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[大久保麻梨子、台湾5年生]“AV女優”でレッドカーペットへ!? ~台北・中山ブライダル通り~

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「AV女優をやってもらえませんか?」
そんな、ちょっぴり驚きのオファーをいただいたのは、台湾で初めてお芝居の仕事をしてからしばらく経った頃。
よくよく聞けば、いわゆるアダルトビデオに出演する話ではなく、地上波の単発ドラマでAV女優役を演じるというお仕事。日本で活躍するトップAV女優という設定の役だった。

そのドラマ、「愛情替聲(アイ チン ティー セン)」の主人公は台湾人の男子大学生。日本のAVをテーマに論文を書くことになった彼は、研究のため、日本で活躍するAV女優に会いに来ることに。実際に出会うと、彼女に昔の恋人の面影を重ねてしまい……という、偶然の出会いからはじまる恋愛ストーリーだ。

けれど、渡された台本を読んだ私は、スタッフの人たちと温度差を感じてしまった。
日本のAV女優に対して台湾の人が思い描いているイメージと、私が台本から受けた役柄へのイメージに大きなギャップがあったのだ。

というのも、台湾の人たちが一般的に日本のAV女優と聞いて思い浮かべるのは、四六時中セクシーで妖艶に男の人を魅了するような女性。
だが私は元グラビアアイドルとして、果たしてそうなのかと疑問を抱かざるを得なかった。

もともと私は、日本の芸能界にグラビアアイドルとしてデビューしている。グラビアの仕事に専念していた頃は、写真のイメージが先行してしまい、初対面の人にもセクシーな女の子という印象を持たれていることが多々あった。

もちろん当時はグラビアという仕事に対して、真剣に、そして一生懸命取り組んでいた。より魅力的な作品を作り上げるため、ポージングなど見せ方も積極的にアイデアを出していた。なので、セクシーだと褒められると嬉しい反面、プライベートの私にまでセクシーさを求められる度に、少し違和感を感じていたのだ。

私が挑むAV女優役も、職業へのイメージだけでセクシーさや大胆さを強調して演じていいものだろうか。
そんな思いを胸に、監督と話し合いを重ねながら役作りをして、撮影に臨んだ。

試行錯誤の末、無事に撮影終了。
……と思っていたら、クランクアップ1カ月後に追加撮影が発生。監督とテレビ局から、私が演じた役を、もっと掘り下げたいというリクエストが入ったのだ。回想シーンを増やすため、彼女の過去にまつわるストーリーを撮影することになった。

そんなイレギュラーな出来事が起こったものの、テレビ放送も終えて、ほっとひと安心。
驚かされるのは、その半年後のことだった。

平日の昼下がり、台湾の親友と自宅でお互いの母国語を教えあっていた時のこと。あのドラマのプロデューサーさんから電話が鳴った。

「麻梨子、あなた入圍(ルーウェイ)されたのよ!」

入圍(ルーウェイ)という中国語は、一体どういう意味なのか?プロデューサーさんが興奮気味に話してきたこともあり、まったく状況が飲み込めない。

隣にいた友達に入圍(ルーウェイ)の意味を聞いたところ、ノミネートだとのこと。
プロデューサーさんは、私が台湾の金鐘獎というアワードでノミネートされたと伝えてくれていたのだ。

金鐘獎(ゴールデン・ベル・アワード)とは台湾のエミー賞とも呼ばれる、テレビ関連のさまざまな業績に賞が贈られる祭典だ。レッドカーペットから授賞式までが生放送され、盛大に行われる。

ノミネートされた業界人は、ドレスアップしてレッドカーペットを歩き、会場に入る。最優秀者は式典の当日に発表されるスタイルだ。
その前年の2012年には、台湾で大人気だったドラマ『我可能不會愛你(イタズラな恋愛白書)』から俳優のチェン・ボーリンが最優秀主演男優賞を受賞、相手役の女優、アリエル・リンが最優秀主演女優賞を受賞したのを、私もテレビで眺めていた。
そんな大きな式典に、まさか台湾2年生の私がノミネートされるなんて……。
夢にも思っていなかった展開に、ただただ驚くばかり。
少し落ち着くと、昨年度の式典で候補者が着ていたキラキラしたドレスを思い出して、これはまずいことになったと思いはじめた。
ドレスなんて、もちろん持ち合わせていない……。

そこで私が初めて訪れたのが、台北市内中山北路というストリート。
ブライダルロードという別名でも知られるこの場所は、わずか300mほどの通りに、ブライダルフォトスタジオが20数軒も立ち並んでいる。店先のショーウィンドーには華やかなウエディングドレスが輝き、眺めながら歩いているだけでも楽しい。
台湾では、レッドカーペットで着るようなゴージャスなドレスは、ウエディング関連のお店で借りたり作ったりするのがならわしなんだそうだ。



そこで私も1軒のお店に入り、初めてロングドレスを試着。しゃなりしゃなりと歩いてみた。
何着も素敵なドレスを試したが、なるべくシンプルで奇をてらわないものが良い。なかなか理想通りのものが見つからず、スタイリストさんにデザインしてもらって仕立てることに。

デザイン案が固まったら、次は生地を選ぶ。こうして、約1カ月弱という短い間に、ササッと素敵なドレスを仕上げてもらった。

結婚するわけでもないのに、こんなロングドレスをオーダーメイドする日が来るなんて……。本当に人生、何が起こるか分からない。
そしてその時、試着しながら横目に見ていたのは、純白のウエディングドレス。すごく綺麗で、並べて飾られていたブライダルフォトもドラマチック。
いつか結婚する時が来たら、旦那さんになる人と一緒に、ここへまた訪れよう。そう密かに決意したのだった。
(意外にも、その「いつか」も思ったより早く訪れたのだが……。その話はまた後日)

【麻梨子的台湾案内⑦ 中山北路・婚紗街】

ラグジュアリーホテルやハイブランドのショップが多い中山駅の北部に位置。落ちついた雰囲気の地域に、ブライダルフォトなどを撮影する写真スタジオが集まっている。

ブライダルフォトスタジオが多いエリアですが、どのお店もそれぞれ個性的。ものすごい種類のドレスをそろえています。
ブライダルフォトを撮りたいなら、ぜひカップルでお店を回ってみて。理想の写真が撮れるスタジオが必ず見つかるはず!(麻梨子)

<アクセス方法>
住所:台北市中山北路2段~3段の間
アクセス:MRT淡水信義線・松山新店線 中山駅で下車、中山北路に沿って北方面へ

【Profile】
大久保麻梨子(おおくぼ まりこ)

20160816-0084
1984年9月7日、長崎県生まれ。
2003年に「Sea Story Audition 2003 マリンちゃんを探せ!!」で初代グランプリを獲得し、芸能界デビュー。グラビアアイドルとして活躍する。2008年、女優業をスタート。CMやドラマ、映画で活躍するのと同時に、写真集を計9冊出版。
2011年、台湾に移住。中国語を学びながら、台湾の芸能界でタレント・女優として活動開始。2013年、日本人として初めて、台湾最大規模のテレビアワード「第48回金鐘獎」テレビ映画部門 最優秀助演女優賞に輝く。2016年TV連続ドラマ「幸福不二家」では主演を務めた。現在は次作ドラマの「四月望雨」を絶賛収録中。

目標は女優として幅広い役に挑戦することと、台湾アンバサダーとして日本と台湾の橋渡しをすること。

Text 大久保麻梨子

*次回は4/30(日)掲載予定です。
※文章・画像の無断転載はご遠慮ください

大久保麻梨子 公式Instagramアカウント→
@marilog0907

MANAGEMENT : CHEERS MANAGEMENT CO.,LTD.
AGENT : 

 


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