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春からの新生活をひかえ、住まい探しをする人が増える季節だが、先日、とあるツイートが話題になっていた。どうやら駅から自宅まで、10分以上歩ける人が減っているのだとか。では駅から自宅まで歩けるとどんなメリットがあるのだろうか? 徒歩圏を広げると物件数はどのくらい変化するのか、探ってみた。連載【ネットで話題の住まいトピック】
ネットニュースやTwitterなどで話題になった住まいに関するトピックを、時にゆるく、時に真面目に紹介します。イマドキの家探しは、駅徒歩3分〜4分が当たり前?
先日、ツイッターで注目を集めていたのは、ダンサー・振り付け家でもある入手杏奈さん(@nnaeii)さんのつぶやき。
「昨日わけあって初めて不動産屋に行ったら「駅から徒歩何分くらいいけます?」と聞かれ「15分くらいは…」と答えると「歩けますね!歩けると物件増えますよ!今の人歩けないですからね。大体3.4分とか。歩けるのまじ強みですよ!」と興奮気味に言われ現代人に何が起こってるのか心配になった。」
というもの。このつぶやきには、大きな反響があり、現時点(2月15日)で、3.8万RTもされていて、コメントも盛り上がっている。
「デスクワークだけand高層ビル内のみの移動、だけの生活をしてない人間は、マジでこれを感じておる。
肥満+足腰の退化により、人間はグレイ型宇宙人よりタコ型宇宙人になって行くのではないであろうか…. 」
「毎日のことなので徒歩10分までだとラクですけれどね。バブル期は家賃高かったので駅徒歩10分、15分しか住めなかったな。都内だったら駅は遠くてもバス停が大抵あるので、荷物多い日や雨の日はバス乗ったり。地方の人が全然歩かないので、都会に出るとそうなるのでしょうね。」
「東京山手線内、会社から家まで3.5km歩いて35分なので、毎日歩いてます。」
と反応もさまざま。確かに、住まい探しでは、「駅から何分以内を希望しているのか」は住まい選びで最初に聞かれる項目のひとつ。筆者の個人的な感想ではあるが、このところ「駅近志向」が相当強まっているように感じていたのだが、それでも駅徒歩3〜4分と考えていれば、選択肢は少なくなってしまう。駅から距離がある物件を敬遠していると、それだけでお部屋候補が減ってしまうため、もったいないような気もするが、実際はどのくらいの差があるのだろうか。
駅徒歩10分、15分、20分で、選択肢に大きな差がつく!今回は、「住みたい街ランキング」常連の吉祥寺駅を例に、SUUMOに掲載されている情報で比較してみた。ためしに、ほかの条件を設定せずに「徒歩10分」で検索すると2619件、「15分以内」だと5724件、「20分以内」だと8002件と、約3000件単位で増えていく。数が増えるということは、それだけ選択肢が増えるということで、好みの部屋と出合える可能性は高くなるというもの。
ほかにも駅から距離がある物件のメリットとしては、(1)いろんなルートで帰ることができる、(2)自転車やバスなどを使えば最寄駅まで行く体力的負担が少ない、(3)家賃が安くなる、もしくは部屋が広くなる傾向にある、が挙げられる。
一方で、駅から自宅まで距離があるお部屋に暮らすとなると、帰宅時の夜道が怖い、雨の日や体調が悪いときに歩くのがつらい、といった点がある。あわせて、駅から距離のある物件を選ぶ際に気を付けたいのが、「改札からホームまでの距離」と物件広告に書いてある「所要時間」だ。
広告のルールとして、駅の起点は改札ではなく駅舎の出入り口となるので、駅についても改札が遠い場合は注意が必要。また、分数については1分=80mで計算してあるのだが、これには信号待ちなどは加味されていない。個人的な感覚としては、「健康な成人男性が、早めに歩いた感じ」の分数表記になっているので、実際にどのくらいかかるのかや、夜道の雰囲気などは、自身で歩いて体感してみるのがいちばん良いと思う。
ちなみに、シングルを対象にした以前のSUUMOの調査では、男性よりも女性のほうが、駅チカ物件を選ぶ傾向にあった。この理由はというと、やはり女性は治安を考えてのことのよう。また、20代は駅から近いほうがいい! と考えている人が多く、この世代は駅チカで、仕事も遊びも楽しみたい派が多いのかもしれない。40代はというと、駅からの距離よりも周辺環境を重視する傾向に。
アラフォー&子育て中の筆者は、多少駅から距離があっても「落ち着いた環境がいい派」だ。
もちろん、駅周辺のにぎやかさも捨てがたいし、雨の日や荷物が重い日などは「家が遠い……」とも思うのだが、季節ごとの花や緑の移り変わりは気持ちをリフレッシュさせてくれるし、何よりおじさん・おばさんにとっては、歩くことが身近なダイエット・健康法にもなっている。いずれにしても、暮らすとなると駅〜自宅までの往復は「毎日」のこととなる。家賃を重視したいのか、それとも徒歩の時間を減らすのか、どっちが大事かよく考えて、決断してほしい。
●部屋探し参考記事この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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