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もうすぐ春。敬語のミスも、新人さんならご愛敬。でもまあ、間違えないに超したことはありませんし、間違いがなぜ起きるのか、先輩の立場なら説明して直してあげた方がいいですよね。今日は敬語の中でも言葉が変化するので間違いやすい、「特定形」の動詞についてお話ししますね。
タイプミスじゃないですよ(笑)。Vには動詞の変化形が入ります。この形の敬語表現についてはまたいつかまとめましょうかね。
Vの部分に動詞を入れると、「おVになる」や「ごVなさる」の場合は尊敬語、「おV申し上げる」は謙譲語 I、「Vいたす」は謙譲語 IIになるのです。
例
謙譲語が I と II の二つに分かれているのですが、その辺は気にしなくて大丈夫です。
で、たいていの敬語表現はこの形でOKなんですが、尊敬語と謙譲語で言葉が大きく変化するものがあります。それが敬語表現の際「特定形」の形を持つ動詞です。
この、本当に人の動作の基本というか、日常会話で簡単に済む動詞が、敬語表現だと複雑な変化をします。
相手が友人なら
「来週あの店行くじゃない? 何時に来られる?」
「あれ、まだ言ってなかったかな。仕事してからだから7時かな」
「美味しいの食べようね!」
こんなにホイホイ進む会話も、敬語を使うべき相手だと、なんと言ったらいいか急に不安になりませんか?そんな時はとりあえず、基本の文をまるごと覚えて、それを使いましょう。
ルール……尊敬語は相手の動作に、謙譲語は自分の動作に付けます。
例 取引先の人と時間の約束をするシーンで。
尊敬語(相手の動作) そちらには何時にいらっしゃいますか?
謙譲語(自分の動作) 私は○時に参ります。
など
*お越しになるなどは「おVになる」の方です。
例 取引先の人にこちらに来る手段を伺うシーンで。
尊敬語(相手の動作) こちらには、何でいらっしゃいますか?
謙譲語(自分の動作) 私はここに○時に参ります。
など
例 目上の人が何かを言ったシーン、自分が目上の人に何かを言ったシーンで。
尊敬語(相手の動作) すみません、なんとおっしゃったのでしょうか。
謙譲語(自分の動作) 私が申し上げました通り……。以前申し上げましたが……。
など
例 目上の人が何かをしたシーン、自分が何かをしたシーンで。
尊敬語(相手の動作) ○○様のなさったことは、ごもっともです。
謙譲語(自分の動作) それは、私がいたします。
など
例 ランチ商談中に席を外すシーンで。
尊敬語(相手の動作) どうぞ召し上がっていてください。
謙譲語(自分の動作) 先にいただきますね。
など
どうでしょうか。この基本パターンさえ頭に入れておけば、大丈夫。そして不思議なことに「行く」と「来る」はだいたい同じですので、全部で4パターン覚えれば良いことになります。
先ほどの会話はこんな感じになりますよ。全部、敬語を使う相手に話してみた体で、尊敬語にしてみます。
「来週あの店行くじゃない? 何時に来られる?」
「来週、あの店にいらっしゃいますよね。何時にいらっしゃいますか?」「あれ、まだ言ってなかったかな。仕事してからだから7時かな」
「まだ申し上げておりませんでしたでしょうか。仕事を致してから(仕事を済ませてからなどに変換可)になりますので、7時頃になります。」「美味しいの食べようね!」
「美味しいお料理をいただきましょうね」
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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