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「経験人数は、120人以上ですね。120人まではカウントしていましたが、あとは忘れちゃいました」
なんて話をしてくれる。小柄で、丸い瞳をくるくるさせながら話すエイコさんは年齢不詳な印象で、少女のような笑顔を見せたかと思えば、さすが100人以上と経験しただけあるという肝の座った表情も見せる。
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エイコさんの過去の恋愛について聞けば、そう想うに至った理由が見えてくるにはくる。不実すぎたバンドマンの彼以前にも、エイコさんは10代のとき、交際していた男性を交通事故で亡くすという経験をしている。
そうした恋愛遍歴とエイコさんの奔放な性生活を結びつけるのは簡単だが、それは外野がわかりやすいストーリーに落とし込もうとしているにすぎないように思う。そのときのエイコさんがそうだった、それだけの話ではないだろうか。

つづく30代もアクティブなセックスライフを送った。
「自分と同じくらい、旺盛な性欲を持った男性と出会ったんです。ああいうのを絶倫っていうんですかね。ひと晩で何回できるかチャレンジしたり、いろんなことをしました。楽しかったですね。私が入院していたときも『我慢できない』なんて連絡してくるから、外出許可をもらって病院から近いラブホテルにふたりで半日こもったのも、いい思い出です」
エイコさんはこんな逸話を、修学旅行の夜に部屋を抜け出して好きな男子に会いにいったんですよ、というぐらいの無邪気さで話をしてくれる。
▶そんな彼女に、40代を迎えて起きた変化とは
しかし40代を迎え、曲がり角を迎えた。
「パタッと性欲がなくなったんですよ」
まさか自分にそんな日がくるとは思っていなかったと、エイコさんはいう。
「もしかすると年相応の変化なのかもしれませんが、自分のなかの欲求がなくなって火が消えたようなさみしさがあります。若いころから愉しんでいたものがひとつ欠けちゃうっていうことに不安も覚えます。その一方で、もう少し遊びたいなぁっていう想いもあるんですよ。でも40代になると急に、お互いセックスを愉しみましょう、という合意を得られる男性と出会うのがむずかしくなりましたね。私自身は年齢をほとんど気にしたことがないのに、40代って周りからそういう対象として見られにくくなるんだって、ひしひしと感じています」

これまでエイコさんが出会いの場としていたところでは、若さが評価される傾向がある。それはしょうがないこと、と一抹のさみしさを感じるエイコさんだが、そのことが自分が本当に求めているものを見直す機会にもなったようだ。
「遊びたい、セックスしたいといっても、即物的に愉しんでいたこれまでと違って、一緒に映画観にいくとかデートっぽいことをしたいな、って思うようになったんです。肌のぬくもりがほしい。結婚は特に考えていないですが、パートナーと呼べる人ができて、この先の時間を一緒に過ごせればいいな、と強く思うようになりましたね」
そういう人とはどこで出会えばいいのかわからないですけど、とエイコさんは小さな声で話を締めくくった。
40代の出会いのむずかしさはさておき、これまでのエイコさんは自分が求めるものにとても忠実に生きてきた。これから先も、したいこととしたくないこと、欲しいものと欲しくないものをはっきりさせながら、初めての「パートナー」を探していくのだろう。そんな彼女を好きになる人は、きっといるに違いないと思わされた。
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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