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蚤の市とは、古道具や古着を売る露天市のこと。町の広場や公園、神社などで開催されることが多く、使わなくなった物や手づくりの品、アンティーク品・ヴィンテージ品など、さまざまなものが販売されます。
「蚤の市」という名前の由来には諸説ありますが、“ノミがわいたような古いものが集まる”、“ノミのように掘り出しものが出てくる”などといった理由からきているといわれています。
蚤の市の起源は、1885年に始まったフランス・パリのサント・オーエン(クリニャンクール)の古物市だといわれています。当時のパリには、捨てられた物から売れそうなものを選別して商いをする「シフォニエ」と呼ばれる人々がおり、サント・オーエンを拠点に古物取引の活動を広げて行ったのだそう。
一説には、サント・オーエンに古物を買いに訪れた者が、城壁の上から山積みになったガラクタを眺めていたときに「これは蚤の市だ!」と叫んだことが語源ともいわれています。また、フランス・パリは現在も蚤の市の文化が盛んで、「クリニャンクール」「ヴァンヴ」「モントルイユ」はパリの三大蚤の市と称され、最大規模のもので3,000以上の古物商が軒を連ねます。
広場で物を売っているという点で似たイメージをもつ「蚤の市」と「フリーマーケット」ですが、実はこのふたつの言葉がもつ意味に違いはなく、同じものを指しています。日本では、「フリー」と聞くと「自由」を意味する“free”を連想しがちですが、正しい表記は“flea market”。英語の“flea”には「蚤(ノミ)」という意味があるため「フリーマーケット」=「蚤の市」なのです。
とはいえ、「蚤の市」と「フリーマーケット」ではなんとなくイメージが異なりますよね。正式な違いはありませんが、蚤の市は古物、アンティーク品などが多く売られ、一方でフリーマーケットは使わなくなった物やハンドメイドの作品が多く売られているという点に違いがあります。
日本ではどんな蚤の市が開催されているのでしょうか?関東・関西エリアに分けて、おすすめの蚤の市を3つずつピックアップしてご紹介します。
東京蚤の市は、「布博」や「紙博」「もみじ市」などのイベントを企画する『手紙社』が主催するアンティーク・マーケット。年に2回、春と秋に開催され、国内外から選りすぐられた約250組のアンティークショップ、古道具・古家具店、古書店、古着店などが出店します。キッチンカーが出店していたり、ライブが開催されたりと、雰囲気や地元の食べ物も楽しめるので、カップルや家族連れ、観光の方も楽しめるイベントですよ。
赤坂蚤の市 in ARK HILLSは、毎月4日曜日に開催されています。季節に捉われず、年間を通して都会的なライフスタイルにマッチした幅広いアイテムが並びます。ヨーロッパの蚤の市のような雰囲気が若い人たちを中心に人気があり、各国の歴史を経たアンティークや雑貨を、見て、買って楽しみながら、美味しいグルメや音楽パフォーマンスも楽しむことができますよ。
つくば蚤の市は、茨城県つくば市「つくばクレオスクエア前広場」にて開催される蚤の市です。古道具、アクセサリー、インテリア雑貨から植物や野菜、焼き菓子など素敵なショップが多数出店しており、多い日には1日最大70店が集結します。つくば蚤の市 =(つくのみ)として、地元の方はもちろん県外からも来場者が多い人気の蚤の市ですよ。
本格的な骨董品が集まる蚤の市として知られる四天会蚤の市。月に一度、第2日曜に開催されます。いわゆる骨董品・古美術品はもちろんのこと、アンティーク雑貨、レトロ雑貨、大衆文化を代表する古着やレコードなども多く販売され、大阪のカルチャーシーンを知るうえで外せないイベントです。
2006年から始まった環境をテーマにしたイベント「ロハスフェスタ」。万博記念公園東の広場にて開催されている青空マルシェです。「エコ」をテーマにアンティーク・ヴィンテージ品をはじめ、植物、アウトドアアイテム、ガーデニンググッズ、グルメ、お洒落なクラフトや雑貨やワークショップのお店など、さまざまなお店が出店します。カトラリー・マイボトル持参など、ロハスフェスタならではのルールがあるので、事前にチェックしてから出かけましょう。
東寺がらくた市とは、京都市南区にある東寺にて毎月第1日曜に開催されている骨董市です。東寺といえば毎月21日の弘法市が有名ですが、こちらは、うぶ出しの骨董や古道具、陶磁器、漆器、木工品、書道用具、切手、古銭やがらくたなど、よりマニアックな品が販売されており、見ているだけでも楽しい時間を過ごせます。その品揃えのよさから、プロが買い付けに行くほどなんだとか。古美術・骨董好きの方は必見ですよ。
蚤の市に出かけるときに、注意するべきことをまとめてみました。お出かけの参考にしてみてくださいね。
蚤の市は外で行われる場合がほとんど。そのため、季節によって暑さや寒さ対策が必要になってきます。夏の場合は、飲み物や帽子、タオル、日焼け止め、ハンディタイプの扇風機などを持参するのがおすすめ。冬は、マフラーやストール、手袋、ニット帽、カイロなどを準備し、長時間外にいても寒さに耐えられるよう備えておきましょう。
蚤の市ではお支払いは現金のみという場合がほとんどなので、現金を忘れずに持参しましょう。また、1000円以下で販売されている商品も多いので、小銭や1000円札を多めに持っていくのがいいでしょう。
ここからは、蚤の市で偶然出会う作品のような1点もののアンティーク・ヴィンテージ品をご紹介。希少かつ美しいデザインのアイテムを3点厳選しました。
北欧の老舗陶器メーカー、グスタフスベリで1960年代につくられた「マルヴァ」シリーズのティーカップ&ソーサー。赤い花柄模様にもかかわらず、どこか落ち着きを感じる秀逸なデザイン。市場でも貴重な逸品です。
英国アンティークの純銀製カードケース。1901年に英国バーミンガムのGEORGE LOVERIDGE工房でつくられた品です。表面に施された細やかな装飾からは、気品の高さを感じさせられます。
世界的なラグジュアリーファッションブランド「ニナ・リッチ」のネックレスです。経年により落ち着いたゴールドカラーとやわらかなハートモチーフが、首元にそっとアンティークの輝きを添えてくれます。
毎回出店者や販売されているものが変わる蚤の市。ぜひ宝探しをしに行く感覚で、足を運んでみてはいかがでしょうか。その際には、暑さ・寒さ対策をしていくなど、より蚤の市を楽しめるような準備をしていってくださいね。
また、minneでは、蚤の市で出会えるような素敵なアンティーク・ヴィンテージ作品がたくさん揃っています。特集ではテーマに沿って作品をご紹介しているので、そちらもぜひチェックしてみてください。
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