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メガバンクで働く早苗さん(仮名・40歳)。新任の次長、清人さん(仮名・45歳)の家に、ひとりで遊びに行くことになりました。麻布十番の高級マンションで、都会の眺望に感動する早苗さんですが、リビングのテレビボードの下に、あるものを見つけてしまい……
激動の後編をお送りします。
「彼女を襲った衝撃とは??」
「テレビボードの下にはホラー映画のDVDが、ずらりと並んでいました」
数本でしたら、大した違和感はありません。しかし、並んでいる数十本に渡るDVDは、全てホラー作品でした。
「純粋に怖い作品というよりは、人が大量に死ぬ、スプラッタものばかり。予告編ですら、グロくて直視できなかったものばかりでした」
もともとホラーが苦手だった早苗さん。凍りついている彼女をよそに、清人さんは淡々と話を続けます。
『この部屋で、明かりを消して、TVを観るのが好きなんです』と。
『それって、暗すぎないですか?』と彼女が聞くと、彼は答えました。
『この部屋からは、夜景が綺麗に見えるんですよ。そのお陰で電気をつけなくても、それなりに明るいんです』
しばしの沈黙の後、彼は続けました。
『…実際にお見せしたいですね。夜景が鮮やかになる夜まで、僕と一緒に待ってみますか?』
早苗さんは、こう振り返ります。
「いつもの私でしたら、理性と常識に従って断っていたでしょうね。でも普段から清人さんが気になっていたことに加えて、並んでいるスプラッタ映画をみたせいで、『彼ってもしかしてサディストなのかな』とか、危険な好奇心がわいてしまって……」
彼女は無意識に、頷いていました。
『では、こちらの部屋をご案内しますよ』と、清人さんは静かに言いました。
そして、彼女の手を引いていきました。
彼に連れて行かれた先は、寝室でした。
「いよいよ寝室へ。しかし、そこで見たものは……」 次ページ
『いつも物欲しそうに僕を見ていたのは、気づいていました』
清人さんは、いつもと変わらない口調で、淡々と続けます。
『僕とこうして二人きりになるのを、お望みだったんじゃないですか?』
早苗さんは、勇気を出して言いました。
『あ、あの大量のホラー映画は何なんですか?』
『あれですか……』
無表情の中に、少し気まずそうな色が浮かびました。
『あれは、前の職場の後輩が、大量に送りつけてきたんですよ』
どうやら、後輩が同棲相手から「こんなもん置くな!」と怒られたことがきっかけだったそうです。
「俺には捨てられないから、持っていてください。次長の家広いでしょう」と言われたとのこと。
早苗さんは、それを聞いて安堵しました。そのまま彼と抱き合い、無言でキスをして、ベッドに倒れ込みました。
しかし清人さんのものを見た時、早苗さんは、ホラー映画以上の恐怖に襲われることになったのです。
「彼女を襲った恐怖。二人の末路は?」
「次長のものは、とんでもなく大きかったんです。男性向けの作品では、男性器が大きいほど、女性は喜ぶ描写がされがちでが、そんなことないですよね。ただ痛いだけだし、それこそ『普通が一番』なんですよ」
清人さんも、自分のものが大きすぎることを気にしているようでした。
「彼は痛くないように、優しく愛撫してくれてました。だいぶ濡れてはいたんですけど、やっぱり挿れられると、かなり痛かったです」
行為を終えてリビングに戻ると、東京の夜景が綺麗に輝いていました。そこだけが非日常のようで、キラキラと輝いています。
「彼とまたしたいとは、思わないです。気持ちよくなかったわけじゃないけど、痛みの方が大きくて」
帰り際、玄関へ続く廊下を歩いていると、寝室のドアが少し開いたままになっていました。
「最初に寝室に入った時、電気は消えていたんです今は廊下の明かりのおかげで、枕カバーの柄まで、はっきりよく見えました」
枕カバーは、茶色と黄色の水玉模様。いかにもニトリで買ったような、普通すぎる枕カバーでした。
「ちょっとダサくて、なんだか笑えてきちゃいました。やっぱり次長も私も、普通のままが一番です。『普通じゃないこと』をしてみたおかげで、気付くことができました」
早苗さんは足取り軽く、家に帰って行きました。都心でもないタワマンでもない、郊外の愛すべき『普通』の我が家に戻るために。
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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