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渋谷のBEAMS MEN SHIBUYAでショップマネージャーとして働く近藤洋司(こんどう・ひろし)さん。ファッションだけでなくインテリアもビンテージ好きで、住まいは築50年の平屋を全面リノベーションしたという徹底ぶり。鎌倉の高台に建つ、自然と古き良きものに囲まれた、ちょっと懐かしい感じがする古民家のお宅にお邪魔した。●BEAMSスタッフのお住まい拝見・魅せるインテリア術
センス抜群の洋服や小物等の情報発信を続けるBEAMS(ビームス)のバイヤー、プレス、ショップスタッフ……。その美意識と情報量なら、プライベートの住まいや暮らしも素敵に違いない! 5軒のご自宅を訪問し、モノ選びや収納の秘訣などを伺ってきました。経年変化で味わいが増し、価値が落ちないのがビンテージの魅力
鎌倉の築50年の平屋を一年がかりで探し、さらに約半年かけてリノベーションしたという近藤さん。ガーデニング関連の仕事をする妻と2人で住む新居だ。「神奈川出身なので、家を持つならなじみが深く自然豊かなエリアがいいと思い、鎌倉、逗子、葉山で古民家を探し始めました」
近藤さんは、住まいだけでなくファッションもインテリアのコレクションなども一貫して、大のビンテージ好き。ビンテージとの出合いは、中学生のころ。当時サッカーの中田選手や前園選手がビンテージ物の服を着こなしているのに影響を受け、古着に凝り始めたのだという。今でも古着好きで、仕事にもつながる筋金入りだ。
古着の次は、働き始めてから食器に凝り始めた。「いい食器があるとモテるかな、と思って(笑)」とビンテージの北欧食器、ARABIA(アラビア)の絵皿を約8000円で単品購入。そうするとシリーズでそろえたくなって、海外駐在していた姉に頼んだり、インターネットなどさまざまなルートで集めたという。
さらにビンテージのコレクションは家具、雑貨、インテリア小物などと、広がっていく。「新しい物より、古い物の方が好きです。ストーリーがあるし、何より本物だから」という近藤さん。「本当にいい物で新しい物は高くて手が出なかったり、数が限られていて手に入らなかったり。さらに新品は中古になった瞬間に価値が下がるけれど、ビンテージ物は価値が下がりにくいのも魅力です」。
古い日本家屋にインダストリアルなテイストを組み合わせた独自空間新居を探す際、住まいも価値が下がらないビンテージをと考えた。ところが、中古住宅を見学しても、築20年や30年ではただ古いだけで、味わいがあるちょうど良い古さの家はなかった。物件探しを始めて約一年、ようやく鎌倉の高台に建つ築50年の平屋に出合う。古いうえに小部屋が多くて室内は暗く、空き家になって長いため、庭にはススキや雑草が生い茂っていた。それでも「おばあちゃんが住んでいそうな懐かしい感じ。縁側があって、木の建具やレトロなガラスなど、求めていたイメージにピッタリでした」。
早速、雑誌などで作品を見て設計依頼したいと思っていた宮田一彦アトリエさんと現地へ。海が近く湿気が多い鎌倉だが、高台なので古くても基礎や土台は傷んでいないとプロからのお墨付きをもらい、購入して暗く使いにくい間取りは全面的にリノベーションをすることにした。
リノベーションにあたって近藤さんからオーダーしたのは3つ。アイランドキッチンにすること、フローリングを山形杉の柿渋塗装(柿渋からつくった液による古くからある日本の塗装方法。時間経過によって味わい深い色へと変化していくのが魅力)にすること、物が多いので最大限の収納スペースをつくること。「作品例を見てテイストは気に入っていたので、基本的に間取りはお任せしました」。
そして出来上がったのは、大きなLDKと寝室と水まわりに分かれたオープンな空間。天井は全て構造材をむき出しにして、ギリギリまで天井の高さを利用してロフトをつくり、物を置けるようにして収納の悩みを解決した大胆なリノベーションだ。
収納は縦空間を利用、古い日本家屋にインダストリアルでレトロなインテリア近藤さんの収納のポイントは、何といっても縦空間の活用。平屋の天井高をフル活用して、ロフトを収納スペースにしていることだ。「季節外の衣類や趣味のキャンプ用品など、かなりの量を収納できて助かっています」。
基本的に全て見せる収納。物はかなり多いほうだというが、これをきれいに見せる秘訣は「きれいに畳むことと、同じものを集めてメリハリをつけること」。なるほど、物をたくさん置くコーナーと、何も置かず、置く場合も間隔を空けてスッキリ見せるコーナーと、メリハリをつけているのだという。
インテリアも「好きな物を集めただけ」というが、全て徹底したレトロ。日本の古い物はもちろん、北欧、フランス、アフリカ、など国はバラバラだが、共通するのは古き良き懐かしいテイスト。「古い日本家屋にインダストリアルなテイストを組み合わせた」という狙いどおりの仕上がりになっている。
少し無理をしてでも本物を買う、という近藤さん。「模倣されたデザインの物が次々に生まれても、その原点である本物を知っていることは仕事の現場でも役に立ちます」。新品は買った時が一番新しく徐々に古くなっていくが、ビンテージ物は経年変化が味になって価値が落ちにくい。新品では手に入らない物でも、時間が経つと手に入りやすいというメリットもあり、自分の元に来るまでのストーリーごと楽しんでいるという。徹底したアンティーク好きのお洒落な古民家、初めて訪れたのに懐かしい気持ちになり和みました。
●取材協力この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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