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定年後に親と同居[1] 毎日会社に行かない生活とは?

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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定年後に親と同居(前編) 毎日会社に行かない生活とは?

定年を契機に妻と猫4匹を連れて東京のマンションから38年ぶりに関西の実家にUターンして二世帯居住を始めたものの、築浅マンションと中古一戸建ての違いに加え、実の親とはいえ価値観や生活様式の違いにも戸惑うばかり。会社中心から自宅中心に変わる生活に自分をどう適応させるかも試行錯誤、そんな高齢Uターンの一断面を2回に分けてお伝えします。今回は会社に行かなくなったことによる生活の変化を紹介します。

優雅な在宅ワークの夢は猫によって打ち砕かれる

Uターンで戻った実家は、阪神淡路大震災後に建て替えた築20年のプレハブ三階建て住宅です。二世帯居住を想定してキッチンとトイレは1、2階にそれぞれありますが、玄関や風呂は共同です。建て替えから今回のUターンまで20年間、両親が2階だけで生活していたので、私たちは3階で猫と暮らし、食事は2階で両親と一緒にとり、1階のダイニングキッチンは妻の菓子づくりや友人のもてなしに使う予定でした。

東京の会社を退職して関西にUターンしたのですが、東京の別の会社からいくつかの新しい仕事をいただいているため、図らずも在宅ワークをすることになりました。しかし、ハーブの香る快適な室内で、静かな音楽を聴きながらパソコンで原稿を書くという、当初抱いていたそんなイメージはあっさり崩されました。

仕事部屋に同居する4匹の猫たちがウンチする(一日に二度する子も)たびに、トイレットペーパーに包んだブツを持って3階の部屋から1階のトイレまで最低四往復。猫のウンチは崩れにくく流れにくいので、大量の水で流す旧式便器のある一階まで処理しにいくからですが、トイレまでの距離が数歩だったマンションとは大違いです。

また、こちらへ引越してから、空腹になると餌や水の食器を鳴らして催促することを覚えた猫がいるため、朝や夕方にはカンカン、コンコンと餌をあげるまでうるさいし、あげたらあげたで生臭いにおいが部屋中にしばらく漂います。古い家で24時間換気システムがないことを考慮して、改修時に取り付けた換気扇が役立つことになりました。

もちろん、パソコンのキーボードの上を歩く、広げた新聞の上に座る、爪を立てて肩の上に乗るなど仕事の邪魔をするのは日常茶飯事で、その都度血圧が上がります。食事が終わると、毎回、汚れた食器を洗いに2階のキッチンに降りるのも日課になりました。抜け毛が多いので部屋の掃除やソファーや座布団のコロコロがけもまめにしないといけません。

【画像1】仕事の邪魔をする猫(写真撮影:松村徹)

【画像1】仕事の邪魔をする猫(写真撮影:松村徹)

結局、猫たちが寝ているのをみはからって(歌声の心地よさに猫も寝てしまうという女性ヴォーカルのCDを2枚も買いました)、細切れの時間に集中的に仕事をするようになりました。オフィスのように定時に規則正しく仕事ができない以上、こちらも猫のように自由で気ままにならないといけない、というのが結論です。

住宅は家族団らんやくつろぎの場として、そもそも在宅ワークをするようにつくられていないうえ、個人で用意できるシステム環境は、コンピュータの容量やプリンタやコピーの印刷時間など何をとってもオフィスとは比べものにならないほど非効率なだけに、余裕をもって自由に仕事をする習慣を身につけた方がよいように思えます。

生活習慣を変えたり階段の昇り降りで運動不足解消を意識

東京の会社に勤めていたころ、在宅ワークを試験的にやってみたのですが、オフィス通勤に比べて歩くことによる運動量が圧倒的に少ないことが驚きでした。歩数計で計測すると、在宅ワークの歩数は普通でも1000歩にすら届きませんし、終日外に出ないと300~400歩なんてことも珍しくありませんでした。

特にマンションでは、歩幅は狭く、階下を気にしてすり足でゆっくり歩きますし、階段がなく平面移動だけですから、同じ一歩でもオフィス内での一歩に比べて負荷が非常に小さく、歩数の差以上に運動量の差があることになります。また、自宅には好みの食べ物や飲み物があるので、自制心が強くないとついつい誘惑に負けて間食するはめになりかねません。Uターンして在宅ワークになれば、オフィス通勤時より運動量が激減する一方で摂取カロリーが増え、メタボリックシンドロームへの道まっしぐらではないか、というのが当初の心配事のひとつでした。

ところが、ある意味生活が面倒くさい3階建てであることを逆手にとって、意識して積極的に動くことで階段昇降回数が半端でなく多くなることに気づきました。3階から猫のウンチを1階トイレに捨てに行くのはもちろん、食後の食器片付け、部屋の掃除やゴミ捨て、新聞取りなど、これまであまりやらなかった家事を積極的にすればするほど、上下階の移動が増えて負荷のかかった歩数が稼げます。2階のインターフォンが鳴っても気づかないか、すぐに出られない両親に代わって3階から駆け降りて応答し、そのあと1階に降りて玄関に出るだけでも息が上がります。

また、食材などは車で出かけて買い溜めせず、毎日少量の買い物のためにあえて遠回りして徒歩で商店に出かけるようにしました。以前住んでいた東京郊外のように緑は豊かではありませんが、自分が育った街であり歴史もある街なので毎日コースを変えて歩くと、いろいろな発見があって飽きません。さらに、猫たちのお蔭で長時間座って仕事をすることがなくなったのも健康面ではプラスに働きました。

このように生活習慣を大きく変えた結果、一日8000 歩から1万歩は無理なく稼げるようになりました。摂取カロリーの方は、親の健康的な食生活に合わせているので、少々間食をしても以前より少なくなったようで、転居2カ月で体重は2kg、体脂肪率も2%は減りました。少しもスマートでもハイテクでもない方法ですが、在宅ワークでも工夫次第で十分に健康的な生活を実現できることが分かりました。

さすがに両親が介護状態になったらそんなのんきなことは言っていられないかもしれませんが、その時のためにも今のうちに体力を蓄え、健康でいることが大事だと考えるようにしています。

次回は38年ぶりに親と同居して感じた生活習慣や意識の違いと、それをどのように克服したかを紹介します。

・松村徹
長年、シンクタンクで不動産調査に携わるなか、業界の常識には顧客本位を貫く哲学や時代を先取りする意欲が欠けていると痛感。フリーな立場になって自らも両親と同居して「実家問題」に悩みながら、利用者目線から面白くて役に立つコラムや記事を発表している。共著に『不動産ビジネスはますます面白くなる』、『不動産力を磨く』、『猫を助ける仕事』ほか●「定年後に親と同居」関連記事
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この記事のライター

SUUMO

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