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季節は真冬へ向かっている。冷え性の筆者には、つらい季節の到来だ。そんななか、自宅内の寒暖差がつらいと感じる人が9割もいるという調査結果が発表された。自宅内の寒暖差は、暮らしにもいろいろ影響を与える。詳しく見ていこう。
【今週の住活トピック】
「冬の自宅内の寒暖差に関する意識調査」結果を発表/一条工務店
一条工務店が、「冬の自宅内の寒暖差に関する意識調査」を実施した。「寒い時期に、自宅内で暖房のある場所とない場所の寒暖差がつらいと感じることがあるか」を聞いたところ、感じるという人が93.5%(「常に感じる」66.3%+「時々感じる」27.2%)もいることが分かった。
感じると回答した人に、「自宅内で寒暖差がつらい場所はどこか」を複数回答で聞くと、最も多いのは「脱衣所」の71.7%、次いで「トイレ」の61.0%など、水まわりといわれる場所で寒暖差を感じている。
自宅内で寒暖差がつらい場所 上位6項目(出典/一条工務店「冬の自宅内の寒暖差に関する意識調査」結果より転載)
また、「自宅内の寒暖差が原因で体調不良になったことがあるか」を聞いたところ、「ある」と回答した人が33.2%となり、3人に1人は寒暖差による体調不良を経験したというほどの深刻ぶりだ。
室温の高い部屋から低い部屋に移動するときの急激な温度差によって、血圧が大きく変化して引き起こされるのがヒートショックだ。
「自身または家族のヒートショックが心配か」と聞くと、心配と回答した人は77.2%(「とても心配」29.3%+「やや心配」47.9%)と、ヒートショックへのリスクを懸念していることも分かった。
さて、自宅の水まわりの場所で寒暖差を感じることが多いという結果だったが、そうした場所では日常の掃除への影響も大きいようだ。
「自宅内の寒さが原因で億劫になる家事はあるか」を複数回答で聞いたところ、最も多いのは「浴室掃除」の48.5%で、「暖房を使用していない部屋の掃除」も41.7%となった。「寒い部屋で家事をするのは億劫」と感じる人が多いということだろう。
また、「自宅内の寒さが原因で掃除する頻度が減る、もしくは掃除する時間を短縮する場所はあるか」を複数回答で聞いたところ、北側に配置されることが多い「玄関」が36.9%と最多となり、次いで「浴室」「トイレ」洗面所」「脱衣所」といった水まわりが顔をそろえる結果となった。億劫でも掃除をするしかないけど、「回数を減らしたり、かける時間を減らしたりしちゃう」ということだ。
(出典/一条工務店「冬の自宅内の寒暖差に関する意識調査」結果より転載)
寒暖差をなくすには、住まいの断熱性がカギ脱衣所や浴室、トイレなどは、暖房をしている部屋との温度差が生じやすい。間取りによっては玄関もそうだろう。急激な温度差は体調不良やヒートショックなどのリスクを生む。調査結果からもわかることは、寒暖差はそうした身体への影響も大きいだけでなく、家事が億劫になるなど、活動量を減らすという影響もあることだ。
寒暖差をなくすためには、衣類で調整する方法もあるが、浴室や脱衣所などはそれができない。また、脱衣所などに暖房器具を置いて暖めておくという方法もある。が、やはり解決策の王道は、自宅内の寒暖差が少ない「断熱性の高い家にする」ということになるだろう。
断熱性の高い家は、「ヒートショックを起こしにくい」「活動的になり、家事もしやすい」「光熱費が抑制できる」といったメリットがある。住宅を買う際に断熱性を意識する、住んでいる住宅の断熱改修をするなども考えるのがよいだろう。
調査で、「自宅内の寒暖差がなくなるなら、どのくらい費用をかけても良いと感じるか」と聞いたところ、寒暖差を「常に感じる」と回答した人ほど、かけてもよいと思う金額が多い傾向が見られた。51万円以上かけてもよい人は全体では37.6%だったが、寒暖差を感じる人は43.8%になった。
自宅内の寒暖差がなくなるならかけてよいと思う費用(出典/一条工務店「冬の自宅内の寒暖差に関する意識調査」結果より転載)
かけられる予算には制約があるだろうが、窓から出入りする熱は意外に多いので、まずは窓の断熱改修を優先するとよいだろう。窓ガラスを省エネガラスに交換したり、金属サッシを樹脂サッシに交換したりといったことで、暖房で暖めた熱が外に逃げにくくなる。
「寒いのは我慢する」という考え方はリスクがある。ぜひ、自宅内の寒暖差を見直して、リスクを減らす行動を起こしてほしい。
●関連サイト
「冬の自宅内の寒暖差に関する意識調査」結果を発表/一条工務店
この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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