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さんきゅう倉田さんは、オトナサローネでの連載をまとめた書籍(電子)『お金持ちがしない42のこと』がロングセラー人気の、元国税芸人であり吉本芸人でもあります。この3年間は仕事の傍ら、受験勉強にも専念する多忙な日々を送っており、23年4月に晴れて東京大学文科二類に合格したことは大きく報道され、話題になりました。
東大生たちに囲まれる暮らしが始まり、彼らの瞬時の判断力や教養、その合理性は「学ぶことばかりだ」と言います。そんな東大生たちの知られざる世界を、さんきゅう倉田さん独自の視点で語っていただきます。
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さんきゅう倉田です。38歳で東大に通っています。
東大に通う同級生のほとんどが中高一貫校出身です。東大合格者を多数輩出するような難関中学に入る人たちは、小学4年生くらいから余暇の時間を勉強に費やしています。田んぼでカエルを取ったり、通学路で石けりをしていたぼくとは、時代も環境も異なります。
ごく稀に高校から勉強を始めたという人がいますが、毎年3000人の東大合格者がいれば、なかには学力が常軌を逸した速度で向上する人もいれば、ぼくのような吉本芸人もいます。
統計学では他の値から大きく外れた値のことをハズレ値というのですが、ぼくを含むそういった「ハズレ値」のことはこの際、無視しましょう。
世の中にはこのハズレ値や稀有な例を用いて、他人を騙そうとする人がいますが、そのような人間による「数字の嘘」を論理的な判断で見破ることができる人は、東大生の思考に近いと思います。
マルチ商法をやっている人が勧誘文句として「このビジネスは芸能人やアスリートもやっているんですよ」と言っているのを聞いたことがあります。
芸能人もアスリートも何万人もいます。そのうち何人かが怪しい商売に関わる可能性はゼロではありません。むしろ、関わっていない人数が多い点に注目すべきです。
また、株価のチャートを指して「このサインが出たら上昇トレンドです。実際に2015年の◯◯建設の株が、このサインの後に急上昇しています」と言っていた、自称「お金の先生」を見たことがあります。
無数にある株の値動きの中では、上昇することもある。だから、そのサインが出た際に上昇する確率を示さないと、生徒が求める情報を提供したことにはなりません。
そういう話が平気でできる人やその話がおかしいと思わない人は、受験に向きません。受験で用いる程度の論理的な思考ができるのなら、矛盾に気づくからです。
東大で友人になった複数名に聞いたところ、彼らが通っていたほとんどの学校は、中学時代に高校の数学を学習させていました。理系であれば高校1年の3月には数3Cまで終わらせているところもあって、高校1年生のときから全国模試で東大A判定を取り続けていた友人もいます。
日大の付属の高校にいたぼくは、模試を受けたことがありません。模試どころか、受験もしたことがなかった。中学は近所の公立、高校は推薦入試、大学は内部進学と、受験と縁のない人生を送ってきました。
しかし、大学受験をする人たちは、模試を何回も受けます。すべての受験生を対象にした模試だけでなく、東進や代ゼミの東大模試を受けて、自分が東大受験生の中でどのくらいの位置にいるのか知ろうとします。合格者のほとんどがこの東大模試でA判定を取っているという噂もあります。
ぼくはどうかというと、東大模試を受けたことがありません。ずっと自宅で勉強をしていたので、模試を受けるために家から出るのが億劫だった。だから、3年間で一度も東大模試を受けることはありませんでした。
では、いつから東大受験の勉強を始めていたのか。
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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