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パリの暮らしとインテリア[18] 古アパルトマンを自分で設計! イームズや北欧名作チェアなど椅子13脚がアクセント。アートディレクター家族の素敵空間

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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パリの暮らしとインテリア[18] 自分で設計しスカンジナビアのこだわり家具を集めたアートディレクター家族のアパルトマン

フランス・パリで大人気のおしゃれスポット北マレ地区とカナル運河のちょうど真ん中に位置するレピュブリック広場(PLACE DE LA REPUBLIQUE)。その近くにアートディレクターのフレデリックとファッションデザイナーのマグダさん、子どもたち2人の4人が住むアパルトマンがあります。アパルトマンの3階と4階の部分から成るデュプレックススタイル(メゾネットスタイル)を、自分の思うように改装するために建築の勉強までしたフレデリックさん。やっと理想的な空間になった!ということで、訪問してきました。

アパルトマンから徒歩5分のサンマルタン運河沿いの道路は車が通れないようになり、子どもたちも安心して散歩できるようになったそう (写真撮影/Manabu Matsunaga)

アパルトマンから徒歩5分のサンマルタン運河沿いの道路は車が通れないようになり、子どもたちも安心して散歩できるようになったそう (写真撮影/Manabu Matsunaga)

大人になったらパリに住みたい!という思いが叶ったアパルトマン

パリ郊外で育ったフレデリックさんは、小さいころにたびたび訪れていたパリを気に入っていました。高等教育ではデザインを専攻して兄と共にパリの1区で暮らすことになり、そのころにはいつか自分のアパルトマンをパリで!という夢を抱いていたそうです。

そんな彼は、妻のマグダさんと出会う前からパリの中心部の物件を熱心に探していたそうで、もう何軒見て回ったかわからないほど。そして13年前、ついにフランス革命以前からあるこの古いアパルトマンに出合い「恋に落ちた!」とこの物件に決めました。

立地条件の良さ、敷地に一歩入ったときの静けさ、アパルトマンの全体の広さなど、全てがパーフェクトだったそうです。フレデリックさんは、自分好みに合わせた空間につくり直すために建築も勉強したのですが、そのための”箱”として、このアパルトマンは完璧だったそう。

家族みんなでリラックスできる場所が、オープンキッチンのカウンター。蛇口や換気扇、キッチン用品全てに夫妻のこだわりが(写真撮影/Manabu Matsunaga)

家族みんなでリラックスできる場所が、オープンキッチンのカウンター。蛇口や換気扇、キッチン用品全てに夫妻のこだわりが(写真撮影/Manabu Matsunaga)

最初に購入したのは3階部分

現在は建物の3階と4階が住まいになっていますが、まずはじめに購入したのは3階部分でした。当時、パリの古いアパルトマンは小さな部屋が何部屋にも区切られていることが多く、ここも例外ではなく、1フロアが3部屋に区切られた状態でした。

玄関から入ってすぐの部分にトイレとランドリーのスペースを設けた他は、全ての壁を取り払って、オープンキッチンを中心とした大きなワンルームにしました。壁をなくすことによって、中庭に面した窓から入る光が部屋全体に行き渡り、明るい暖かなスペースに生まれ変わったそう。
「手直ししなければ住めないような状態でしたが、間取りのつくり替えから全てやり直そうと思っていたので、問題ありませんでした。中庭に面した一面は長方形の長辺部分だったため、窓がたくさんあり、とても明るいところが気に入りました」と購入の決め手をフレデリックさんは語ります。

玄関はアパートの3階にあり、入ってすぐのところにトイレとランドリースペースがある。写真の小さな棚はスカンジナビア専門の家具屋「TACK」で購入(写真撮影/Manabu Matsunaga)

玄関はアパートの3階にあり、入ってすぐのところにトイレとランドリースペースがある。写真の小さな棚はスカンジナビア専門の家具屋「TACK」で購入(写真撮影/Manabu Matsunaga)

大きなワンルームにした空間は、オープンキッチン、赤いソファと映画鑑賞をする大きなテレビがある空間、大きなテーブル(オランダのLouis van teeffelenルイ・ヴァン・テッフレンのデザイン)を配した空間の3コーナーに分かれています。「家具の中でも、椅子は購入しやすく、配置換えも楽なアイテムだと思うんです。その1脚で部屋のイメージを変えることができる。時には本を置いたり、時には子どもたちのカバンを置いたりと、座るだけじゃない万能な存在」。なるほど、このサロンには椅子がたくさんあって、ソファ以外に13脚もありました。

フランスのミッドセンチュリーデザイナーのジェラール・ゲルモンプレ(GERARD GUERMONPREZ)のソファーの赤がサロンのアクセント(写真撮影/Manabu Matsunaga)

フランスのミッドセンチュリーデザイナーのジェラール・ゲルモンプレ(GERARD GUERMONPREZ)のソファーの赤がサロンのアクセント(写真撮影/Manabu Matsunaga)

食卓の奥に置かれた50~60年代のビュッフェはスカンジナビアのもの、椅子はHelge Sibastヘルゲ・シバストのNo.8(写真撮影/Manabu Matsunaga)

食卓の奥に置かれた50~60年代のビュッフェはスカンジナビアのもの、椅子はHelge Sibastヘルゲ・シバストのNo.8(写真撮影/Manabu Matsunaga)

子どもたちが宿題をしたりお絵描きをしたりするためのテーブルと椅子も古いものだそう(写真撮影/Manabu Matsunaga)

子どもたちが宿題をしたりお絵描きをしたりするためのテーブルと椅子も古いものだそう(写真撮影/Manabu Matsunaga)

(写真左)スウェーデンのデザイナー、イングヴ・エクストローム(Yngve Ekstrom)のSibboチェアを階段の下に置いたり、チェストの横の小さな空間にイームズ(Eames)のプラスチックアームシェルチェアを配置したり。椅子使いもマネしたい(写真撮影/Manabu Matsunaga)

(写真左)スウェーデンのデザイナー、イングヴ・エクストローム(Yngve Ekstrom)のSibboチェアを階段の下に置いたり、チェストの横の小さな空間にイームズ(Eames)のプラスチックアームシェルチェアを配置したり。椅子使いもマネしたい(写真撮影/Manabu Matsunaga)

子どもが生まれたタイミングで4階部分を購入

建物の3階と4階にある現在の住まいになるタイミングは、長男のドリスくんが生まれた10年前でした。アパート内の組合連絡網で4階部分が空いたというのを聞き、即購入を決めたご夫妻。
「ワンルームの3階部分だけでは、狭すぎると感じていたときに、4階部分を購入できてとてもラッキーでした。しかも最上階で屋根裏部分もあったので、天井の高い部屋を設計するのもとても楽しかった」とフレデリックさん。この時点でアパルトマンの総面積が80平米になり、4人家族が住むには十分な広さになりました。購入してまずは3階と4階を行き来できる階段を室内につくったそう。手すりや壁のないストリップ型の階段にすることによって、3階部分の部屋に圧迫感を与えないこのアイディアは彼の自慢でもあります。

階段下のスペースの空間が開放的になるのが特徴なストリップ型に設計(写真撮影/Manabu Matsunaga)

階段下のスペースの空間が開放的になるのが特徴なストリップ型に設計(写真撮影/Manabu Matsunaga)

4階部分は全て、天井の屋根裏との仕切りを取っ払ったため六角の天井になっています。思いのほか広い! というのも、4階部分は隣の物件も買い取ったからだといいます。
4階の中央には多目的の書斎のような部屋があり、主に子どもたちとマグダさんが使っています。その横には、屋根の斜めの部分に窓を取り付けた、とても明るいバスルームがあります。

4階の小さなスペースはマグダさんがテレワークのときに仕事場として使っていたそう。現在は、子どもたちがここで勉強したり、自由に使えるスペースになっている(写真撮影/Manabu Matsunaga)

4階の小さなスペースはマグダさんがテレワークのときに仕事場として使っていたそう。現在は、子どもたちがここで勉強したり、自由に使えるスペースになっている(写真撮影/Manabu Matsunaga)

同じデスクスペースの反対側には植物がたくさん置かれている。日光が降り注ぐ部屋なので、冬は子どもたちがここで遊ぶことも多いとか(写真撮影/Manabu Matsunaga)

同じデスクスペースの反対側には植物がたくさん置かれている。日光が降り注ぐ部屋なので、冬は子どもたちがここで遊ぶことも多いとか(写真撮影/Manabu Matsunaga)

暖炉はもう使われていないが、オブジェを置き彼らの旅の思い出のものが飾られている。ここでもイームズなどの椅子が効果的に置かれている(写真撮影/Manabu Matsunaga)

暖炉はもう使われていないが、オブジェを置き彼らの旅の思い出のものが飾られている。ここでもイームズなどの椅子が効果的に置かれている(写真撮影/Manabu Matsunaga)

隣の部屋との仕切りをすりガラスにして、天窓をつけることによって明るいバスルームが出来上がった (写真撮影/Manabu Matsunaga)

隣の部屋との仕切りをすりガラスにして、天窓をつけることによって明るいバスルームが出来上がった(写真撮影/Manabu Matsunaga)

4階は、浴室を挟んで左奥にご夫妻の寝室、右奥に子ども部屋という間取り。3階同様、梁をそのまま活かしたシンプルながらも素朴な雰囲気でリラックスできる空間になったそう。
大人の寝室は、天井の高さを利用した収納があるのですが、もちろんこれもフレデリックさんの設計。取っ手部分は全て革製の特注です。

寝室のクローゼットは天井高くまで作り付けられていて、収納量の多さを誇っている。全てフレデリックさんの設計(写真撮影/Manabu Matsunaga)

寝室のクローゼットは天井高くまで作り付けられていて、収納量の多さを誇っている。全てフレデリックさんの設計(写真撮影/Manabu Matsunaga)

天井の高さを利用するというのは、子ども部屋も共通。10歳の長男ドリスくんと7歳の妹ペアちゃんは同室ながら、ドリスくんのベッドを限りなく屋根に近いところにつくることで、隠れ家的に自分の時間を過ごせるようフレデリックさんが配慮したそう。

子ども部屋はとても狭いが、兄妹が別空間にいるような配置。特にドリスくんはこのベッドが大好きだそう(写真撮影/Manabu Matsunaga)

子ども部屋はとても狭いが、兄妹が別空間にいるような配置。特にドリスくんはこのベッドが大好きだそう(写真撮影/Manabu Matsunaga)

(写真撮影/Manabu Matsunaga)

(写真撮影/Manabu Matsunaga)

子どものころからパリに住みたいと憧れ、結婚をする前からパリでアパルトマンを探し始めたフレデリックさん。まずは3階を購入してリノベーションし、子どもが生まれるのとほぼ同時に4階部分を購入し……と、家族と共に変化していった住まい。「私たちはこのアパルトマンが大好きです」と語ります。

とはいえ、子どもの成長とともに、今のアパルトマンでは近々手狭になってくるはずだとも言い、子ども部屋を2つ作ることを計画しているそう。「(子ども部屋をそれぞれ持つことは)自分の時間を持ち、成長していくには欠かせないスペースだと思うから」とのこと。
「私たちは何年もパリの中心部で暮らしてきました。でも、そろそろパリ郊外の広いスペースのある家を見つける時期に来たのかもしれないとも話しています」とフレデリックさん。
数年後には、新しい家の取材もぜひさせていただきたいと約束をしたのでした。

最後に、フレデリックさんのスマートフォンにびっしりと入っているインテリアショップ情報の中から、パリに来たらここには絶対に行ってみて!というおすすめのアドレスをお聞きしました。
「『la tresorerie』は家具、キッチン用品、ライト、リネンなどがセンスよく厳選された物がそろってます。1軒で満足できるはずです。『coin canal』はヴィンテージ家具が本当に魅力的で、頻繁に訪れています」

「coin canal」厳選されたヴィンテージ家具のお店「la tresorerie」は家具、キッチン用品、雑貨などの品ぞろえが魅力(写真撮影/Manabu Matsunaga)

「coin canal」厳選されたヴィンテージ家具のお店「la tresorerie」は家具、キッチン用品、雑貨などの品ぞろえが魅力(写真撮影/Manabu Matsunaga)

「la tresorerie」は家具、キッチン用品、雑貨などの品ぞろえが魅力(写真撮影/Manabu Matsunaga)

「la tresorerie」は家具、キッチン用品、雑貨などの品ぞろえが魅力(写真撮影/Manabu Matsunaga)

北マレの立地にあるお宅の周辺は雑多な地区ですが、最近は注目するお店も増え、フレデリックさんが引越したときと比べておしゃれエリアになりました。建物自体は階段が傾いていたり、外壁工事などが長い間続いていますが、フレドリックさんの家に入ると別世界! センスのいいインテリア、それぞれの家具にもこだわりがあり、快適な生活を楽しんでいました。

●関連サイト
coin canal
la tresorerie

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この記事のライター

SUUMO

『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。

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