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明るい気持ちで、毎日を楽しく暮らしたい。多くの方がそう思っていらっしゃることでしょう。しかし、天気だって、晴れの日ばかりが続かないように、日々生きていれば、落ちこむようなことも起こります。それでは、そんなときはどうしたらいいのでしょうか?今回は、ポジティブ心理学の見地から考えてみましょう。
望まないことが起こり、つらい気持ちになったときに、無理に「ポジティブにならなくては!」と思うことは、実はあまりいいことではありません。
ポジティブ心理学というのは、名前に「ポジティブ」という言葉がついていますが、「なんでもポジティブに考えよう!」とうたっている心理学ではありません。人生を豊かに生きるためのポジティブな要素(幸福とか、強みとか、愛とか)を研究する心理学で、つらいときには、そのつらい気持ちをそのままに感じることの大切さを説いています。
たとえば、ポジティブ心理学の有名な学者、タル・ベン・シャハーは次のように言っています。
「幸せになるためには、逆説的ながら、つらい気持ちもありのままに認めることだ」
またタル・ベン・シャハーは次のようにも言っています。
「つらい気持ちを感じない人間は2種類だけだ。サイコパス(反社会的精神異常者)か、死人だ。なので、あなたが今、つらい気持ちを感じているということは、精神的に正常であり、生きているということであり、喜ばしいことなのだ」
つまり、今、自分が感じていることをそのままに認めることの大切さを、ポジティブ心理学は説いているわけです。
それでも、つらい気持ちを抱えている自分をなかなか許すことができない方は、次の状況を考えてみてください。
Aさん:「元気出せよ!そんなことで落ちこむことなんてない!たいしたことない!いつものお前らしくない。元気出せ!」
Bさん:「そうか、つらかったんだな。確かにそんなことがあれば、落ちこむよな。今日はゆっくりつきあうよ」
もちろん状況によるかもしれませんが、本当につらい気持ちのときには、Bさんのほうに会いにいきたいと思いませんか?つらい自分も、情けない自分もありのままに認めてくれるBさん。そんなBさんがいるというだけで、心強い気持ちになりませんか?もしそうなら、ぜひ、Bさんのように、自分自身に接してみてください。自分自身のベストフレンドになってあげてください。
落ち込んでいる自分をありのままに認める。自分自身を抱きしめる。「そんなこともあるよな」と声かけする。弱っているときは、弱っている自分にぜひ優しくしてあげてください。
それが第一段階です。
他にも、自分に優しくするためのアイディアを書いておきますね。
1.布団の中で大声で泣き叫ぶ。
2.ゆったりお風呂に入る。
3.早く寝る。
4.ゆっくりお茶を飲む。
5.散歩に出かける。
6.信頼できる友人に電話をして話を聞いてもらう。
7.つらい気持ちをノートに書きだす。
8.好きなケーキや雑誌を買ってくる。
9.体を動かす。
10.音楽をかける。
11.趣味に没頭する。
落ち込むときは、しっかり落ち込む。自分の気持ちに無理をしない。それが、とても大切になってきます。
そして、思いっきり落ち込んだら、自然に気分が上向きになる瞬間があるはずです。それまでは、無理をせずに、自分を大切にしてあげましょう。
この記事のライター
成瀬まゆみ
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Inspire代表。ポジティブ心理学やスピリチュアルの知恵を実生活に活かし、「アタラシイジブンのつくりかた」を提唱。自ら出版社に企画を持ち込んだ『ハーバードの人生を変える授業』シリーズは33万部の大ヒットに。他に『ポジティブ心理学が一冊でわかる本』の監訳や、ジョン・ディマティーニ博士の『ザ・ミッション』の翻訳も手がける。独自のセミナーや個人セッションで、人の変容の瞬間に胸をときめかしている。
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