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物価は上がる一方なのに、毎月の給料はなかなか上がらない。今後のために資産形成してみたいけれど、いったい何をやったらベストなのかがよく分からない…。
そう迷ったときに是非読みたい!『さわかみ投信株式会社』の設立である澤上篤人さんの著作『一生安心したいから「大人女子、投資始めます」』から、今回は抜粋でお届けします。
どこに投資したらいいのかわからないから、とりあえず銀行や郵便局の口座に余裕資金を入れている、そういった人たちは少なくないと思います。
これは本当にもったいないことです。現在、預貯金の金利は0・001%ほどという低さです。なので、ほとんどゼロのようなものです。昔の人は余分なお金をタンスの引き出しや壺に入れて大事に持っていました。利子もつかず、ただ貯め込むだけでした。それが昔の人々の財産づくりで唯一の方法だったのです。預貯金しかしていない人は、この現代にそれと似たようなことをやっているのです。
「タンス預金とは違って、火事で燃えないし、泥棒にもとられないから、まだましだ」という意見もあるでしょう。銀行に預けておけば、いつでも引き出せるという考えですが、必ずしもそうでない場合もあるので、用心したほうがよいのです。
普通預金や定期預金などは、ペイオフといって、1金融機関ごとに合算して1000万円まで、元金とその利子は保護される預金保険制度があります。どこかの銀行が破綻して、顧客が自分のお金を取り戻そうと銀行に押し寄せたら、現金を渡さなければなりません。しかし銀行には十分な現金がない。そんな場合は、国、日本銀行、金融機関が出資している預金保険機構という組織から資金が提供されるのです。
いざというときに備えて、この機構にはお金がプールされていますが、その金額は5兆4000億円でしかないのです(2023年3月現在)。一方、個人預貯金の残高は1000兆円ちょっと。そのうち、ゆうちょや農協・漁協系の預貯金を差し引いて、銀行預金だけだと700兆円台の半ばぐらいになります。
700兆円台半ばの預金に対し、5兆4000億円の資金プールでは、本当にわずかな金額です。もし複数の銀行がつぶれてしまったりすると、プール金が不足して、預金を保護してもらえなくなるかもしれません。また国の政策で預金封鎖が行われる可能性もゼロではありません。預金封鎖になると、ATMや銀行窓口でお金を下ろせなくなります。
そのような事態に出くわすなんてことは、ちょっと考えられないかもしれません。でも長い人生、何が起こるかわかりません。何が起こっても、大丈夫と安心できるのが本当の資産なのです。
クレジットカード代金の引き落としや、近々つかう予定のあるお金など、決済に必要な資金は普通預貯金に入れておいてもよいのですが、老後資金のような大切なお金は、何があってもなくならない安心できる場所に置いておくことが重要です。
次のページへ▶▶預貯金より安全にお金を保管できる「3つの場所」とは?
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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