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46歳、恋人いない歴9年以上、婚活歴2年半。OTONA SALONE編集長・アサミの婚活は紆余曲折の真っ最中。
現在進行形のお相手・ジェントルさん(49歳・アーティスト)とは、3回目のデートをしながらやっと「好き」という気持ちに気づきはじめ……。これは40代独女の「実名 顔出し」で書いている、リアル婚活ドキュメントである。
麻布十番でのランチから始まり、美術館を2つめぐったジェントルさんとの3回目デート。時刻はまだ16時前だった。
ジェントル「ミッドタウンの中でも見ましょうか」
アサミ「そうしましょうか」
六本木の東京ミッドタウンは、ギャラリーからほど近くにあった。
ジェントル「ちょっと香水を見てもいいですか? 僕、好きなんです」
アサミ「いいですね。私も香水、好きです」
ミッドタウンの中にある香水をたくさん取り扱っているショップへと、二人で入っていった。
2回目デートで行ったGINZA SIXでも化粧品のフロアを散策したけれど、またもやビューティアイテムを見ることになった。私としては美容好きだからうれしいけれど、めずらしいよね、男性が率先して行こうとするなんて。
最近の20代では美容への関心が高い「美容男子」も少なくないようだけれど、アラフィフ男性でこんなに美容への関心が高いのは……。身近ではゲイorバイor美容の職業のかたくらいしか思いつかない。
やっぱりバイかしら……。
子供がいることは事実だとわかったのでゲイ疑惑は消えたけれど、やっぱりどこかでソッチの線はゼロではない感じがした。
二人で並んでいろいろな香水を試していた。
ジェントル「これすごい、いい香り! どうですか?」
香水をつけたムエットを渡してくれた。こんな風に少しテンション高めに裏返った高い声で話すところがまた、なんともフェミニンだったりする。
アサミ「いい香り! 私も好きです」
ジェントル「こっちはちょっと青くさい。あんまり好みじゃないですね」
と、別のムエットを渡してくれる。
アサミ「あ、これは私もあまり好きじゃないですね」
ジェントルさんと香りの好みはわりと一致する。彼がまとっている香りもさわやかで好きな香りだった。においの好みが似ている男女は相性がいいという話をどこかで聞いた気がする。
ジェントルさんと私の相性、いいのかな! 恋愛ご無沙汰な女は、勝手に一人で盛り上がる。
そのあともしばらくの間、香水やアロマディフューザー、キャンドルなどの香りを二人で楽しんだ。
こうやって美容トークができるのは、楽しい。もともと仕事でもプライベートでも美容のことに関心があるから、美容トークは好き。それがまさか、男性とのデートでできるなんて。デートしてるっていうより、女子会している気分。
好きなものが近いって、いいな。
美術館めぐりをしているときはアートのこと、いまは美容のこと。自分が関心があることを話している時間はあっというまに感じるし、ラクだ。これから年を重ねていくなら無理に話を合わせる相手じゃなく、お互いに好きなものが近い相手のほうがいい。
ジェントルさんなら、無理しなくていいのかも……?
ジェントル「少しのどが渇きましたね。お茶でも飲みましょうか」
アサミ「いいですね」
ジェントル「甘いものはお好きですか?」
アサミ「はい! 大好きです」
東京ミッドタウンの中にある和カフェに入った。
アサミ「ジェントルさんも甘いものはお好きなんですか?」
ジェントル「はい、わりと好きなほうです」
そしてジェントルさんは抹茶と和菓子を、私はあんみつをオーダーした。
向かい合わせで座る。オーダーしたものが届くのを待つ間、テーブルに片ひじをついて私をじっと見つめるジェントルさん。恥ずかしくなってちょっと目をそらした。
ジェントル「お肌、キレイですね」
アサミ「ありがとうございます。ここはちょっと落ち着いた照明ですから…そばかすも多いですし」
ジェントル「いいえ。その前から思っていました。日本の40代以降の女性たちに、美容意識の高い方が増えてますね」
アサミ「確かにそうかもしれません。私のまわりにも素敵に年を重ねているかたがたくさんいます」
ジェントル「仕事で活躍しながら素敵に年を重ねている女性が増えているのは、すばらしいことです」
アサミ「そう思います。年を重ねたからこその魅力ってありますよね」
ジェントル「日本は若い女性をもてはやす傾向がありますが、もっとそうじゃなく成熟した知性ある女性たちをリスペクトする社会にならないとですね」
初めて会ったときもジェントルさんは、働く女性のことをとても褒めていた。そしてオトナ女性のことを応援してくれている。そういえば以前、作家の岩井志麻子先生が「骨董品を愛でる男」のことを書いていた。ジェントルさんは女性に若さを求めるんじゃなく、骨董品を愛でる=50過ぎた女を求める男性の一人なのかもしれない。
オーダーした品が届いて、お茶を飲みながら会話をする。美術館とミュージアムの感想、ジェントルさんが以前に行ったことのあるたくさんの美術館の話、ご自身の作品の話。
私が知らない世界をたくさん知っているジェントルさん。話を聞いているだけで興味深い。
ジェントル「和菓子、少し食べてみませんか?」
彼がオーダーした、かわいいピンクの和菓子を差し出してくれた。
アサミ「ありがとうございます。じゃ、お言葉に甘えて。私のあんみつも食べてください」
お互いの甘味を交換して食べる。なんか……距離が近づいたってことよね? そんなささいなことにもキュンとしてうれしくなる。今日は昼間からずっと一緒にいるけれど全然、疲れてない。
2回目デートのとき、夕方に疲れてしまったのはなんでだろう。そうか、途中に知人男性を交えた3人の時間があったからだ! そうよ、所在なくて困ったし、気を使ったもの。ジェントルさんと2人だけなら2回目デートだって疲れなかったかもしれない。
カフェを出たのは17時半すぎ。もう少しでディナータイムになる時間だ。今回は夜まで一緒に過ごしたい。もっと一緒にいたい。
お茶と甘いものをいただいたばかりだけれど、30分くらい歩いていれば消化しそうだから……このあとディナータイムまでどうやって時間を過ごそうかな。ウィンドーショッピングでもいいし。
ディナーはどこに行こうかな。ランチは中華だったもんね。イタリアンとか? このあたりにはいろいろお店があるし。それともちょっと移動する? 頭の中でぐるぐると次のデートのプランを考えていた。
ジェントルさん、何が食べたいかな。聞いてみよう!
アサミ「このあと」
言いかけた瞬間だった。
私の言葉とほぼ同時に、ジェントルさんの声が耳に入ってきた。
ジェントル「僕、このあと予定があるので、今日はここで」
アサミ「えっ?」
ジェントル「いろいろ見られてよかったです」
アサミ「あ、はい」
ジェントル「今日はどうもありがとう」
アサミ「あ、こちらこそ、ありがとうございました」
ジェントル「それじゃ」
そう言ってジェントルさんは手をあげて止めたタクシーに乗り、颯爽と帰っていった。ぽつんと一人、取り残される私。
帰っちゃった。今日はディナーまで一緒にいるつもりだったのに、ジェントルさん帰っちゃった……。彼を見送った場所で呆然と立ち尽くしたまま、私はしばらく動けずにいた。
【今度はジェントルさんがサッサと帰宅。因果応報? なんか違った? 来週3月13日(水)17時をお楽しみに!】
【前回はコチラ】
#134 婚活の分かれ道は「3回目デート」で決まる?【40代編集長の婚活記】
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この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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