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恋人いない歴9年超の恋愛ご無沙汰女子、OTONA SALONE編集長・アサミ。40代の婚活をスタートさせて2年以上経つも、いまだ恋人すらできず。
どこかで知り合ったであろう謎の男性・ジェントルさんから「お会いさせてください」というメールがきて、ついに会うことになったが……。これは40代独女の「実名 顔出し」で書いている、リアル婚活ドキュメントである。
待ち合わせた場所は、青山にあるカジュアルフレンチ。約束時間の少し前に到着し、通されたのはカウンター席だった。
カウンター席ということはビジネスディナーじゃない可能性が高い。メガネさん以来、久しぶりのデートかもと思い始めたら、なんだかドキドキしてきた。
窓の外を眺めながらジェントルさんの到着を待っていたとき。ガラスの向こうから、白っぽいシャツにデニムを履いた、背の高い男性が歩いてきた。
目が合ったと思ったら、小刻みに小さく手を振ってきた。そして「お待たせ~」と言っているように見える。
もしかしてこの男性が、ジェントルさん⁉
数秒後、その男性は私の横にやってきた。あ、やっぱりジェントルさんなんだ。
ジェントル「お待たせしてごめんなさい。ジェントルです」
両手を合わせてゴメンのポーズをとるジェントルさん。この仕草といい、歩いてくるときの感じといい……。思うところはあるが、まずは普通に話をしよう。
アサミ「いえ、私もさっき着いたばかりですから。今日はお声かけありがとうございます。アサミです」
ジェントル「お腹すいてますか? オーダーしましょう。何がいいですか?」
店員さんを呼び、ササッとオーダーをしたジェントルさん。行動にソツがなくてスマートだ。
ドリンクが届いて乾杯をし、まずは気になっていたことを尋ねた。
アサミ「あの、いきなり大変失礼なことをお伺いしてもいいでしょうか…」
ジェントル「なんでしょうか?」
アサミ「前に…どこでお会いしたのだったでしょうか? あの、名刺いただいていて、お目にかかったはずなんですけど、私のもの忘れが激しくて」
いきなりこんな質問してよかったかしら、と思いながら返事を待った。
ジェントル「気にしないでください。実は僕もちゃんと覚えてなくて。何かのレセプションじゃなかったかな」
何かのレセプション……。たぶんそんなとこだろうとは思ってたけど、どれなのかを特定したいんだけどな。
アサミ「あ、そうでした?」
ジェントル「ごめんなさい、僕も記憶が曖昧なんです」
アサミ「いいえ、こちらこそ。何だろう? 私が行くとしたら、ファッション系か美容系か、フード系だと思うんですけど」
ジェントル「どれかな。僕もいろいろ顔を出すので」
そうか、ジェントルさんも何で会ったのかよくわからないのか。っていうことは、初めて会ったときは何とも思わなかったってことね。
アサミ「あの、じゃ、何でまたこのタイミングでメールをくださったんでしょうか?」
ジェントル「たまたま読んだんです、OTONA SALONEの記事を。これは面白いと思ったんです。新時代の女性カルチャーの最先端をいってるメディアだな、どういう人が書いてるんだろうって」
メールにも書いてあった、女性カルチャーの最先端という表現。そうかしら。ま、40代独女にスポットを当ててるメディアは確かにない。
アサミ「ありがとうございます。すごく嬉しいです」
ジェントル「このロゴ、オシャレだな、カワイイな。どこかで見覚えがあるなって。名刺で見たことあるかもと思って探してみたら、アサミさんの名刺が出てきたんです」
アサミ「OTONA SALONEのロゴですか?」
ジェントル「すごいカワイイです。僕はデザインの仕事をしているので、そういうの記憶に残るほうなんです」
私よりロゴを覚えてた(苦笑)。ま、デザインの仕事をしている人だから、らしいちゃらしいけど。
アサミ「ありがとうございます」
ジェントル「名刺が出てきたから、面白いってお伝えしたくなってご連絡しました。突然で驚きましたよね?」
アサミ「あ、ちょっと。でも手元にジェントルさんのお名刺があったので、お会いしたことあるんだろうけどちゃんと覚えてなくて申し訳ないなと思って」
OTONA SALONEのロゴもほめてくれたジェントルさん。さっきからちょっとだけ気になるのは、ジェントルさんが「カワイイ」という言葉を発するとき。心から思っているからなのか、少しだけ裏声っぽくなるのだ。
オーダーしたサラダが運ばれてきた。すると、すかさず小皿を手にしてササッとジェントルさんが取り分けてくれた。
ジェントル「はい、どうぞ」
アサミ「ありがとうございます、取り分けてくださって。あの、私やります」
ジェントル「いいんです。僕のほうが近くですから」
スマートに料理を取り分けてくれたジェントルさん。男性に料理を取り分けてもらうなんて……今までの婚活デートではなかった。なんか……本当にジェントルマン!
その後も料理が届くたびにすべてササッと取り分けをしてくれるジェントルさん。私がやろうとする前にスマートにことを進めてくれるのだ(私が遅いだけかもしれないが)。
ドリンクが少なくなっていれば気遣ってくれる。なんだろう、至れり尽くせりな感じ。もてなされている感じ。こんな経験は、初めてだ。
びっくり。っていうか感動。
これまでの婚活デートでも、大昔のデートでも……こんなに気遣いをしてくれる優しい男性とデートしたことはなかった。かといって、私も取り分けなかったけど(苦笑)。それぞれが好きなときに好きなだけ取るパターンが多かったかなぁ。
これもレディファーストっていうの? うれしくってドキドキしちゃう。
OTONA SALONEで私が書いていることが面白いから連絡をくれた、というのはわかった。次に聞きたいのは、この人が何者なのか。
アサミ「お仕事って、どんなことされてるんですか?」
ジェントル「デザインの仕事です。グラフィックやスカルプチャー、絵を描いたりもします」
アサミ「デザイナー?」
ジェントル「オフィスでは、アーティストって肩書きにされてますけど」
アサミ「そうなんですか。アート作品を作られているんですか」
ジェントル「商業作品もありますよ。この近くにも置いてある場所があります」
アサミ「すごいですね。私、アートは好きなんですけど、不勉強なので」
どんな仕事をしているかはわかった。でも、プライベートな質問は聞きにくいな…。それこそ、年齢とか結婚のこととかも聞きたいし。でも、明確に婚活で会っているかわかんないから聞きにくい。
ジェントル「婚活の記事、ホント面白いですよね。書いていることは本当の出来事なんですか?」
アサミ「もちろんホントです! 多少、文章表現を変えている点はありますが、基本的にはほぼ」
ジェントル「その後、アサミさんの婚活は…いかがなんですか?」
アサミ「2年やってますけど、ご覧の通りまだ恋人もできていません」
ジェントル「ホントですか。意外です」
驚いたように目を丸くしたジェントルさん。ひと呼吸おいて、自分のことを話し出した。
ジェントル「僕、いまはシングルなんですけど、離婚してるんです」
アサミ「あ、そうなんですか」
バツイチ独身なんだ、ジェントルさん! え、じゃやっぱり今日のディナーはデートでいいってこと? またちょっとドキドキしてきた……。
ジェントル「子供も一人います。一緒には住んでいませんけど」
あ、子供いるんだ。誠に勝手なことを言うと、ちょっとだけマイナスポイント。一緒に住んでないって言うけど、メガネさんのことを思い出すな……。実は子供と同居してたんだよね、彼は。だからそのセンもなくはないわけで。
アサミ「息子さんですか? 娘さんですか?」
ジェントル「娘です。いま僕は49歳ですけど、遅くに生まれたんでまだ小学6年生です」
そっか。ジェントルさんはオトナな男性だから、子供がもう成人近かったりするのかなーなんて思ったけど。
って、何を妄想してるの! ただ食事をしているだけで、何も始まっていないその先のことまで勝手に考えてしまう40代独女であった……。
★編集長アサミの婚活・新シリーズ #オトナの婚活コーデ 始めました★
【バツイチ独身・子あり・49歳のジェントルさん。デート(?)の続きは? 来週10月31日(水)17時をお楽しみに!】
【前回はコチラ】#115「男の本音」がわからない。二人で食事はデートか、仕事か?【40代編集長の婚活記】
【一気読みするならコチラ】 40代編集長の婚活記まとめ
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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