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元国税芸人であり吉本芸人でもあるさんきゅう倉田さん。仕事の傍ら、受験勉強にも専念し、23年4月に晴れて東京大学文科二類に合格。
東大生たちに囲まれる暮らしが始まり、彼らの瞬時の判断力や教養、その合理性は「学ぶことばかりだ」と言います。そんな東大生たちの知られざる世界を、さんきゅう倉田さん独自の視点で語っていただきます。
前編に続き、東大生の才能と賢さに触れた出来事、そこから実感した東大の魅力についての【後編】です。
▶この記事の【前編】を読む
『東大生は19歳で経験が乏しくても最強! 大人たちが太刀打ちできない【ふたつの力】を持っている』
ぼくや彼女が座るテーブルには、それぞれのネームプレートが置いてあります。
名前が分かるだけでも、安心感があります。
自己紹介はするけれど、聞き逃したり忘れたりして、その後話しかけづらくなるので、名前が確認できると助かりますよね。
自分の催す税金サークルでも、参加者の氏名と職業をホワイトボードに書くようにしています。
ぼくのグループの中には、「海老池」さんがいました。
この授業の目的がわかり、話すことがなくなったところで、授業とは関係ないんですがと前置きしてから聞くことにしました。
「海老って、淡水にもいるんですかね」
誰が答えても良いようにみんなの顔を見て質問しました。ほとんど間をおかずに、斜め前の女の子が答えてくれました。
「海老は淡水にいますね。例えば、ヤマトエビって種類の海老がいます」
それが海老池さんでした。
海老池さんは海老に精通していました。そして、ぼくの期待を超えて種類まで答えてくれた。
人は自分の期待が良い方向に裏切られたとき感動を覚えるそうです。
小さな感動が胸の中で開くのを感じました。
ぼくと海老池さんのやりとりを聞いていた他の学生は、どうしてそんなことを疑問に思うのだろうという顔をしています。
東大生であっても、他の人の名前は覚えていません。
やはり、ネームプレートがあってよかった。
「お名前が海老池さんで、自分の中で海老は海水に棲息する生き物だったので、確認しました」
彼らは大人が40年、50年かけて得る知識を18や19歳で備えています。
そのような素晴らしい仲間に囲まれて加速度的に成長する機会が得られる、それが東大の魅力のひとつだと思います。
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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