憧れの京都にアトリエを!オーナーに聞いた「京都の路地の魅力」

更新日:2024年8月30日 / 公開日:2024年8月30日

「清水寺」や「花見小路通」など有名なお寺や観光スポットが数多く集まり、旅行先として人気な場所・京都。そんな京都に惹かれて、京都に住んでみたいと考えたことがある人は多いのではないでしょうか。今回は、京都に暮らし、「アトリエ立夏」を経営している志知さんにインタビュー。京都の路地にある物件を選んだきっかけや、実際の暮らしを伺ってみました!

京都での路地暮らしって?

「京都」といえば、「清水寺」や「花見小路通」、「錦市場」など有名なお寺や観光スポットが数多く集まり、旅行先として人気な場所のひとつ。

そんな京都に惹かれて、京都に住んでみたいと考えたことがある人は多いのではないでしょうか。

実際に京都のまちなか居住の人気は年々高まり、表通りに建設されるマンションは増えています。

しかし、都市部の地価高騰もあいまって、誰もがまちなかに住めるという状況ではなくなりつつあります。

こうした中で京都市がおすすめするのが、「路地暮らし」。

表通りから一歩足を踏み入れた路地奥は、価格が手頃なうえ、情趣豊かな町並みが今なお残ります。昔ながらのコミュニティが息づき、豊かで安心な生活の場として機能している路地は、京都に住みたい方にとっておすすめな場所。

今回は、そんな路地にある古い建物をDIYでアレンジして、念願のアトリエを構えた女性にインタビュー。京都の路地にある物件を選んだきっかけや、実際の暮らしを伺ってみました!

京都での路地暮らし:アトリエ立夏の場合

京都の路地で、アトリエ運営

インタビュイー:「アトリエ立夏」オーナー・志知さん

――まずは簡単な自己紹介をお願いします。志知さんは、どういった経緯で京都に住まわれたのでしょうか。

志知:学生時代は、金沢美術工芸大学でデザインの授業を履修していました。その後、京都市立芸術大学の大学院に進学し、染色を学びました。現在は京都に住まい、東山の路地でアトリエ立夏を経営しています。

――アトリエ立夏では、どのような作品を制作していますか。

志知:絹糸を使った金沢伝統の「加賀ゆびぬき」を中心に制作し、実店舗・WEBショップでの販売と教室・ワークショップを展開しています。

――ここは住宅地なので、通りすがりに見つけて入られることは少ないように思います。お客さんはどのように来られるのでしょうか。

志知:Instagram(@ricca_kyoto)を見た方が、京都観光に合わせて寄ってくださることが多いです。Instagramでは海外の方からもお問い合わせがあります。海外の方はワークショップに参加される方も多いですね。

アトリエ利用として魅力的な物件を発見

――アトリエは、最初から京町家を探していたのですか。

志知:「和」を基調とした作品作りをしているので、鉄筋コンクリートの建物よりは京町家が合うかなと思い、京町家を探していました。

――京町家は見つけにくいという声も聞きますがどうやって探しましたか。

志知:インターネットで京町家に詳しそうな不動産屋さんを検索しました。何件か紹介頂いて、この物件と巡り合いました。下京区の物件も候補でしたが、結果的には、この場所は車通りが少ないので静かでとても気に入っています。

――何が決め手だったのでしょう。

志知:ここはもともと木工の職人さんが使用していた建物で、アトリエにしようと考えていた自分にはとても魅力的な物件でした。もとは入口に勾配のついた広い土間があり、そのままでは家具も置きにくい造りでした。一般的な住居としては使いにくい形だったのか、手頃な価格になっていた所をタイミングよく購入できました。道路に接していないことも手頃な理由だったと思います。

築120年の建物をDIYで過ごしやすくアレンジ

――建物の築年数はご存じですか。

志知:正式には分からないのですが、築120年以上と聞いています。明治時代ですね。

――築120年!建物自体はかなり手を入れていますよね。

志知:長く使うつもりで購入しているので、家族や知り合いの大工さんに手伝ってもらいながら内装などはなるべくDIYで手直ししました。コロナ禍で人を呼べる状況ではなかったのでアトリエ開設を急ぐ必要もなくなり、WEBショップを運営しながら、一年近く掛けてゆっくり工事しました。

――電気工事などはされていますか。

志知:電気工事や水回り等の専門的な部分は業者さんにお願いしています。電気工事は電気容量の問題もありますが、古いと火災も怖いので交換しています。大工さんも一人だけ来ていただきました。難しい工事のほか、作り付けの糸棚も大工さん作です。

――建物はレトロなガラスがふんだんに使われてますね。

志知:ガラス建具は、趣味でステンドグラス作りをしている姉から譲り受けました。古家の解体で出た飾りガラスをためていて、それを譲ってもらいました。割ってしまうと同じものは手に入らないので取り扱いには気を付けています。

――他にDIYのポイントはありますか。

志知:玄関タイルは自分で貼りました。伝統的な指ぬき模様になっており、大学の後輩が焼いてくれたオリジナルタイルも使っています。

――古い建物だからこそ、不便に感じることはありますか。

志知:今の建物と違い、周囲の建物も敷地いっぱいに建っているので建物内が暗くなりがちです。ガラス建具で建物の中まで外の光をたくさん取り込むことを考えました。

――断熱性はいかがですか。

志知:床を張り替えた部分は新しく断熱材も入れたので気になりません。比べてみると、床を張替えていない部分は、冬は冷たく感じますね。

改修工事も含めて楽しめる路地暮らし

――志知さんから見て、路地の建物は若い方におすすめできるでしょうか。

志知: こだわりの住まいやお店を持ちたい! そんな方へはおすすめできます。購入でも賃貸でも、どれだけの期間建物を使うつもりなのか、それに対してどれだけの熱量と時間とお金を掛けられるのかがポイントだと思います。

クラフト系・クリエイティブ系の仕事をしている方や芸術系の学生さんなら、DIYや改修工事の過程も含めて、町家や路地での暮らしを楽しめるのではないでしょうか。

※このインタビューは、2024年7月1日に京都市が行ったインタビューをもとに構成しています。

京都市は路地暮らしを始めたい人を応援中!

「京都の路地暮らし」情報を発信する京都市公式Instagramを開設

「京都の路地暮らし」をおすすめする京都市公式Instagram(路地ぐらし:@kyotoroji_official)がこの8月に開設されました。

これから京都の路地の魅力やさまざまな人の「路地暮らし」を紹介していくので、京都の路地で暮らすイメージが膨らむかも。

畳を材料にした看板「TATAMI OOH」を設置

京都の大学を舞台に、学園祭・オープンキャンパスで触れる広告「TATAMI OOH」を設置しています。見かけた人はぜひ実際に匂いをかいで、触ってみてください!



この記事に関連するキーワード

この記事のライター

新着

ログイン・無料会員登録