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阪神・淡路⼤震災から24年。被災を知らない世代も増えているが、ベビーカレンダーが「災害・防災」に関する意識調査の結果をリリースした。非常用食品や飲料水を備蓄している家庭が多いものの、赤ちゃんのいる家庭では、災害時の備えも異なるようだ。詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「『災害・防災』に関する意識調査」を実施/ベビーカレンダー災害への備え、命を守る住まいの対策を重視しよう
この調査結果を見ると、災害に対する意識が高まったきっかけで多いのは、大規模地震などの甚大な被災だ。1番多いのが「東日本大震災」の69.2%で、3番の「西日本豪雨」(41.8%)や5番の「大阪府北部地震」(26.0%)などが続く。
そんな中で、2番目に多かったのが「妊娠や出産」の51.5%だ。子どもの誕生によって守るべき命を授かることが、災害への意識が高まるきっかけになるという点は興味深い。
災害への備えや対策をしているかどうかでは、「備えている」が58.9%と約6割。逆に言うと、「備えていない」家庭が4割もいることになる。
「備えている」という6割が実践している備えや対策としては、「⾮常⽤⾷品・飲料⽔を備蓄している」(82.8%)、「非常用に携帯ラジオ・懐中電灯・医薬品などを準備している」(61.9%)、「非常用持ち出しバッグを準備している」(53.6%)がTOP3となった。
しかし、よく考えてほしい。避難生活で必要なものも大切ではあるが、地震によって命が助かってこそ必要になってくるものだ。命を守るためには、「耐震性のある住居に住んでいる」(35.5%)や「家具・家電などを固定し、転落・落下を防⽌している」(27.7%)が大切なので、もっと実施率を上げてほしいと思う。
また、甚大な災害の場合は生活を再建するのも大変だ。「地震保険に加入している」(38.5%)もまだ低いことも気になる。自分の住む住宅が損壊する可能性は高くはないが、遭遇した場合の被害は極めて大きい。そのための備えは、お金をかけてでもしておきたいものだ。
赤ちゃんのいる家庭が特に備えるべきこととは?さて、赤ちゃんのいる家庭は、特別な備えが必要なのだろうか?
もちろん、ベビーベッドなど赤ちゃんがいるところに、物が倒れたり落ちてきたりしないような場所を選んだり、倒壊・落下防止策を取ったりすることが重要だ。赤ちゃんの場合は、ちょっとした物の倒壊・落下が命取りになる。
合わせて、避難生活で赤ちゃんのためのライフラインを確保することも大切だろう。
災害時の持ち出し用として特別に準備しているものとしては、「紙おむつ/パンツ」(58.1%)、「おしりふき」(54.1%)、「粉ミルク」(30.6%)が上位に上がった。一方、「特に用意していない」も33.3%と多いが、上位に挙がったものは普段から持ち歩くものなので、常にセットしているという背景もあるようだ。
妊娠・育児中に被災した経験のあるママ・パパに「災害時にあって良かったもの、あったら良かったもの」を聞いたところ、基本的な食料や飲料の備蓄のほかに、「カセットコンロ」「自家発電機」「赤ちゃん用の水」「液体ミルク」などが挙がったという。
被災した場合、電気やガス、水道などのライフラインが途絶えることが問題になる。水を沸騰させて湯冷ましにすることができないので、赤ちゃんのライフラインと言える授乳が難しいという背景があるのだろう。
筆者は「液体ミルク」というものがあることを初めて知ったが、常温で保存ができ、哺乳瓶に入れてそのまま飲ませることができるのだという。
ベビーカレンダーでは「ママたちの乳児用液体ミルクに関する意識調査」も実施しているが、液体ミルクを使ったことがあるのは、まだわずか4%。液体ミルクを使ってみたいのは、「災害用の備蓄、避難グッズとして」が58.8%と最多だったということだ。
甚大な災害が起きる確率が高まっている。必ずしも自分の家が被害に遭うとは限らないが、被害に遭ってしまった場合は命や財産を奪われる危険性がある。後悔することのないように、日ごろから備えを怠らないでいてほしい。
住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナルこの記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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