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40代の婚活は「自分らしさを確認していく」作業なのかもしれない。婚活歴5年を超えたOTONA SALONE編集部長・アサミ(49歳)。これまでの婚活で100人以上もの男性と出会ってきた。
ジェントルさんと二度目の別れが訪れ、また振り出しに戻った40代独女。新たな恋愛はできるのか? 久しぶりに学生時代からの親友Y(女性)と会い「本当の好みのタイプ」そして「自分自身」を探っていくことに……。この話は40代独女の「実名 顔出し」で書いている、リアル婚活改め、パートナーを探す活動=「パー活」ドキュメントである。
【40代編集部長の婚活記#288】
アサミ「彼の好みに合わせてたり、我慢してたり……なんか自分らしくなかったね」
洋服とか髪型のような外見こそ彼好みになろうなんてしてなかったけど、言動や行動は、合わせていた気がする。
親友Y「友達といるときは自由なのにね」
アサミ「そうね。学生のとき一緒に授業出てたメンバーがみんな長女で、私だけ次女だったじゃない? 当時、私の発言に『やっぱり次女だわ』ってよく言われた記憶がある」
親友Y「本来のあなた、かなりマイペースよ。イヤって思ったら絶対やらないし」
アサミ「昔の恋愛では自分が好きなものも主張できてなかったかも」
振り返ってみると、私はお付き合いをしているとき相手に対して「自分らしく、自由に」いられなかったんだ。我慢、合わせる、主張しない……。友達といるときは自分らしさを出せるのに、どうして恋人の前では自分らしくいられなかったんだろう?
2016年5月にOTONA SALONEを始めたとき、一番伝えたかったこと。それは、「自分らしく、自由な生き方」ができる社会にしていきたいということだった。
・いくつになっても、何を始めたっていい。
・フツーや世間体に、縛られない。
・大切な尺度は、自分が心地いいかどうか。
詳しくは、OTONA SALONEについてのページにも書いてある。誰もが既成概念にしばられず、自分らしく生きていこう、というメッセージが根底にあった。婚活は「いくつになっても、何を始めたっていい」のひとつの要素にすぎず、本題じゃない。
誤解されることも少なくないけど……。
自分らしく生きることを伝えようと決めたのは、社会全体に対してだったけれど、潜在意識下では私自身も含まれていたのだとと思う。どこか他人の目線━━お付き合いしている時は恋人の目線を気にして合わせていたわけで。

アサミ「OTONA SALONEは『自分らしく生きよう』っていう提案で始めたのにね」
実は私こそ、自分らしく生きてなかったことにやっと気づかされた。
親友Y「自分らしく生きていた部分もあるし、生きていなかった部分もあるってことじゃない?」
アサミ「趣味は完全に自分らしさ全開だわ」
親友Y「流行る前にめちゃくちゃ萌えてるのに、メジャーになると離れる傾向あるよね」
アサミ「ちょっとマイノリティ好きかも(笑)」
親友Y「コスプレとか、アイドルとか完全にその傾向でしょ」
いまでこそメジャーになったハロウィンのコスプレとか、20年くらい前にやっていた。当時はほとんど誰もやっていないから六本木あたりでも道でギョッとされたけど(苦笑)。でも世の中的にブームになってからは遠ざかるという……。あまり多くの人がやっていないときにやりたい傾向はある。
親友Y「髪型もそうかもね」
アサミ「そうかな?」
親友Y「アラフォー世代になるとボブやショートの人が増えてるじゃない。そんな中、ずっとロングヘアを貫いてる」
アサミ「そうね。いまは常識的なロングだけど、数年前は腰まであったし」
親友Y「やっぱ、ちょいマイノリティを選択するよね」
アサミ「うん。髪の色も業界的にNGとかないから、好きな色にしてきたしね」
親友Y「髪とか美容面では自分の好きにしてきたってことか」
アサミ「20代や30代のときのファッションは…ある意味スゴかったかも」
親友Y「尖ってたね! スタッズだらけだったり、奇天烈な柄だったり、豪快に肌見せしてたり」
アサミ「好感度やモテとは相反する(苦笑)。そう思うとファッションはだいぶ落ち着いたわ」
親友Y「基本的に王道じゃない、フツーじゃないのが好きだったよね」
アサミ「あまり他人とカブりたくない的な……(笑)」
アサミ「いま着るものは、わりとフツーに落ち着いたけどね」
親友Y「どうして落ち着いたの? フツーになりたくなった?」
アサミ「43歳でギャル雑誌の編集から離れたとき、ギャル服を全部捨てたのよね。そしたらおしゃれ迷子になって」
親友Y「全部捨てた! 思い切ったね」
アサミ「すごかったよ。ゴミ袋5つくらいになった。で、全部捨てたら何を着たらいいかわかんなくなって……敬遠していたベーシックアイテムを買ったのよ。着てみたら意外とラクだったり、思ったよりサマになってることに気がついたんだよね」
ベーシックアイテムは、それまでほとんど足を踏み入れたことのないショップで買った。セレクトショップもあれば、ファストファッションのお店もある。

親友Y「ベーシックアイテムって例えば?」
アサミ「ネイビーのジャケットとか、白系のシャツ、ブラウス、黒や白のニット、ベージュのスカートとか」
親友Y「逆にそれ、持ってなかったの?」
アサミ「うん。まっとうなデザインは持ってなかった。同じアイテムでも装飾が多かったり、破れてたり、透けてたり(笑)」
親友Y「カブりたくないっていうこだわりを捨ててみたら、ベーシックの良さに気がついたんだ」
アサミ「そうかも。食わず嫌いみたいなね。カブっていても自分が心地よければいいじゃんって思った」
親友Y「基準が、自分の心地よさになったんだ」
アサミ「うん。カブらないって謎のこだわりはやめてね。いまはベーシックを基本に、もともとのカブりたくない志向の派手な色や柄とか、透けやブロークンをちょっと加えるようになってるかな」
彼女に話しながらちょっと自分なりに気づいてきた。
妙なこだわりや食わず嫌いをやめてみると、新しいものが見えてくるのかも。自分がラク、心地よい……。それは洋服だけの話じゃなくて。
親友Y「フツーっていう点ではさ、結婚や出産のいわゆる世間的な“適齢期”は気にしたことなかったの?」
アサミ「何歳までに結婚しなきゃとか、思ったことはないわ」
親友Y「私たちが20代の頃『29歳のクリスマス』ってドラマがあったり、“結婚は20代のうちに”感があったじゃない」
アサミ「なつかしい!」
親友Y「私や学生時代の友達はけっこう適齢期に結婚したけど、昔からそこは自分を貫いていたじゃない」
アサミ「よくわかんないけど、ワタシ的には『女は35歳から』って思ってたんだよね。だからそれまではいろいろ経験かなって」
親友Y「ナニ、その35歳からって基準」

アサミ「そもそも中学生のときから、私の成人は30歳って思ってたんだよね」
親友Y「20歳じゃなくて」
アサミ「大学に入学してたら20歳ってまだ大学2年生くらいじゃない。学生だから経済的に自立してないだろうし、社会的にも一人前じゃないし、精神的にもまだ育ちきらないだろうなって。私の場合ね」
親友Y「そんなこと中学生のときに思ったの?」
アサミ「うん。人それぞれだと思ったのよ。18歳でお仕事してたら経済的に自立していて成人かもしれないし。大学を卒業する22歳で成人な人もいるかもしれないし」
親友Y「2022年の4月から、法律では成年年齢が18歳になるけどね」
アサミ「うん。法律は法律でいいと思うの」
個人的な成人の定義は、経済的自立、社会的自立、精神的自立があってのことだと思っていた。
アサミ「私自身は、社会人になって経済的自立と社会的自立をして、経験を積んだ30歳くらいに精神的自立できるかなって」
親友Y「で、35歳は?」
アサミ「成人して5年経ったくらいで、やっと大人の女性になれるかなって思ったの」
親友Y「14、5歳のときにそんなこと考えてたの?」
アサミ「うん。作文に『成人とは何か』っていう課題が出されたときにそんなこと書いた。いま考えるとだいぶめんどくさい中学生(笑)」
親友Y「年齢的な価値観は、中学生のときから世間に合わせないというか、多様性があるって思ってたってことよね」
アサミ「いま思えばそうだよね」
多様性という言葉は使っていなかったけれど、自分は自分。みんなはみんな。と思っていたのは確かだ。
親友Y「それだけマイペースというか、自分らしい価値観が明確だったのね」

いままでのことを整理してみると……。
なぜ、私は自分らしく生きている点と、生きられていない点があるのか? まずは自己表現の点からみてみた。
趣味はややマイノリティ寄りだが、流行や“みんな”ではなく、自分の好きなものを貫いている。
美容は髪型も髪色も、自分の好きにやってている。
ファッションは、「他人とカブりたくない」→「おしゃれ迷子」→「自分の心地よさ」と変化してきた。
自己表現に関しては、その時々で自分のしたいようにできていたということだ。
親友Y「個人のことは自分らしさを追求してるわけね」
アサミ「うん。自分らしくいられないのが対人なんだね」
親友Y「特に恋人ね。なんで合わせちゃうんだろうね?」
アサミ「うーん、1対1だと合わせちゃうとか」
親友Y「友達の場合は合わせてなくない? 私と旅行したときだって、お互い一人行動したじゃない(笑)」
アサミ「そっか。合わせちゃう相手とマイペースでいられる相手がいるってことか」
私が合わせてしまう相手、合わせなくていられる相手。その違いってなんなのだろう……?

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この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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