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子どもの財産はどうなる?将来的に子どもが損をする「ダメな財産分与」とは【行政書士が斬る!】

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目次

今回は、多くの夫婦から相談を受ける行政書士、ファイナンシャルプランナーの露木幸彦が「子ども名義の財産分与」という問題に迫ります。

前編では楓さん(42歳)が夫(44歳)のスマホの恋活アプリがインストールされているのを発見。「夫婦で隠し事はなし」という約束のもと、楓さんは夫を見張り続けたのですが、夫は日々の生活に嫌気がさし、ついに離婚を決断……というお話をしました。

 

9歳の息子さんは楓さんが引き取り、夫が毎月4万円の養育費を支払うことが決まり、あとは財産をどうするのかを決めるだけでした。しかし、すんなり決まった親権、養育費と打って変わって、財産をめぐっては揉めに揉めることになるのです。

財産分与の対象は「結婚以降に築いた財産」。夫婦の財産詳細は?

1.夫の財産

預貯金 148万円(独身29万円、結婚119万円。子どものお年玉、祝い金70万円含む)

国債 24万円(独身24万円)

投資信託 68万円(独身33万円、結婚35万円)

自社株 36万円(独身36万円)

財形 45万円(結婚45万円)

外貨預金 84万円(独身12万円、結婚72万円)

生命保険 128万円(独身44万円、結婚84万円)

学資保険 178万円(結婚178万円)

自動車 162万円(結婚162万円)

計 873万円(独身178万円、結婚695万円)

 

2.妻の財産

預貯金 198万円(独身125万円、結婚73万円)

生命保険 152万円(独身58万円、結婚94万円)

自動車 82万円(結婚82万円)

計 432万円(独身183万円、結婚249万円)

 

財産分与の対象は結婚以降に築いた財産です。独身時代に築いた財産は対象外(民法762条1)夫婦の財産は以下の通りですが、結婚以降の財産は944万円(夫が695万円、楓さんが249万円)。夫は楓さんが説明するまでもなく財産分与の原則を知っているようです。

 

しかし、夫の主張にはおかしな点が含まれていて… 次ページ

そのため、夫は「それじゃ、223万円を渡せばいいんだろ」と提案してきたのです。これで折半の割合で財産を分与したことになります。夫は一見すると正論を言っており、「俺のものは俺のもの。お前のものも俺のもの」と亭主関白ぶる夫に比べれば、非常にまともなのですが、本当にそうなのでしょうか?夫の主張にはおかしな点が含まれていたのです。

 

まず預貯金だけに焦点を当ててみましょう。結婚以降の分は夫が119万円、楓さんが73万円です。そのため、夫が楓さんに23万円を渡せば、夫も楓さんも96万円となり、帳尻が合います。しかし、夫の119万円には子どものお年玉、祝い金70万円が含まれています。そこで筆者は「これでは旦那さんが息子さんの財産の一部をもらい受ける形になりますよ」と指摘。

 

子どもを育てるのは楓さんです。離婚後、夫がどのような形で子どもと接するか分かりませんが、受け取った子どもの財産をどこかのタイミングで渡してくれるかどうかは不透明です。最悪の場合、子どものお年玉を夫が使うこともあり得ます。それを踏まえて楓さんは「陽太のお金は、私が管理するのが当然でしょう!」と注意したのですが、それだけではありませんでした。

 

学資保険を解約しろと言われて 次ページ

夫は学資保険を「解約する」前提で計算しています。この保険は子どもが15歳時に50万円、18歳時に100万円が支給されるプランです。しかし、返戻金は178万円。これを折半すると楓さんが受け取るのは89万円だけです。しかも、この保険には子どもが怪我や病気をしたときの保障も付与されています。そこで筆者は「解約すると保障もなくなってしまいますよ」とアドバイス。

 

楓さんは「解約じゃなく、私の名前に変えて欲しい」と頼んだのです。保険料を支払うのは契約者です。契約者を夫から楓さんへ変更した場合、それ以降、保険料を支払うのは楓さんです。そこでお楓さんは「どっちにしても、あなたが保険料を払わないで済むことに変わりはないでしょう!」と念押ししたのです。

 

最終的には預貯金と学資保険は財産分与せず。子どものお年玉、祝い金70万円は夫が楓さんに渡す。それ以外の財産の合計は574万円(夫398万円、楓さん176万円)。最終的には夫が楓さんに子どもの財産とは別に111万円を渡すことで決着したのです。

 

ここまで楓さん夫婦が離婚を決断してから、お金の話がまとまるまでを駆け足で見てきました。法務省(令和5年の司法統計年報)によると家庭裁判所の調停、審判で離婚したのは23,035件。

そのうち、財産の分与を行ったのはわずか33%(7,786件)しかいません。そして分与の金額別に見るともっとも多いのは100万円以下で20%(1,575件)、次は200~400万円で14%(1,085件)と続きます。

離婚時、子どもの財産を減らすと習い事、受験、進学などの場面で困るのは子ども自身です。そうならないように子どものため、心を鬼にして戦わなければなりません。

 

 


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この記事のライター

OTONA SALONE|オトナサローネ

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