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40代の婚活は「経験を積む」ことかもしれない。婚活歴5年を超えたOTONA SALONE編集部長・アサミ(49歳)。これまでの婚活で100人以上もの男性と出会ってきた。
ジェントルさんとは復縁したものの二度目の別れが訪れ、また振り出しに戻った40代独女。新たな出会いはあるのか? 新たな恋愛はできるのか……? この話は40代独女の「実名 顔出し」で書いている、リアル婚活改め、パートナーを探す活動=「パー活」ドキュメントである。
【40代編集部長の婚活記#284】
アサミ「あれからまったく連絡取ってないよ」
久しぶりに学生時代の親友Yと会っていた。一緒に旅行したこともある気のおけない友人の一人。表参道にあるイタリアンで食事をしながらお互いの近況を話しているうちに、話題の中心は私の婚活状況……つまりジェントルさんの話になっていった。
親友Y「音信不通ってこと?」
アサミ「そういうこと!」
親友Y「そっか。こっちから連絡はしてないの?」
アサミ「実は一回メッセージ送ったけど、まったく既読にならなくて。たぶんブロックされた」
メッセージを送ったのは彼が台湾に旅立って数日後。「台湾での生活はどうですか?」的な内容のほんの短いメッセージを送った。でも、1週間経っても2週間経っても既読にならずブロックされたことを認識した。
親友Y「えー、ブロック!? それはちょっと大人げなくない?」
アサミ「本当に終わりにする決意の現れなんだと思うよ」
悲しいけれど……そのくらい、私を遠ざけたいと思ったのだろう。ブロックに気づいたときはちょっとショックだったけど、さすがにもう悟ったわ。

親友Y「なるほどね。じゃ、連絡取れる方法がまったくないんだ」
アサミ「正確に言えばなくはないけど……。メールアドレスもケータイの番号も、変えてなければわかる」
親友Y「そっちに連絡してみるとか?」
アサミ「『僕のことは忘れて』って言って別れたわけだし、ブロックされてるくらいだし。他の方法で連絡するのってなんかストーカーみたいじゃない」
親友Y「確かにそうね……」
彼に対して未練がないといったらウソになるけど、ストーカーめいたことをするほど理性を失ってはいない。自分の心の中で整理していくしかない。時間はかかるかもしれないけれど。
親友Y「ブロックはアレだけど、彼とは学びのある恋愛だったって思うよ」
アサミ「そうね。きれいごとじゃなく、彼には感謝してる」
親友Y「そんな人と出会えてよかったじゃない」
アサミ「うん。私が生きてきた世界とは違う景色を見せてくれたっていうか。成長させてもらった気がする」
学びがあったのは恋愛のことだけではない。生まれや育ち、住んだ場所、キャリア形成、まったく違う人生を歩んできた彼からは、仕事にもライフスタイルにも学びがあった。
そして何より……自分で自分にかけた呪縛=思い込みから解き放ってくれた。
親友Y「いままでそんな恋愛なかったでしょ?」
アサミ「うん。いま思えば昔の恋愛では……なんか無理してたって気がする」
親友Y「いろいろ無理っていうか、我慢してたよね。恋愛だけじゃなくて仕事もね」
アサミ「“24時間働けますか?”なんてフレーズを高校生の時に聞かされてるからね(笑)」
いまだったら労働基準法に問われるような歌がテレビから流れていて、それに少なからず影響を受けて、大学生、社会人になっていった部分はあったのだろう。
親友Y「時代もあるかもね。20年くらい前は“大人の女たるものこのくらい受け止めなきゃ”なところあったじゃない」
アサミ「そうだね。頑張ってた」

親友Y「我慢できたり、上手くあしらったりできてこそ一人前、カッコいいみたいなね」
アサミ「本当はイヤなことでもイヤって言えてなかったね」
親友Y「いまならパワハラ、セクハラで訴えたら勝てるようなこともあったね」
アサミ「そうそう。あるときの上司に『あんた、カ◯ワなの?』って差別用語を言われたことあるもん(苦笑)」
おそろしいことに昼間のオフィスでリアルに言われたこと。一発アウトな発言よね。
親友Y「そんなこと言われても頑張って耐えてたよね」
アサミ「差別用語を言われても『明日の朝イチまでに直しますから再チェックお願いします!』なんてね」
親友Y「そうやって我慢するのが当たり前になってたんだろうね。仕事でも、恋愛でも」
アサミ「うん。最近それがわかってきた」
親友Y「どんな?」
アサミ「感情的にならないようにコントロールしたり、物わかりがいい女性になろうとしたり」
親友Y「わかる。なんか、そうならなきゃいけない気がしてた」
アサミ「私の場合、そういう無理をしたくないから30代後半のある時期から『もう恋人はいらない』って思った気がする」
恋人といい関係を築けた経験がなかったから、一人のほうがラクって思うようになったんだろうな。
親友Y「恋人でも夫婦でも友達でも、我慢しない関係が当たり前でなくちゃね」
アサミ「そうそう。お互いに本音を言えてね」
親友Y「うれしいとか楽しいだけじゃなく、イヤとか苦手ってハッキリ言える関係性が大事じゃない」
アサミ「うん。それがラク。私たちみたいにね」
親友Yとは20代の頃、二人で海外旅行もした。とある島に行ったとき、私はマリンスポーツをやってみたいと言ったけど、彼女は興味がないから行かないと言って。夕食までお互いに自由行動なんてこともあった。
興味がないこと、イヤなことはお互いにハッキリ言うし、強要しない。でも各自の考えは否定せずに尊重する。そんな関係性を彼女とは築けていた。

アサミ「旦那さんともそう?」
親友Y「ウチはもともと友達だったからね。付き合う前からお互いに言いたいことは言い合ってたし。ま、結婚してなにげに18年になるしね。本音ベースで言えてなかったらとっくに別れてると思う」
アサミ「言いたいことを言い合う……。Yみたいな友達相手ならできるんだけどね。私は恋人にはできてなかったな」
親友Y「意外と気ぃ使いだから、あなた」
アサミ「そうね。できるだけ丸く収めるようにするからね」
そういえば女友達3人で旅行したときも、ちょっと意見がすれ違う2人の間に入って調整していた。仕事の人間関係でもビミョウになっている二人の間に入ったり。恋人に限らず、気がつくと私って調整役になってるんだ。良くも悪くも「丸く収めようとするクセ」……。
親友Y「1対1だと丸く収める=自分だけが我慢するになるからね。お互いにちょっとずつ我慢するならいいんだけど。自分に素直に!」
アサミ「素直って大切ね」
親友Y「そうよ。若い頃いろいろ我慢してきたんだからもういいじゃない。40歳過ぎてからこそ、我慢しない。素直になるって大事よ」
アサミ「だねぇ」
親友Y「だからさ、我慢しなくていい相手を探そうよ」
アサミ「うん。気を使わない、我慢しない相手がいいな」
親友Y「そもそも好きな男性タイプってどんなだっけ?」
我慢しない相手がいいってことはわかったけど……具体的にどういう人だと我慢しちゃって、どういう人なら我慢しないんだ? わからん!
アサミ「実は、自分でもよくわかんない」
親友Y「それがよくないと思うのよね。だから、告白されると誰でも付き合っちゃうんじゃん」
アサミ「誰でもってワケじゃないけど(苦笑)」
親友Y「アイドルの好みはめちゃくちゃハッキリしてるのにね」
アサミ「アイドルはあくまでもビジュアルが好みってだけ! 鑑賞対象だから!」
親友Y「見た目の好みだけ明確ってことね(笑)。それじゃ、男性の内面的な好みのタイプを探っていこうよ」

親友Y「別れちゃったけど、ジェントルさんにヒントがあると思うんだよね」
アサミ「なるほど」
親友Y「彼の好きだったところと、気を使っちゃったところを見直してみるのって大事じゃない?」
アサミ「確かに」
親友Y「ちょっとさ、好みのタイプを深堀りしていこうよ」
バッグからペンとノートを取り出した親友Y。
親友Y「私が質問していくからさ、答えてよ」
なんだか取材を受けるような? 親友との思わぬ展開に、なんだかちょっと面白くなってきた。

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この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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