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現在、38歳。4月から東京大学に通っていて、職業は芸人をしている。今、ぼくは東京大学の1年生として勉学に勤しんでいるが、子どもの頃から勉強が得意なわけではなかった。
学校の成績が悪くとも、テストで良い点が取れなくとも、論理的思考が優れていれば東京大学合格の希望は断たれない。今回はそんな話の【後編】。
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高校になると、成績は絶対評価でつけられた。絶対評価とは、集団内の順位にかかわらず、個人の能力に応じて評価する評価方法のことだ。
中学時代、相対評価のせいでどうせ勉強をしても成績が伸びないと思っていたぼくは、テスト前でも全然勉強をしなかった。
だが、高校に入ってから定期テストを何度も受けていると、どうやら良い点数を取るとそれがそのまま成績に反映されることに気づいた。3年になるころには、5段階で保健体育以外5だった。
やればやっただけ成績は伸びると気づいたが、大学受験をしようとは思わなかった。
11月に内部進学の試験を受ければ日本大学に行けるのだ。有名な大学だし、日本で一番学生が多いらしい。日本大学でいいだろう。クラスの95%が11月で受験を終えているのに、2月の末まで頑張るなんて考えられなかった。
ぼくは日本大学理工学部建築学科に進学した。
日本大学は全国に多くの付属校をもっていて、建築学科にもたくさんの内部進学者がいた。彼らと一般受験の学生との間には明確な学力の差があった。
大学に入るとみんな勉強しない。講義には出席するが、テスト勉強を頑張ることはない。良い成績を取ろうとも思っていないし、他人の成績も気にならない。
それでも内部進学者の成績は総じて高かった。ぼくは内部進学せず、大学受験をすればよかったと思い始めていた。
大学を卒業して東京国税局に入った。内部事務や法人税の税務調査をしたが、成果は悪くなかった。しかし、仕事と学歴に相関があると思っていなかったので、特段の発見や驚きはなかった。
退職して吉本興業に入り、5年ほど経って仕事をもらえるようになると、様々な学歴の人と出会った。
人数が多い割に日本大学の人とはほとんど出会わず(社長には多かったけれど)、GMARCHや関関同立、早稲田、地方の国立大学を卒業した人たちと一緒に仕事をした。学歴など聞いたことはないが、Facebookでの友達申請か自己申告によって知らされる。
そうすると、学歴と仕事の能力には相関があるかもしれないなと思い始める。さらには、「ぼくの方が合理的かつ速やかに仕事ができることが多いな、もしかしたらぼくは勉強ができるかもしれない」、そう思うようになった。
ぼくは仕事の中で相対的な自分の学力を計り、東京大学に合格する可能性を感じたのだ。
学校の成績だけが子どもの学力ではない。子どもの真の学力には親も本人も気づかない。だから、諦めずに勉強を続けてほしい。
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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