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年末の恒例行事である大掃除ですが、掃除の内容によっては夏にしたほうがいいものもあるようです。夏にしたほうがよい掃除として、前編では「冬よりも効率的」という観点で掃除のポイントを紹介しましたが、後編では「衛生的に必要」な掃除を紹介。All About家事・掃除・子育て ガイドの藤原千秋さんにお話を伺いました。
【1】1日の3分の1を過ごす「寝室」こそ、カビ・ダニ対策の掃除を念入りに
「効率面を考えることも大事ですが、健康を害する可能性のある汚れを取り除くことのほうがさらに優先順位は高いですね」と藤原さん。
「1日の3分の1という長い時間を過ごす、寝室・寝具こそ清潔に保ちたいもの。ところが、リビングやお風呂に比べて、寝室の掃除はおろそかにしている人が多いのではないでしょうか」。……ドキ! 確かに、筆者宅もリビングではルンバが大活躍していますが、階の違う寝室は、床にワイパーをすべらせる程度です。
「特に汗かきさんなどは、ベッドのマットレスをひっくり返すと、カビが生えてしまっていることも。そんな環境で8時間も寝ていると、恐ろしい量のカビ胞子、ダニの死骸や糞のかけらを吸い込んでいることになります」。……想像しただけで恐ろしいですね。
「マットレスを干すのが難しければ、マットレスの表面に掃除機をかけるだけでもOK。ゴミを吸うというより、中に風を通す目的で使います(上から吸うことで、別の部分から空気が入ります)。また、布団を外に干せない場合、ソファに広げてエアコン干し(20度くらいに設定し、3~4時間運転)でも効果がありますよ」
寝具を干している間は、ベッドまわりの掃除のチャンス。きれいに掃除機をかけましょう。
【2】冷蔵庫の「野菜室」。清潔にしたいけど水拭きはNG!梅雨から夏にかけては、カビのほかにバクテリアも大量発生。「特に汚染が激しいのが、野菜室。野菜についた土、野菜の皮などが温床となり、菌が増殖していきます。そして、ついやってしまう間違いが、庫内を水拭きしてしまうこと。水をエサにして、爆発的に増えてしまいます」
……ショック! 知らずにエサを広げていました。前編で紹介した「カビのいる窓を水拭きしてはダメ」と同じ理由でダメだったんですね。つまり冷蔵庫の場合も、消毒用エタノールを使い、キッチンペーパーか使い捨てのクロスで拭いたら捨てる、という方法が適しているよう。
「ほかにも、生肉を入れるチルド室などは菌が発生しやすいところ。野菜室と違い、生物をすべて出したままで大掃除をするのは難しいこともありますので、食材を切らしたときが掃除のチャンスです」
【3】カーテン、エアコンのフィルターもきれいに!夏が本格的に始まる前にぜひやっておきたい、カーテンの洗濯。「布製品は空気の汚れの影響を受けやすく、花粉やPM2.5などをたっぷりと吸い込んでいることがあります。さらに、近年は冬に加湿器を使う家庭も多く、窓の結露から、カーテン自体がカビに侵されていることも」。それは気になります!
家庭で洗えるカーテンなら、天気のいい日に洗濯し、そのままつるして乾かします。レースとドレープを違う日に洗えば、外からの視線も気になりませんね。
エアコンも、汚れたまま運転するとカビの胞子などをまき散らしてしまうことに。運転する前にフィルターをしっかり掃除したいもの。「フィルターは外して掃除機でホコリや汚れを取り、残った汚れは古歯ブラシなどで水洗いを。ただし、この後、しっかり乾かすことが大事です」
ほかの章でもお伝えしてきたように、水分はカビの大好物。しっかりと乾いてからエアコンに戻しましょう。また、吹いてくる風がカビ臭いときは、内部がカビで汚染されていることが考えられるので、プロの力を借りることも考えましょう。
寝室や冷蔵庫、カーテン、エアコンなどは、カビやダニなどを防ぐことを意識した掃除がポイント、ということがよく分かりました。水拭き・水洗いでカビを増殖させないように注意して、きれいな家で夏を迎えたいですね。
●取材協力この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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