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東京の主要路線の一つ、JR中央線。中央線自体は「中央本線」と呼称を変えながら東京駅を出てから神奈川県、山梨県、さらに長野県へとつながる長い路線だ。そのうち東京都内に位置する駅は、東京駅から高尾駅までの全32駅。そんなJR中央線・東京都内32駅の中古マンションの価格相場を調査した。専有面積50平米以上~80平米未満のカップル・ファミリー向け物件の、価格相場を安い駅順にランキングした結果がこちら!
JR中央線沿線(東京都内)の中古マンション価格相場が安い駅ランキング順位/駅名/価格相場/駅所在地
1位 西八王子 2824.5万円(東京都八王子市)
2位 日野 2980万円(東京都日野市)
3位 豊田 3930万円(東京都日野市)
4位 八王子 3950万円(東京都八王子市)
5位 国立 4480万円(東京都国立市)
6位 西国分寺 4730万円(東京都国分寺市)
7位 国分寺 4980万円(東京都国分寺市)
7位 立川 4980万円(東京都立川市)
9位 武蔵小金井 5499万円(東京都小金井市)
10位 東小金井 5540万円(東京都小金井市)
11位 高円寺 5985万円(東京都杉並区)
12位 西荻窪 6515万円(東京都杉並区)
13位 武蔵境 6630万円(東京都武蔵野市)
14位 阿佐ケ谷 6980万円(東京都杉並区)
15位 三鷹 7195万円(東京都三鷹市)
16位 大久保 7280万円(東京都新宿区)
17位 中野 7680万円(東京都中野区)
18位 東中野 7698万円(東京都中野区)
19位 荻窪 7780万円(東京都杉並区)
20位 新宿 8500万円(東京都新宿区)
21位 吉祥寺 8635万円(東京都武蔵野市)
22位 御茶ノ水 8990万円(東京都千代田区)
23位 水道橋 1億180万円(東京都千代田区)
24位 飯田橋 1億890万円(東京都千代田区)
25位 信濃町 1億980万円(東京都新宿区)
26位 四ツ谷 1億990万円(東京都新宿区)
27位 代々木 1億1360万円(東京都渋谷区)
28位 市ケ谷 1億1500万円(東京都千代田区)
29位 千駄ケ谷 1億2700万円(東京都渋谷区)
※東京駅、神田駅、高尾駅は調査条件に満たないため除外
東京駅や新宿駅など、東京を代表する駅が沿線に並ぶJR中央線。毎年調査する「SUUMO住みたい街ランキング 首都圏版」でも、2018年より6年連続で「住みたい沿線ランキング」の4位に輝く人気の路線でもある。それだけに沿線の物件価格も高そう……。東京駅から離れると価格も下がりそうだが、果たしてリーズナブルに住まい探しができる駅はどこなのかを調査してみた。
西八王子駅北口(写真/PIXTA)
最も中古マンション(専有面積50平米以上~80平米未満)の価格相場が安かったのは、八王子市に位置する西八王子駅で価格相場は2824万5000円。JR横浜線やJR八高線も乗り入れる八王子市の中心地、4位・八王子駅(価格相場3950万円)に比べると、西八王子駅周辺は落ち着いた住宅街の趣がある。とはいえ線路を挟んで北側にも南側にもスーパーやドラッグストア、気軽に利用できるチェーン系の飲食店が複数あり、暮らしやすそうな街並みだ。
西八王子駅から歩いて20分弱の場所に八王子市役所があるのも何かと便利だろう。1駅隣の八王子駅に出れば大型のショッピングモールも利用できるほか、駅から北に車で15分ほどの場所に「イオンモール八王子インターチェンジ北(仮)」が2025年春に開業予定という嬉しい情報も。また、通勤時間帯の7時台~8時台はJR中央線快速が10分未満の間隔で運行されており、新宿駅まで約56分、東京駅まで約1時間11分で行くことができる。新宿駅の価格相場(20位・8500万円)と見比べると、この程度の所要時間であれば都心部に通勤する人にとっても西八王子駅は住まいの候補地としてアリではないだろうか。
市民の森スポーツ公園(写真/PIXTA)
2位には日野市の中心部にある、日野駅が価格相場2980万円でランクイン。駅周辺には市役所や市立図書館、広々とした「市民の森スポーツ公園」、トレーニングルームを備えた「市民の森ふれあいホール」といった市の施設が点在。新選組の副長・土方歳三の出身地としても知られ、駅から徒歩15分圏内には「新選組のふるさと歴史館」や、新選組の隊員たちが稽古に励んだ剣術道場があった甲州街道・日野宿本陣の建物も。そうした歴史を伝える施設を抱える街ではあるが、駅前には複数のスーパーやドラッグストアもあり住宅地らしい雰囲気。駅から北に10分ほど歩くと多摩川の河川敷に出るので、息抜きにのんびりと散歩をするのも気持ちよいだろう。
豊田駅北口(写真/PIXTA)
3位にランクインしたのは、1位・西八王子駅と2位・日野駅の間に位置する豊田(とよだ)駅。こちらも日野市に位置しているが、価格相場は日野駅よりもグッと上がって3930万円。豊田駅南口側では街の再整備が進行中で新築マンションも誕生しており、そうしたことも価格相場に影響しているかもしれない。駅の北口側には、食料品店はもちろんグルメやファッション、生活雑貨、家電など多彩なショップがひしめく「イオンモール多摩平の森」があり、たいていの買い物はここで済ませられるだろう。大規模な新築マンションも登場している。また、東京方面行きのJR中央線快速は豊田駅始発の便もあり、座って通勤・通学できる点も魅力。新宿駅まで50分弱、東京駅までは1時間少々で行くことが可能だ。
実は新宿駅より武蔵野市のアノ駅のほうが価格相場が高いと判明JR中央線で最も東京駅から離れている高尾駅は今回ランク外となったが、高尾駅から東京方面に進むと西八王子駅(1位)~八王子駅(4位)~豊田駅(3位)~日野駅(2位)という順で駅が続いている。つまりトップ4には高尾駅に近い4駅がランクインしており、「東京駅から遠いほど価格相場が安そう」というイメージ通りの結果だろう。5位以下もおおむね価格相場は高尾駅に近い駅ほど安く、東京駅に近づくほど高くなっている。そんな傾向があるなかで異色の存在と言えるのが、21位の吉祥寺駅だ。
吉祥寺駅(写真/PIXTA)
武蔵野市に位置する21位・吉祥寺駅は高尾駅から13駅目、東京駅からだと18駅目。にもかかわらず価格相場は8635万円で、東京駅から10駅目の20位・新宿駅(価格相場8500万円)よりも高い結果となったのだ。吉祥寺駅は「SUUMO住みたい街ランキング2023 首都圏版」では前年調査に引き続いて2位に選ばれており、JR中央線沿線の駅では一番人気の街。特に「夫婦+子ども世帯」からの支持が高く、まさに今回調査した「カップル・ファミリー向け物件(専有面積50平米以上~80平米未満)」の購買層に人気があると言えよう。そんな需要の高さが、価格相場にも表れたようだ。
吉祥寺駅にはJR中央線のほかに京王井の頭線が乗り入れ、駅周辺は東京多摩地区でも屈指の繁華街。駅ビル「アトレ吉祥寺」をはじめとする大型商業施設からアーケード商店街の「吉祥寺サンロード商店街」「吉祥寺ダイヤ街」、さらに細い路地にまで多彩なショップや飲食店がひしめき、多くの人でにぎわっている。一方で駅から南に5分も歩けば「井の頭恩賜公園」へ。ボートが浮かぶ池をたたえた園内は緑豊かで、駅前の喧騒を忘れる憩いの空間。隣接地には動物園や遊具広場がある「井の頭自然文化園」や、「三鷹の森ジブリ美術館」もある。商業エリアや公園の周辺には静かな住宅街が広がり、都会的な便利さも、のどかな環境も兼ね備えている点が吉祥寺の人気の理由かもしれない。
もう1駅、杉並区にある11位・高円寺駅にも注目したい。駅の立地としては14位・阿佐ヶ谷駅(価格相場6980万円)と17位・中野駅(同7680万円)に挟まれているが、高円寺駅の価格相場は5985万円と両隣の駅と比べてだいぶリーズナブル。JR中央線の快速は平日のみ停車する駅ではあるが、それは阿佐ヶ谷駅も同様だ。JR中央線快速に乗れば新宿駅まで約7分、東京駅まで約22分という近さでありながら、周辺駅よりも価格相場が安い高円寺の駅周辺の様子を見てみよう。
高円寺駅前、高円寺純情商店街(写真/PIXTA)
高円寺は駅周辺で毎年8月に「東京高円寺阿波おどり」が開催される街として知られ、駅の発車メロディーも阿波おどりのおはやしをアレンジしたもの。北口の「高円寺純情商店街」、南口の「高円寺パル商店街」をはじめ駅周辺には複数の商店街が広がり、食料品店から若者に人気の個性的なお店まで多彩な店舗が軒を連ねている。2020年には高円寺駅~阿佐ヶ谷駅間の高架下に「al:ku(アルーク)阿佐ヶ谷」が誕生。カフェやベーカリーのほかに幼児園や体操教室など子ども向けの施設も入っているのは、ファミリー層が暮らす街らしいところだろう。
人出も多くにぎわいがあるが、大型の商業ビルではなく小規模店舗が並ぶ街なので親しみやすい下町風情が漂う。都心に近いわりには価格相場が控えめで、地元民に親しまれる商店街が元気な高円寺はJR中央線沿線の穴場駅と言えそうだ。
さて今回調査したJR中央線では、東京駅~大月駅(山梨駅)間を走る快速列車に2階建てグリーン車を導入する計画が進行中。2024年度末以降の導入予定で、現状の10両編成にグリーン車2両を連結するのだとか。運賃とは別にグリーン車料金が必要だが、先ごろ報道公開された車両内部を見るとリクライニングシートにコンセントも付いてなかなか快適そう。JR中央線快速は混雑率が高い路線だが、グリーン車を利用すれば確実に着席できるのが嬉しいところ。導入後はさらに、「住みたい街」としてJR中央線沿線の人気が高まりそうだ。
●駅順の価格一覧
※東京駅、神田駅、高尾駅は調査条件に満たないため除外
●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている中央線沿線の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数35年未満、敷地権利は所有権のみ
専有面積50平米以上80平米未満
【データ抽出期間】2023/4~2023/9
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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