/
3月、4月からの新生活に向けて、引越しを考えている人も少なくないだろう。内見や契約、荷物の梱包など、やらなければいけないことが山ほどあるが、「火災保険」について検討したことがあるだろうか。実は、「火災保険」は不動産会社から紹介されるものに必ず入らなくてもいいのだとか。
火災保険を自由に選ぶメリット
今回は、賃貸と火災保険の関係について、日新火災海上保険株式会社・商品開発部の國廣達成さんと高橋憲太さんに詳しく話を聞いた。
まず、火災保険の加入は強制なのか? これについて、國廣さんは以下のように話す。
「賃貸の場合は、賃貸借契約の一連で、火災保険に加入してくださいね、というのが条件になっていることがほとんどなので、保険自体には入らなければいけません。しかし、不動産会社が提案するものだけが選択肢ではないということを分かってほしいです」(國廣さん)
多くの人は、何の疑問ももたずに、不動産会社で提案される火災保険にそのまま加入するだろう。しかし、こんなデメリットも。
「例えば、20代一人暮らしの男性の場合、所有する家財が100万円分しかないのに、1000万円の補償がつく保険に加入する必要はありませんよね。極端に言えば、100万円補償してくれればいいわけですから。補償が大きくなれば、それだけ掛け金も多く支払うことになるので、無駄な出費になってしまう可能性があります。本来であれば、火災保険も生命保険と同じように、それぞれ個人に合わせて契約内容を選ぶべきです。弊社の『お部屋を借りるときの保険』なら、自分に合ったプランを見つけられると思いますよ」(國廣さん)
そこで、國廣さんがオススメする「お部屋を借りるときの保険」についても詳しく聞いてみた。
引越ししても加入しなおさなくていい&リーズナブル一番気になるのはやはり、他社との違い。高橋さんは、「保険を持ち運べることと年間保険料4000円~というリーズナブルな価格設定です」と話す。契約しているのに持ち運べなかったということも、知らなかったかも……。どういうこと?
「実は一般的な火災保険は、都道府県や建物の構造(木造・鉄筋など)が変わると保険料も変わってしまう仕組みなのです。木造の建物や1階に飲食店が入っているマンション、風が強い地域などでは保険料が高くなる傾向があります。しかし、この保険なら掛け金が全国一律なので、日本中どこに引越しても、保険料が変わりません。ですから、保険を解約したり新たに入り直す必要がなく、サイト内のお客様専用ページから住所変更の手続きをしていただくだけでOKです」(高橋さん)
また、保険料の安さも魅力のひとつだ。
「多くの場合、2年間の賃貸契約を結びますが、火災保険も2年単位であることが多いです。掛け金は一般的に1万5000円~2万円程度で、年間で7500円~1万円という計算になります。しかし、弊社の『お部屋を借りるときの保険』なら100万円の家財補償や大家さんへの賠償責任に関する補償などがついて年間4000円から。さほど大きな差はないように感じるかもしれませんが、これが数年間積み重なればかなり違いますよね」(高橋さん)
引越し費用は決して安いものではない。火災保険の初期費用2万円が4000円になるだけでも、大きな違いではないだろうか。とはいえ、これはあくまでも家財の保険金額が100万円の場合の話。家族が増えれば家財も増える。となると当然保険料も上がるので、きちんと見積もりしておくことをオススメする。
ここまでの話をまとめると、ユーザーに親切で、メリットだけに思えるが、デメリットや注意点はないのだろうか?
デメリット、というか、コストを抑えている分、次の点については補償が限定的だ。
例えば、台風や雪による損害は損害額が20万円以上の場合のみ補償される。またセットで地震保険をつけることができない。
そのほか30万円を超える宝石・貴金属・美術品など、補償の対象外になるものもある点や、決済がクレジットカードのみという点もあるので、ご注意を。
ネット完結の火災保険はどれくらい浸透している?2014年から始まった「お部屋を借りるときの保険」。現在、申込件数は4万件を突破している。サービス開始当初は、社会人経験や引越し経験のある、20代後半~30代くらいをターゲットにしていたそうだが、「たしかに20~30代のお客様が多く、中心になっていると言えますが、40~50代の方にもご好評をいただいております」と、國廣さん。
「火災保険では初の試みでしたが、自動車保険や旅行保険では、ネット完結も珍しくなかったので、それほど心配はありませんでした。また、10万円とか大きい金額ではなく、単価が安いのも理由のひとつですね。なるべく入力項目を少なくするなど、サイトの申込画面の改善も日々続けています」(高橋さん)
昨年末には、火災による被害が何度も報じられた。多くの人が火災保険の大切さを再認識したことだろう。引越しや火災保険の更新が増える時期。言われるがままではなく、一度きちんと火災保険と向き合ってみてはいかがだろうか?
●取材協力この記事のライター
SUUMO
172
『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
ライフスタイルの人気ランキング
新着
カテゴリ
公式アカウント