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さんきゅう倉田さんは、オトナサローネでの連載をまとめた書籍(電子)『お金持ちがしない42のこと』がロングセラー人気の、元国税芸人であり吉本芸人でもあります。この3年間は仕事の傍ら、受験勉強にも専念する多忙な日々を送り、23年4月に晴れて東京大学文科二類に合格。各メディアで大きく報道され、話題になりました。
東大生たちに囲まれる暮らしが始まり、彼らの瞬時の判断力や教養、その合理性は「学ぶことばかりだ」と言います。そんな東大生たちの知られざる世界を、さんきゅう倉田さん独自の視点で語っていただきます。
東大生が本を読む理由についての【後編】です。
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海外経験がなくても英語の成績が抜群にいい東大の友人。高一から読んでいるという英語の本とは?
「この本面白いよ」と彼が薦めてくれる書籍はすべて学術書だ。唯一やや実用書寄りだと感じたものでさえ、ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』だった。言わずと知れたベストセラーだが、彼はこれを高校生のときに読み終えている。
それ以外にも書籍を勧めてくれるが、哲学書か英語の学術書でどれも読む気にならなかった。彼の読書経験は東大入試の国語でも遺憾無く発揮されただろう。問題文に現れる哲学用語や学術用語は、慣れていない者では意味がわからず読解を阻むが、彼に東大文系入試の国語の問題を見せたところ、速やかに内容を理解していた(彼は理系で、理系と文系では国語の問題がやや異なる)。
東大入試国語の難解な文章を正しく理解して読み解くためには、日常的な学術書の精読が有効だと感じる。
さて、英語も国語の読解も得意な彼が先日「本を読む理由」について持論を展開していた。

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「本を読む理由って2つしかないじゃん。娯楽として読むか、必要な情報を得るために読むか」
彼がこう言ったとき、ハッとした。自分が考えていたことと全く同じだったからだ。ぼくが30代中盤になって言語化したことを、彼は18歳で成していた。
目の前にいた他の東大生は静かに頷くだけだった。おそらく、同じように考えてはいなかったが、納得したのだろう。
高校生のときにたくさんの本を読み、自分が読書に対してどのような目的を持っているのか一般化して、先ほどの発言に結びついたはずだ。
彼のように気付き、その考えをまとめることができる大人がどれほどいるだろうか。
自分のできないことができるとき、自分が30代になって辿り着いた結論を18歳時点で持っているのを目の当たりにしたとき、東大生の凄みを感じる。
そうやって彼らに敬意を払い学ぶ姿勢を持つと、大学は永遠に楽しい。だから、学び直しのために大学に行くのであればどこでもいいわけではない。学ぶことができる場は講義だけではないのだ。サークルや友人たちからも学ぶことができる。それもおおいに。
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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