更新日:2017年8月8日 / 公開日:2017年8月8日
みなさん、こんにちは。薬剤師の遠藤さちこです。BBQで虫に刺されて大きく腫れてしまった…最近虫刺されが痕になりやすい…と虫刺されに悩んだことはありませんか?そして、最近話題の「ヒアリ」も気になるところ。今回は、虫刺されに関するお薬の選び方、また症状がひどい場合の対応の方法をご紹介します。
最近、南米大陸原産のヒアリが日本で発見され、「刺されたらアナフィラキシーショックを起こすことも!」なんていう報道もあり、虫刺されは自分のことだけでなくご家族のこととしても心配ですよね。
虫刺されの症状は、虫が体内に異物を入れるか、虫そのものやその毛が皮膚に触れたときに発生します。
例として、一般的な蚊は、唾液を人間の体内に入れます。
その唾液の成分に対して、体が異物と認識してアレルギー反応がおこり、かゆみを引き起こす物質がでてかゆくなる、という仕組みです。
かゆみだけで治まる場合もあれば、痛みを伴って赤く腫れる場合もあるなど、症状が異なる理由は、その体内に入ったり皮膚に触れたりした成分の強さによって体が起こすアレルギー反応の大きさが異なるためと考えられます。
特に毛虫はその成分がなかなか皮膚から離れないため、強く長いかゆみがでることがあります。
また、アブやブヨなどは、刺される時に痛みを感じることもあり、ひどい場合は発熱まで起こり、治るまでに1ヶ月以上かかることもあります。
これらは、その成分と自分自身のアレルギー反応との「かけ算」で症状がでますので、ものすごく個人差があります。
一方で、刺された時に虫の種類を見分けることは実際は難しく、薬局での相談や、医師の問診の際に「なにに刺されたかわからない」ということが多いのも事実です。
みなさんは虫に刺されたら、まずどうしていますか?
症状を長引かせないために、お薬を塗る前にひとつだけやってほしいことがあります。
①刺された場所を洗い流す
まずは傷口を洗い流しましょう。
これはあまりしないことかもしれませんが、一般的な蚊でも毛虫でも、初めの症状は似ていますので、刺されたと気がついたら、きれいな水で洗い流すことが、症状を長引かせないことにつながります。
水で洗い流すことによって、患部を冷やすことにもなるので炎症やかゆみが広がることを防ぐ効果もあります。
毛虫の場合は、毛が皮膚に刺さっている場合があるので、セロハンテープで毛を取り除くといいでしょう。
②お薬を塗る
虫刺されの塗り薬は、大きく分けて2種類あります。
ステロイドといわれる成分が入っているお薬と、入っていないお薬です。
どちらも虫刺されのかゆみに効くとされていますが、ステロイドを含有しているお薬の方が効きが強く、アレルギー反応をしずめるのに有効です。
ステロイドというと、怖いイメージを持つ方もいるようですが、ピンポイントに短い期間の使用ではあまり気にすることはありません。
早く、しっかりとアレルギー症状を抑えるので、医療機関でもよく使用されています。
アレルギー症状が長引くと、かいてしまう回数も増えたりと、痕になる可能性も高まるので、個人的には、ステロイドが入っているお薬を選ぶことをオススメします。
かゆみが強い場合は、市販のかゆみ止めの飲み薬を服用してもいいでしょう。
では、上記のような対応で済まない場合、どうしたらいいのでしょうか。
まず、皮膚をかき壊してジュクジュクしたり大きな傷口になってしまっていたら、ステロイドは不向きな場合があります。
抗生物質を含んだ塗り薬を塗るか、もしくは医療機関の受診をおススメします。
また、最近ヒアリに関して「アナフィラキシーショックを起こすことも!」なんていう報道が目につきますが、具体的には、どのような症状と対応があるのでしょうか。
アナフィラキシーとは、アレルギー症状の一種です。
初めはかゆみなどの一般的な症状から始まりますが、後に皮膚のかゆみだけでなく、咳や動悸(ドキドキする感じ)、息苦しさがでてきます。
また、腹痛や吐き気、目の見えづらさも出てきます。これらを放っておくと、血圧が急に下がり、意識がなくなることもあります。
これらの症状は刺されてから30分以内に起こることが多いので、ヒアリだけでなく、虫に刺された後に息苦しさや吐き気などがでてきたら、救急車を呼びましょう。
実際は、何にさされたか分からないことがほとんどだと思います。
症状によって対処法が変わってきますので、アナフィラキシーの初期症状と対処法だけでも覚えておいてほしいと思います。
この記事のライター
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