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ニューヨーク人情酒場へようこそ!これは、ブルックリンにある小さな酒場(レストラン)で起こったいろんな出来事。
大都会の夜、一杯の酒から始まる人間模様。作者はこのお店で今お寿司を作っているよ。
NYで日本人の寿司職人を雇うというのは、すごくお金がかかることです。技術を持っている日本国籍の人となると、一定の需要があるため、かなり良い条件を提示しているところが多い印象です。
やはり、日本人はNYのお寿司業界ではすごく重宝されます。自国の料理というのもあり、魚の説明をする時や握っている姿に説得力が生まれ、寿司を食べにくるお客様からの印象が良いのだと思います。寿司カウンターでの仕事となるとお客さんとの会話も仕事の一つなので、出身を聞かれることも多くなります。その際、日本にルーツがあるというだけで一種の信頼が生まれる感覚があります。
NYのお寿司レストランはピンからキリまでありますが、高級店になると一人当たりの単価が300~400ドル(日本円で約4万3000円~5万7000円ほど)になることもザラで、そういったお店では一流寿司職人を雇うのも納得がいきますね。日本で寿司職人として働いていた人がアメリカに移住したところ給料が何倍にも増えたというニュースも目にしたり、ある意味夢のある世界と言っていいかもしれません。
さよなら、トシさん解雇を知ったトシさんのリアクションは思った以上にドライで和やかなものでした。寿司職人をやっているとこういうことはよくあると言われたけれど、思った以上に厳しい世界なのかもしれません。
寿司職人はこだわりが強く仕事に厳しい人が多そうな印象ですが、信じられないぐらい優しくて、働きやすかったトシさん。あっさりとした別れがさらに寂しさを増幅させましたが、いつも明るいトシさんのおかげで最後の最後まで笑顔が絶えない仕事になりました。
NYの飲食業界は本当に入れ替わりが激しいため、1つの仕事を長く続けている人に出会うこと自体がすごく珍しいです。
日本で生まれ育った身としては、バイトであれなんであれ仕事は嫌なことがあっても続けなければならないという考えが染み付いていますが、NYの飲食業界で働く人は無理だと思ったらスパッと辞めてしまいます。
人種・国籍・性別・年齢といったさまざまな要素が絡み合う職場では、思わぬ一言がトラブルの種になることもあり、予期せず急に辞めてしまう人もいたりとお店側も人材の管理がいちばんの頭痛の種です。
しかし仕事を通してでしか知り合うことのないいろいろな人に知り合えることにただ感謝です。
作者:ヤマモトレミ
89年生まれ。福岡県出身。2017年、勤めていた会社の転勤でニューヨークに移住。仕事の傍ら、趣味でインスタグラムを中心に漫画を描いて発表していたところ、思った以上に楽しくなってしまい、2021年に脱サラし本格的に漫画家としての活動を開始。2022年にアメリカで起業し個人事業主になりました。ブルックリンのレストランで週4で寿司ローラーをやっています。
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この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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