
例えば、道で転んで笑われたことがある・盛り上げるつもりが失敗してしらけさせてしまったことがあるなどの経験です。
同じような場面で自分自身が恥ずかしい思いをしたことがあると、そのときの感情が蘇っていたたまれない気持ちになってしまうのです。
そのため、相手が恥ずかしいと思っていなくても、共感性羞恥を抱くことがあります。
共感力が高い人は、他人の状況や感情を理解することに長けています。
共感力が高いと相手の気持ちに寄り添うことができるため、コミュニケーションが円滑になる・良好な人間関係を築けるといったメリットはあります。
しかし、相手の心中を察して自分も同じような感情になるため、共感性羞恥を抱く原因となります。
共感力が高すぎると相手の感情を敏感に感じ取って同調してしまうため、「恥ずかしくて耐えられない…」と苦しくなってしまうこともあるでしょう。
共感性羞恥は病気ではないため、とくに困ることがなければ治す必要はありません。
しかし、共感性羞恥になるのがつらかったり、日常生活に支障が出ていたりする場合は、以下のような克服方法を試してみましょう。
共感性羞恥になりやすい人は、失敗を恐れて積極的に行動するのを避ける傾向があります。
とくに、ひと目を気にする人や恥ずかしがり屋の人は、周囲の反応を気にしすぎて消極的になりがちです。
「ちょっとくらい失敗しても平気」と楽観的に考えて、色々な経験をしてみましょう。
小さなことでも成功体験を積むと、自分に自信を持てるようになって恥ずかしさのハードルが下がる可能性があります。
そうすれば、共感性羞恥を抱くことも少なくなるでしょう。
恥ずかしい思いをしたことが共感性羞恥の原因になっている場合は、過去の失敗を笑い話にするのがおすすめです。
過去のネガティブな出来事を何度も思い返していると、「もっとこうしておけばよかった…」と自分を責める気持ちが続いて、ネガティブになってしまいます。
過去の失敗を笑い話にすることで、「あのときは恥ずかしいと感じたけど、大したことなかったかも」と心が軽くなる可能性があるでしょう。
共感力が強いと他人に起きた出来事に反応しすぎてしまうため、他人と自分の感情に境界線を引くことも大切です。
共感性羞恥を抱いたら、「自分に起きたことじゃないから関係ない」と割り切りましょう。
このとき、自分が恥ずかしいと思ったことは認めるのがポイントです。
自分の感情を冷静に受け止めた上で、他人と距離を取るようにしましょう。
共感性羞恥になる原因はさまざまですが、他人の感情に敏感な人に起こりやすい現象です。
身近な人だけでなくテレビやネット、マンガなどを観ているときにも起こるため、頻度が多いとつらさを感じる人もいるでしょう。
共感性羞恥になって苦しいときは、無理せずに『テレビを消す』『その場を離れる』といった対処方法で自己防衛するのがおすすめです。
また、共感性羞恥はHSPが関連しているケースもあります。
HSPは病気ではありませんが、ストレスにさらされやすいため、うつ病を発症するリスクが高いといわれています。
『生きづらさを感じてつらい』『メンタルに不調を感じている』といった場合は、心理カウンセラーや専門医に相談してみると良いでしょう。
今回紹介した克服方法も参考に、自分の感情を理解してうまく付き合ってくださいね!
・共感性羞恥(きょうかんせいしゅうち)は、他人が恥をかいていたり怒られていたりすると自分のことのように恥ずかしさやいたたまれなさを感じる心理現象のこと
・歩いていた人が転んだときやカラオケで音痴な人が歌っているときなど目の前で起きた状況以外にも、ドラマやアニメ、バラエティ番組などを観ていて起こることもある
・共感性羞恥になりやすい人の特徴は、ひと目を気にする・恥ずかしがり屋・友人が少なくてコミュニティーが狭い・HSPの傾向があるなど
・共感性羞恥を抱く主な原因は、過去に同じような経験をして恥ずかしかったから・共感力が高くて他人の感情を感じ取りやすいから
・共感性羞恥の克服方法は、色々な経験をして成功体験を積む・過去の失敗を笑い話にする・他人と自分の感情に境界線を引く
・共感性羞恥は病気ではないが、日常生活やメンタルに悪影響が出ている場合は専門家に相談するのがおすすめ
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michill トレンド
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ファッション、ビューティー、ネイル、ヘアスタイルなど、幅広いカテゴリのトレンドに敏感なアラサー女子です。話題のアイテムの情報や気になる商品のレビューを紹介します。
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