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ペットとして人気がある犬と猫。飼育数でいえば、いま猫のほうが多いことはご存じでしょうか。平成29年全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人ペットフード協会)によると、犬の飼育頭数は約892万匹だったのに対し、猫の飼育頭数は約 953万匹。10年前の同調査では猫よりも犬の飼育頭数のほうが200万匹以上多かったことと比べると、近年「猫」の人気が高まってきていると言えそうです。
こうした犬と猫を含めた、ペット関連市場は拡大傾向にあります。矢野経済研究所の調査によれば、「2017年度ペット関連総市場規模」は昨年比101.0%、1兆5135億円(見込)と徐々に拡大中。そんな中、猫については、3~4万円の高級キャットハウス(猫ハウス)も販売されるようになりました。通常、キャットハウスの価格はだいたい5000円~1万円程度。実に倍以上のお値段です。なぜそのような高級キャットハウスが誕生したのか――その点を探るべく取材してきました。
フランスも日本も共通項は“猫人気”
この高級キャットハウスブランドのブランド名は『MEYOU(ミーユー)』。日本語に訳すと、猫の鳴き声を表す「ニャア」を意味します。MEYOUは、機能的でエレガントなペット製品をつくることを目的に2014年、フランス・パリで設立。2017年1月から日本でMEYOUの輸入・販売を手掛ける株式会社モダニティのゼネラルマネージャー沼野井真一(ぬまのい・しんいち)さんにお話を伺いました。
――なぜ高級キャットハウスブランド『MEYOU』のキャットハウスを日本で販売しようと考えたのでしょうか。
弊社は世界中のデザインと技術・機能が優れたモダンな商品を発掘し、日本へ輸入・販売しています。
『MEYOU』は2014年に立ち上がったブランドです。2015年に、米クラウドファンディングサイトの「キックスターター」で資金を募って製品化されました。クラウドファンディングでは、8万ユーロ以上(日本円で1000万円以上)が集まり、世界中から注目されていたようです。
私たちが『MEYOU』と出合ったとき、フランスでも猫の飼育者が増加していると聞きました。しかし、日本もフランスも“猫人気”という共通項があるのに、日本の猫関連の製品はデザイン性の優れたものが少ないのではないかと感じました。「この高級キャットハウスならば、日本でも受け入れられるのではないか」と考え、取り扱いを決めました。
余談ですが、弊社代表のレジィス・ヴェランもフランス人。彼も猫を飼っているのですが、デザイン性の高いキャットハウスが欲しいと思っても、日本国内ではなかなか見つからず悩んでいたそうです。そのことも『MEYOU』を取り扱う後押しになりました。
――「MEYOU」ブランドのキャットハウスの特徴を教えてください。
種類は4種類あります。まず「THE BALL」(税込3万5640円)と「THE CUBE」(税込3万1320円)は、コクーンと呼ばれる丸い繭のような形状が特徴です。和洋どちらのインテリアにも馴染む球型形で、店頭で猫の模型がないと、一見、照明器具か何かに見えるかもしれません。
BALLとCUBEの違いはフレームです。
BALLは脚の部分にウッドを使用、フローリングとの相性もいいです。CUBEは安定性があるので、購入された方の中には入口・出口の部分の穴を上に向けて、猫がジャンプして入っていくような置き方をしている人もいます。
コクーンの丸い部屋は堅くしっかりした作りですが、ほどよく弾力があります。身をすっぽり隠しながら周りを観察できるので、猫にとって安心感があるようです。
コクーンは素材にも工夫がされていて、猫が爪とぎしたくなるような特殊なポリエステルでできています。毛羽立っても水拭きすれば毛羽立ちが収まるので、お手入れも簡単です。
BED(税込4万2120円)は、高さのあるスタイルになっていて飛び乗るような使い方になります。傘の部分がウール100%のフェルトになっていて、入り口に針金が通っているので型がしっかりしています。
NEST(税込1万9440円)は置き型で低いタイプなんですが、お昼寝場所をイメージしたような商品で、小型犬にも使える作りになっています。縁はロープのような質感の素材でできており、爪とぎして楽しめるのが特徴です。また、軽量なので持ち運びも簡単で、バスケットとクッションは水洗いでき、清潔に使えます。
――それぞれの特徴からどんな猫にオススメなのでしょうか
形状からみると、BALLとCUBEとBEDは、どちらかというとアクティブな猫に向いていますね。NESTはゆったりしているのでどっしりしたあまり動かないタイプの猫がハマるかと思います。各製品の、サイズや形状が大きく異なるので、ペットのキャラクターによって選んでいただければと思います。
価格は家具並、それでも日本で受け入れられたのは…――実際の猫や購入者からの反応はいかがでしょうか。
ケースバイケースではありますが、ペット関連用品の展示会で設置した際、猫を入れたら全然出てこなくなってしまったというエピソードがあります。その猫はとても居心地がよかったようです。製品自体は入り口を猫が入りやすいであろうサイズで設計しているので、通常のキャットハウスよりも好んで入ってくれることが多いと自負しております。
利用者からの反応は、『インテリアの主役として見せたくなる』や、『他のインテリアともよく馴染む』といった声がありました。従来のキャットハウスにはないデザイン性が支持されているようです。
――発売後の販売店からの反応はいかがでしょうか?
ペット専門店では発売当初から珍しい商品だったためか『是非取り扱ってみましょう』と反応は上々でした。その後は、高島屋などの百貨店や高級インテリアを扱う「ザ・コンランショップ」など、取り扱い店舗の幅が広がっています。
――購入者はどのような方が多いですか?
販売店からは、都市部に住む女性が多いと聞いています。都心のコンパクトな住まいであっても、インテリアとも合わせやすいという点が支持されているのだと思います。
決して安くないお値段ではありますが、所得に限らず、猫により良い暮らしをしてほしいという強い愛情を持ち、インテリア性も重視する、という方が購入してくださっているようです。
――『MEYOU』の今後の展開について教えてください。
今はキャットハウスのみですが、今後はキャットタワーや爪とぎなど、デザイン性を発揮できる製品があれば取扱いを増やしていきたいと考えています。弊社としては猫も飼い主も快適で、かつインテリアとしても洗練されたデザインの製品を紹介していきたいと思っています。
3万円もキャットハウスに!? と感じていた筆者。しかし、従来のペット製品の中には、デザイン性に欠け、他のインテリアや家具となじみにくいものが多いのもまた確か。MEYOUを通じて、猫も人も快適な理想の共同生活を送れるならば、決して高い金額ではないかもしれません。
●取材協力この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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