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お金のことで困っている、あるいは、悩んでいる女性は大勢います。ついつい無駄遣いをしてしまう方もいますし、節制しているけれどお給料が低くてにっちもさっちもいかない方もいるでしょう。まっすぐに生きているのに、積極的に騙してくる人間と出会うこともあります。先日、女性を狙った詐欺師が逮捕されたという報道がありましたが、InstagramなどのSNSを使い、「簡単に儲かる」「だれでも儲かる」「楽して儲かる」というふれこみで接触してくるようです。
そういう詐欺は、お金の流れが分かっていて、欲に駆られなければ防ぐことができます。しかし、純粋な乙女心を利用した詐欺は、賢く、清廉でも実を守ることができません。残念ながら騙されてしまった人の経験から学ぶしかないのです。
今回は、年上の男性に騙されて、貯金をすべて失ってしまった女性に話を聞きました。
34歳のAさんは、婚活パーティで45歳の詐欺師と知り合いました。清潔感があり、ブランド物のスーツを着て、顔も昭和の俳優さんのようだったので、彼から声をかけられたときは、高揚したそうです。
何度かデートをして付き合うことになりました。月に1回くらいしか会えなかったけれど、自分にはもったいなくらいの男前で、10年間ウイスキーでうがいをし続けたのではないかと思うほどのしゃがれ声もAさんの好みでした。
しかし、1年ほど経った頃、待ち合わせに遅れてきた詐欺師は「財布を落とした」と言うのです。
財布を落とした。どうしよう。現金がかなり入っていた。自分のお金ならいいんだけど、会社の経費が入っていたんだ。あのお金がないと、横領したと思われてしまう。免許証もキャッシュカードもクレジットカードもすべて落とした。俺はおわりだ。家賃も払えない。社会的信用も失ってしまう。
Aさんはいくら必要なのか尋ねました。詐欺師は、「200万円だ」と言います。どうして、そんなに必要なのか疑問に思いましたが、愛している彼を疑うには至らず、家に帰り、通帳と印鑑を持って銀行へ行き、貯金の全額である150万円を渡しました。
ありがとう。本当にありがとう。君はいつもかわいいね。君がいなければ、俺はおわっていた。助かった。かわいい。君はかわいい。どうしてもっと大事にしなかったんだろう。これからはもっと大事にする。3週間以内には返せると思う。来週の俺の誕生日は、祝ってくれなくて大丈夫だ。君も俺に貸したから金が無いだろう。君の気持ちだけで十分だ。君はかわいい。
Aさんが一週間後に「お誕生日おめでとう」とLINEすると、既読無視をされてしまいます。忙しいのかと思い、連絡を待ち続け、貸付から3週間後に電話すると、出ません。それから幾度となく電話やLINEをしましたが、とうとう連絡が取れないまま、3ヶ月後に携帯を解約されてしまいました。
Aさんに話を聞くと、「かっこいい人でした」と言います。
「容姿もタイプでしたし、声もファッションも素敵でした。話もうまくて、羽振りも良さそうだった。すごく自信があるタイプで“絶対”“愛してる”“いけるいける”を1日に何十回も言っていました。でも、誕生日もクリスマスもプレゼントをくれなかった。」
恋愛関係にある人や友人にお金を貸してと言われて、金銭消費貸借契約書を書いてくれとはなかなか言えません。Aさんももちろんそうでした。さらに、詐欺師の住所も職場も把握しておらず、いまでは追うこともできません。興信所に相談しようと考えましたが、着手金すら支払えないので依頼もできない。
今になって、こうすればよかったとかああすればよかったとリスクヘッジのアイデアが浮かぶそうです。きっと、彼をもう愛していないから思い浮かぶのだと思います。愛しているときは、こんなことになるなんて微塵も考えないので、対策を取ろうとはしません。
記憶の引き出しに入れておいていただきたいのは、歴史上、恋人にお金を借りる人間にろくな人間はいなかった、ということです。数十万円、数百万円単位でお金を借りる場合に、親や友人を頼らず恋人を頼るというのは異常なことです。もし、親や友人に断られてからあなたのところに来たのなら、そんな信頼されていない人にお金を貸すことがとてつもなく危険であると考えるべきです。
愛している人に、金銭的支援をするのは良いことだと思いますが、それは貸付とは大きく異なります。恋人にお金をあげることはあっても、貸してはいけません。
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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