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木材は「針葉樹」と「広葉樹」の大きく2種類に分けられます。針葉樹と広葉樹には、葉の形状の違いだけでなく、重さや強度、加工のしやすさ、用途といった違いもあります。それぞれの特徴についてご紹介していきます。
針葉樹は別名「ソフトウッド」とも呼ばれ、軽くてやわらかく、加工しやすいという特徴があります。幹が真っ直ぐに伸びる特徴から長大材が得られやすいため、柱や梁などの建築資材として使われることの多い木材です。また、その軽さ・やわらかさからインテリア雑貨や子ども向けの家具・おもちゃなどにもよく使用されています。代表的な種類は、パイン(マツ)、スギ、ヒノキなど。
広葉樹は別名「ハードウッド」とも呼ばれ、重厚で固く、高い耐久性が特徴です。傷に強いため、棚やテーブル、イスといった家具に幅広く使用されています。幹が太く複雑に曲がっているものが多いため、美しい木目が特徴で内装材にも使用されることも多い木材です。代表的な種類は、ケヤキ、ナラ(オーク)、ウォルナット、チーク、マホガニーなど。
ここからは、針葉樹の代表的な3種類の木材についてご紹介します。特徴やそれぞれの木材の適した用途についてぜひチェックしてみてくださいね。
パインとは、日本語で「マツ(松)」のこと。パインは世界で50種類以上も存在します。「パイン材」と表記されている場合は主に海外産のマツを指し、日本産のマツが使用されている場合は「地松」と表記されます。節の多いナチュラルな木目は温かみがあり、家具や床材に使われる人気の木材です。最初は明るく白っぽい色合いをしていますが、油分を多く含む木材のため、経年変化によって艶が出て深みのある色合いに変化していきます。やわらかいため傷がつきやすいという特徴もあります。
スギは、日本国内でもっとも多く植林されている木で、古くから日本人の生活を支えてきた木材です。地面から真っ直ぐに育つため、直線的で美しい木目が特徴。そのため加工がしやすく、古くから柱や床材などの建築資材として使われてきました。通気性や防水性、調湿効果に優れており、箸や桶などの身のまわりの道具類、家具にもよく使用されています。やわらかい性質のためへこみや傷がつきやすい点がデメリットです。
ヒノキは、白く光沢のある色合いと芳醇な香りが特徴で古くから高級建築資材として親しまれてきました。歴史ある神社や仏閣建築にも使用され、耐久性にとても優れた木材です。リラックス効果のある香りを持ち、耐水性にも優れ、浴槽や家具、インテリアにも幅広く使用されています。また、ヒノキには抗菌効果があるといわれ、ヒノキ製のキッチンアイテムも多数。一方で、どうしてもコストが上がってしまう点とへこみや傷がつきやすいというデメリットもあります。
次に、広葉樹の木材の特徴についてご紹介します。ケヤキやウォルナットなどの代表的な10種類の木材の特徴についてまとめました。
ケヤキは、重くて硬く、耐久性の高さと木目の美しさが特徴です。長年使い続けられる頑丈なケヤキは神社仏閣の柱として必要不可欠で、城門などにも使用されてきました。また、磨くと美しい艶がでることから仏像彫刻やお椀、お盆などの材料にもなっています。ケヤキと聞くと、赤みがかった色合いを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、個体差が大きく白や黄色のケヤキも存在します。硬さゆえに加工の難度が高いことや反りが起こりやすい点がデメリット。
ナラ(オーク)は、重厚で耐久性・耐水性に優れており、古くから家具や床材、造船の資材としても使用されてきた木材です。稀に「虎斑(とらふ)」と呼ばれるトラの毛のまだら模様に似た模様があらわれるのも特徴。ナラとオークは厳密には違う木材ですが、見た目にはほとんど見分けがつかないため、一般的には同じ種類として扱われます。ナラ(オーク)の持つ明るい色合いは、部屋を明るく演出し、北欧スタイルのインテリアとの相性もぴったり。硬い木材なので多湿や乾燥を繰り返すような環境では割れを起こしやすい特徴もあります。
ウォルナットは「世界三大銘木」にも数えられる木材です。クルミ科の広葉樹ですが、内装材や家具に使われる木材「クルミ」とは別物です。落ち着いたダークブラウンの色味と高い耐久性が特徴。へこみや傷にも強いので大型家具や床材としてもよく使われます。反りやねじれが起きにくく、ウォルナット製の家具は永く愛用することができますよ。一方で経年や紫外線によって色褪せてくるデメリットもあり、ダークブラウンの色味がお好みの方は、定期的なケアが必要となってきます。
チークもウォルナット同様に「世界三大銘木」と呼ばれる木材です。耐久性・耐水性に優れており加工もしやすいため、テーブルの天板などさまざまな家具に使用されてきました。油分を多く含むため摩擦にも強く光沢のある美しい艶も魅力です。経年変化によって「ゴールデンチークカラー」とも呼ばれる黄褐色に変化し、ヴィンテージ調やレトロな部屋にマッチします。世界的に人気の木材ですが、希少性が高いため使用された家具やアイテムは高価になる傾向に。
マホガニーとは、ウォルナット、チークと並ぶ「世界三大銘木」のひとつです。赤みのある深い色合いが人気で、磨けば磨くほど艶を増す木肌は経年によりさらに濃い褐色へと変化。耐久性や加工性が高く大型家具から楽器に至るまで幅広く使用され、高級感のある見た目に仕上がります。最大の特徴は「リボン杢」と呼ばれる木目。光を受けると縞模様が浮き出る姿は他の木材にはない魅力です。希少性が高くマホガニー製のアイテムは高価になる傾向もあります。
タモは均一にあらわれる木目とナチュラルな色合い、滑らかな肌触りなどが特徴です。弾力性と硬さをあわせ持つため野球のバットやスキー板にも使用されています。永く愛用できる家具を探している方は、頑丈なタモ材のものを選んでみるとよいでしょう。タモ製の家具やインテリアは和洋どちらのテイストにも馴染むナチュラルな見た目で、部屋を温かみのある空間に演出してくれます。一方で、硬く頑丈ゆえに加工がしづらく、複雑なデザインには不向きな木材です。
クリ(チェスナット)は、経年とともに深みを増すやさしい色合いと、くっきりした木目が特徴的な木材です。ところどころに波のような木目があらわれるのもクリ材ならでは。その木目の美しさと頑丈さからテーブルの天板や床材にもよく使用されます。湿気にも強いため、水回りに使う木材としても人気。硬いため加工がしづらく、彫刻や工芸品の素材には不向きです。
アルダーは、硬く頑丈な広葉樹の木材の中でも比較的やわらかく、加工しやすい木材です。そのため、楽器や彫刻といった複雑なデザインへの加工にも適しています。アルダーは木目や節が目立ちにくい特徴を持っており、家具やインテリアをやさしい雰囲気にしてくれます。はじめは白く明るい色合いですが経年とともに深みのある茶色へと変化。水や衝撃に弱いため、永く愛用するにはこまめなお手入れが必要です。
サクラは、褐色系の温かみのある色合いと目の詰まった細かい木目が特徴です。上品な艶があり、部屋に落ち着きを与えてくれます。「サクラ材」とはヤマザクラを指すことが多いですが、必ずしも桜の木であるとは限らず、カバ材など特徴の似た他の木材を総称しています。手触りがよく、水に濡れても毛羽立ちにくいためカトラリーや水回りの建築資材としても人気です。他の広葉樹の木材と比べてやや傷がつきやすいデメリットもあります。
ラバーウッドは別名「ゴムの木」と呼ばれる木材です。天然ゴムの原料になる樹液が採れる、主に東南アジアに生育する広葉樹。ラバーウッドは手触りがとても滑らかで、テーブルの天板としても人気です。また、他の木材に比べて安価に手に入るためコストを抑えて木製家具やインテリアを取り入れたい方にもおすすめ。強度や耐久性が高い木材ではないため、さまざまなサイズの木材を集めた集成材としてよく加工されます。
木材には3つの加工方法があります。よく家具や作品の説明で見かける「無垢材」「集成材」「合板」といった方法について理解を深めていきましょう。
「無垢材」とは、丸太から切り出してそのままの状態の木材のこと。加工されていないので、本来の質感や温かみ、木目の美しさなどを楽しめます。また、接着剤を使っていないので化学物質が含まれていないのも特徴です。ホームセンターにDIY用の木材を買いに行くと「SPF材」という表記を目にします。SPFも無垢材であり、北米産の3種の針葉樹「スプルース」「パイン」「ファー」から切り出されるため頭文字をとって名付けられました。SPFはやわらかく加工がしやすいのでDIYにぴったりな木材です。
「集成材」とは、小さく切り分けた木材を接着剤で貼り合わせて加工した木材のこと。節や割れなどの欠点を取り除いた木材同士を接着して成形されるため強度や品質の高さが特徴です。割れや反りも起こりにくく、無垢材と違い、厚さや幅、長さなど種類も豊富。比較的安価に手に入れられるうえに加工もしやすいため、DIY初心者にはとくにおすすめの木材です。
「合板(ごうはん)」とは、丸太を薄く剥いでつくった板(ベニヤ板)を木目が交互になるように何枚もあわせて積層した木材のこと。何層にもなっているので、薄さや重さのわりに強度が高いという特徴があります。重ねるベニヤ板の枚数によって厚みを調整できるため、厚みの種類も豊富。比較的安価に手に入れることができる木材でもあります。合板の木材は、重ねる木材の種類ごとに特徴が異なります。主な合板の種類は以下の通りです。
「世界三大銘木」とは、広葉樹の「ウォルナット」「チーク」「マホガニー」のことを指します。優れた加工性と木肌や木目の美しさを兼ねそなえた、世界中で認められている良質な木材です。世界的に有名で希少性が高く、とくにチークやマホガニーの家具は手に入りにくくなっています。
ここからは、minneで見つかる木材を使ったユニークな作品をご紹介します。使用される木材の種類やデザインに注目してみてくださいね。
ヒノキの香りを楽しめるナチュラルなデザインのマスクケース。生活感の出やすいマスクをおしゃれに収納できる作品です。靴箱の上や玄関のサイドテーブルにぜひ。
ウォルナットと本革を組み合わせた、格式高さを感じるペアリングケースです。蓋のウォルナットにはイニシャルや記念日を彫刻可能。想い出のリングを特別なリングケースで保管してみませんか。
ケヤキやサクラ、クリといった無垢材からお好きな種類を選んでオーダーできる置き時計。木の温かみと丸いフォルムに心がほっこりする作品です。仕事用デスクにもぴったり。
ナラ・サクラの明るい色合いとやさしいフェルト素材は相性抜群。ついつい仕事で気を張ってしまうシーンでも、デスクまわりをほっこりと彩ってくれる小物入れです。複数使いもおすすめ。
寝室ややすらぎのスペースにぴったりな木製のランプシェード。木製のシェードから照らされるやわらかい光が魅力です。コンセント接続なのでお好きな場所に気軽に設置できます。
国産スギを使用したスツールです。釘やネジを使用せず「木組み」工法でつくられたパズルのようなデザインがおしゃれ。ひとつあるだけで温かみのある空間に演出してくれるアイテムです。
メープル、ウォルナット、アルダーなど北欧産の木材5種を使用したドロワー。ビスケットをモチーフにした温かみのあるデザインで、それぞれの木材の色合い・木目の違いを楽しめます。
頑丈な国産のクリの木を使用したボックスは、モノの収納や野菜の保存、ガーデニングの用具入れなど使い道いろいろ。クマのブランドロゴがおしゃれなアクセントに。
最後に、木材に関するよくある質問にお答えします。ぜひDIYの木材や家具選びの参考にしてみてくださいね。
DIYには、やわらかく加工のしやすい木材が適しています。また、湿度や水分に強く歪みの少ないものを選ぶとよいでしょう。特に、DIY初心者の方には加工しやすく安価な集成材がおすすめ。他にも、SPF材、合板もホームセンターで手に入りやすくDIYにおすすめの木材です。
わたしたちが普段見かける家具にはさまざまな木材が使われています。パイン(マツ)、タモ、ナラ(オーク)、アルダー、ラバーウッドなどが代表的。その他、世界三大銘木と呼ばれるウォルナット、チーク、マホガニーも、家具に使われることの多い世界中で認められている良質な木材です。
ホームセンターで買える木材には大きく3つの種類があります。丸太から切り出したままの「無垢材」。小さい木片を接着した「集成材」、ベニヤ板を重ねて貼り合わせた「合板」です。無垢材はSPF材やホワイトウッド、集成材はパイン集成材、合板はラワン合板やランバーコア合板といった種類がホームセンターで手に入りやすい木材です。
適した用途や見た目など、それぞれに異なる特徴をもった木材たち。minneにはさまざまな木材を使用した作品がそろっています。自分好みの木目を持つものや永く愛用できるものなど、木材の特徴を知ってお気に入りの作品を探してみてくださいね。
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