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下痢で悩む女性は多くいます。(便秘だけじゃない!)そこで、下痢の原因や症状に合うお薬を選びましょう。下痢と便秘を繰り返すことが多い方には、一度受診することをおすすめします。
こんにちは。薬剤師の遠藤さちこです。
女性のよくある悩みに“便秘”がありますよね。女性誌の特集でも便秘対策はよく目にすると思います。でも実は、“下痢”で悩んでいる人も少なくないのです。便秘もつらいですが、下痢もなかなかのつらさですよね。
下痢はストレスや生理など、さまざまな原因で起こります。最近では、飲んですぐ効くお薬もでてきました。症状や原因によって選ぶお薬が変わりますので、ご紹介したいと思います。
何らかの原因で腸(ここでは大腸をさします)の動きが活発になると、腸のなかでの便の動きが早くなり、十分に水分が体内に吸収されずに、水分の多い便ができ、下痢が引き起こされます。ストレスによっておこる下痢、食べ過ぎ飲み過ぎ・冷えからくる下痢は、このグループに入ります。下腹部の痛みを伴うことが多いのもつらいところです。この場合は、腸の動きを抑えるお薬を選びます。また、腸の中の菌を整える薬も効果的です。
医薬品の種類として「止瀉薬(ししゃやく)」と記載のあるお薬を選ぶと、下痢がおさまります。最近、ストッパ(ライオン)やピシャット(大幸薬品)、トメダイン(興和)、ペロット(ゼリア)など、口の中で簡単に溶けるお薬が販売されています。水がなくても飲みこむことができ、吸収される場所(小腸など)まで素早く届くように設計されていますので、早いと10分程度で効きはじめます。突然の下痢が起こって困る…という方には、おすすめのお薬です。
生理前の下痢で悩んでいるという人は少なくないようです。生理には周期がありますので、その周期でホルモンや体内の状況も変化します。
女性ホルモンやそれによって変化する物質のひとつであるプロスタグランジン が、腸の動きを活発にし、ストレスや緊張によっておこる下痢と同じように、便が腸の中を早く通過することによって水分の多い便ができ、下痢がおきます。
お薬の選び方は、ストレスの時と同じように「止瀉薬」や「整腸薬」と言われるお薬を選んでください。ほとんどのお薬が、生理痛のお薬とも併用できます。
最近では、ストッパL(ライオン)など、止瀉薬のなかでも生薬を含むことで女性の生理前や生理中におこる下痢に効果があるというお薬もでてきました。このお薬は、生理の下痢専用ではなく、お腹の痛みを伴う下痢でしたら、生理と関係ない下痢の時に飲むこともできます。下腹部を冷やさない、ストレスをためないということも生理前後に起こる下痢には有効といわれています。
michill世代では、年齢による変化だけでなく仕事や家庭などさまざまな環境の変化によって生理やその前後に起こる症状が変わってくることもあると思います。子宮内膜症や子宮ガンなど、大きな病気の初期症状であることもありますので、不安なときは無理せず受診しましょう。
「IBS(過敏性腸症候群)」という病気かもしれません。IBS(過敏性腸症候群)とは、おもにストレスが原因となり、下痢と便秘をくすりかえす病気です。下痢の方が多いというタイプもあります。トイレに行く回数が増える、緊張で人前にたてなくなくなど、社会生活がしづらくなると言われています。
この場合の治療でつかうお薬は、市販薬で買うことができません。心当たりのかたは、市販薬で対処することにとどめず、一度消化器内科を受診してみましょう。
腐ったものを食べたとか、外国で水にあたったなどの下痢では、原因となる食べ物や菌を外に出すことが必要です。無理に下痢をとめずに、いい菌が入っているビオフェルミンやミヤリサンなどの整腸薬を使って腸を整えることを考えます。
下痢を無理にとめないことによって、脱水症状になる可能性があるので、ミネラル成分の入ったスポーツドリンクなどで水分補給を心がけましょう。
食物繊維などが多く入った錠剤を飲むことによって、食物の栄養を吸収しにくくし、ダイエットに効くといったサプリメントなどが多く出ています。これらによって下痢が引き起こされることがあります。腹痛を伴うようなら中止しましょう。これらは原因となるサプリメントなどを中止することで症状がおさまることが多いです。
便に血が混ざっている、便の色が黒い、激しい痛みや高熱、吐き気、めまいがある下痢の場合は受診をおすすめします。また、他に定期的なお薬を飲んでいる人、牛乳アレルギーの人や妊娠の可能性がある人、授乳中の人は、薬剤師や登録販売者に相談してからお薬を購入しましょう。
お腹が痛くなくても下痢が4週間以上続いている人は、一度、消化器内科を受診してみましょう。
この記事のライター
薬剤師、MOT(技術経営修士)
遠藤さちこ
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薬剤師、MOT(技術経営修士)薬局、製薬会社、流通会社等で医薬品やヘルスケアサービスに携わる。コンビニエンスストアと薬局の併設店舗の企画業務等も経験。さまざまな立場で医療や健康を見つめ、幅広い情報収集活動と情報発信を行っている。
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