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ホテルやレストランでのビュッフェ形式の立ち居振る舞いは、着席式に比べ自由だと勘違いしている方が多いようです。 実は周囲へのマナーを欠いてしまうと迷惑なだけではなく、その人の品位も問われます。美しく、楽しく食事をするためのアドバイスを(一社)日本プロトコール&マナーズ協会松田先生にお聞きしました。
【連載/気品を身につけるシンプルな教え#23/ビュッフェ編】

食べたいものを好きなだけ楽しめるビュッフェですが、あれもこれもとついつい欲張って盛りきれなかったり、食べきれなかったり……そんな経験はありませんか?
『ビュッフェ』とは料理を供するカウンターや食器棚という意味なのです。そのため、料理が置いてある場所に自ら取りに行きます。あくまでも自分で食べる分をセルフで取っていただくスタイルなので、他人の分は取らないようにしましょう。

ビュッフェ台や飲み物台のところでいつまでも立ち止まっていると、他の方の邪魔になってしまいます。料理や飲み物を取ったら、速やかに席に戻ります。
「何がいいかしら?」と、料理を選ぶことに集中していると、まわりの方のことを忘れてしまいます。他の方の後ろを通る時には、「後ろを通ります」などと声を掛け、粗相を未然に防ぎます。特に、熱い料理や飲み物を持っているときには十分に注意しましょう。
また、ビュッフェ台は皆で使いますので、トングやサーバーは使ったら次の方が取りやすいように元の位置に丁寧に戻すとスマートです。ブッフェ台をきれいに使えば、より料理が美しく見え、楽しくおいしくいただけますね。

飲み物のグラスは片手に、もう一方の片手にお皿を持ちます。片手に2枚以上のお皿を持ってはいけません。それは、粗相を防ぐ観点からでもありますが、お皿を2枚以上持つのはスタッフのなさるお仕事ですね!
飲み物は、しっかりと飲み終わってからお替わりをしましょう。飲み終わらないうちにお替わりしてしまうと、飲み物を残してしまったり、飲みすぎて色々な料理が食べられなくなったりします。
コース料理が順を追ってテーブルに運ばれてくるように、ビュッフェ形式でも、ビュッフェ台には、前菜、メイン料理、デザートのように並んでいますので、順番にお料理を取ります。ですから、冷たい料理、温かい魚・肉料理、デザート、コーヒー、という流れが基本です。
また、料理をお皿に取り分ける際には、並んでいる料理は左側から、積まれている料理は上から取ります。また、次にお料理を取る方のことも考えて、できるだけ盛り付けをくずさないように手前から取り分けるとスマートに取り分けられます。

他の方のお皿の盛り付けが気になったことはありませんか? 言い換えますと、ご自分のお皿の中も見られているのです。ですから、お皿に山盛りにせずに、一度に食べきれる分量を品よく美しく盛り付けましょう。
ホテルの朝食の場合、和食と洋食が一緒に並べられていることがあります。好きなものを召し上がるスタイルですから特に決まりはないですが、和食と洋食のお料理は別に盛り付けたほうが見た目も良いですし、おいしくいただけます。

たとえば、コースのように順番にいただくのもひとつ。または、冷たいものは冷たいうちに、熱いものは熱いうちにいただくなど、冷たいものと熱いものはお皿を分けるのが見た目も美しいのでおすすめです。
ソースをかけるお料理は、他のソースと混ざると味が変わってしまいますので、おいしくお料理をいただくために、メイン料理は一品だけとりわけ、その料理が食べ終わってから次の料理を取りに行くなどしましょう。
ビュッフェはあくまでも、好みのものを適量だけ食べるスタイルです。そして、食べ残さず、食べ物を粗末にしないようにしましょう。お皿に盛りつける料理の分量は、自分で食べ切ることができる分量を目安にします。
ただし、お料理を1回1回すべて召し上がることを前提として、何度でもお料理を取りに行くことができます。お料理を取りに行った際は、新しいお皿を使います。

ビュッフェ形式の食事のスタイルは、お料理をサービスされるかわりにご自身でお料理を取りに行くことに変わっただけですので、お料理のいただき方やいただくときの姿勢などは、通常のテーブルマナーと同じです。
今回お伝えした内容は、ビュッフェパーティにも共通することでもありますので、今後、パーティが再開された時にはご参考にするといいですね。
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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