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現在は東京大学教養学部の2年生で、3年からは経済学部に進学するさんきゅう倉田は、夏季休暇期間に実施される東大のプログラムを利用して山中湖に行くことにした。
講義の名前は「癒しの森」といって、とにかく癒されそうな名称が付けられている。
事前の説明会に2回参加して、2コマの講義に出席して、2泊3日のプログラムに参加して、レポートを提出する予定となっている。
説明会や事前の講義がなければ、もっと癒されると学生みんなが思っているが、座学をしなければいけない事情も理解できるので大人しくしている。
本記事は、東大生たちが「癒しの森」の講義の様子を紹介する【後編】です。
◀この記事の【前編】を読む◀ 東大の夏休みにある2泊3日の講義の癒し効果がすごい!? __◀◀◀◀◀
朝食後、宿泊所の前に集まって、山中湖周辺の散策道、トレッキング、スマホ用のミクロレンズ、焚き火の説明を受ける。それぞれを班ごとに体験したら、あとは自由時間だ。みんな思い思いに過ごした。
ぼくはブルーシートを持ってきていたので、湖の辺りに広げて、友人と“豆知識しりとり”をした。その言葉の豆知識を言うという縛りのあるりしりとりで、知識が増える。
1時間ほどやってから宿泊所の近くで焚き火をした。
薪(たきぎ)は枯れ枝を近くで拾ってもいいが、薪(まき)を切ってもいい。先生に斧の使い方を教わり、没頭した。労働の中にも癒しがある。
切った薪を焚べていると、隣にいた学生がマシュマロをくれた。みんなで食べるために、事前にドンキホーテで買ってきたらしい。なんて気がきく学生なんだ。みんな嬉々として焼きマシュマロを作っていた。
敷地内の木で作った椅子に座り、のんびりと火を眺める。ずっと見ていても飽きない。なぜだろうか。
友人は言う。
「規則性の中に不規則があるから飽きないんだと思う。そこに癒しがあるんじゃないかと思ってる。火の動きはある種単調なんだけど、大きな変化はないんだけど、同じパターンになることはないよね。だから、飽きずにずっと見ていられる。そういう時間に支配されない過ごし方はヒトに癒しを与えるよ」
ぼくも言う。
「川の流れもずっと見ていられる気がする。自然界の一見変化が小さい動きでも、不規則だから、再現性がないから、ずっと見ていられるよね」
ただ癒されるだけでなく、なぜ癒されるのかを持ち帰ることがこの講義では重要だ。森林浴をすることで癒やされることは間違いない。講義からも経験からも分かる。ただ、それを都会で、家で、職場周辺で再現することは難しい。
昔と比べて、現在の人々のストレス値が高いのか変化していないのかは分からないが、ストレスの蓄積を感じることはあるだろう。
そんなとき、“癒しの法則“を思い出して、自然物をゆったりと眺めてみるのはどうだろうか。
すべてを忘れて、4時間没頭するだけで心の健康を取り戻せるかもしれない。コーヒーとサンドウィッチを森に持ち込んで、気の合う友人と食べてもいいよね。

『お金持ちがしない42のこと』さんきゅう倉田・著 990円(10%税込)/主婦の友社
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この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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