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2006年以降に住宅を購入したママ2075人にウィメンズパーク(ベネッセコーポレーション)と共同でアンケート調査を実施。前回は「共働きでも自分でローンを組む妻は少数派」について紹介しましたが(http://suumo.jp/journal/2015/01/19/76381/)。今回は、自分の貯蓄を住宅資金として出すかどうかを、データと生の声で探ってみました。
ローンは組まなくても、「貯蓄」は出す人は6割以上頭金・建築費やリフォーム費用などの住宅資金として、妻が自分の貯蓄からお金を出したかどうか聞いたところ、62.9%が「出した」と答えています。
共働きの妻の住宅ローン名義は、「妻のみ」「夫と妻が別々にローンを組む」割合を合わせても全体の1割にも満たないことから考えると、「妻はローンは組まないが、頭金などの初期費用には、自分の”へそくり”を出す」のが実情のようです。
妻の勤務形態別に「自分の貯蓄を出したかどうか」のデータをみると、専業主婦でも58.2%と半数以上が自分の貯蓄を充てています。さらに、正社員なら約7割弱、ローン負担をする人も多い公務員・団体職員になると、8割弱が自分の貯蓄を住宅の初期費用に充てています。
具体的な金額は、最も多いのが100万円以上から300万円未満で36.5%を占めます。例えば、金利1%の住宅ローンを35年で組んだ場合、借入額が3000万円なら月々の返済額は8万4685円となりますが、例えば妻が自分の貯蓄から300万円を頭金にまわせば返済額は7万6216万円となります。
また、1000万円以上を出した妻が12.9%もいるのは驚きです。
自分の貯蓄を住宅資金に出す理由自分の貯蓄を住宅資金として出す理由は、「予算オーバーした分は私の貯蓄を頭金に足すことで対応しました」、「どんな家にするか私がこだわったことなので、リフォーム費用を私が支払うことで夫を説得した」など、理想に近いマイホームを得るために自分の貯蓄を出すという結論に達しているよう。
なかには、「ローンは夫担当だが、貯蓄は私のほうが多かったので自ずと頭金は私が出すことに。その代わり、家具代やリフォーム費用は共有名義にならないので、夫の貯蓄を充てました。(家を)共有名義にしておけば、もし離婚という話になったときに、勝手に売却されるなんて心配はないでしょう。」(Yさん)というシビアな考え方の人もいました。
ローンは長期戦なので、「仕事を続けていられるか分からない」「自分でローンなんてプレッシャー」と尻ごみしがちですが、初期費用は妻でも貯蓄さえあれば払えなくないのかもしれません。
ちなみに、登記上は夫・妻それぞれの資金割合に応じて共有持分を決める必要があります。妻の名義でローンを組まなくても、自分の貯蓄から頭金を出したら、その分は妻の共有持分。妻が頭金を出したのにすべて夫の名義にした場合、“妻から夫への贈与”とみなされるケースもあります。
妻たちが自分の貯蓄を住宅資金に出さない理由では逆に、自分の貯蓄を住宅資金として出さなかった妻たちの理由にはどんなものがあるのでしょうか? 多かったのは「別に私が出さなくても買えたから」、「そもそも夫が出すものだと思っていたから」など、必要性を感じていなかったケースです。
「貯蓄といっても微々たるものなので」という声も多くみられました。「将来の教育費のために」「いざというときに現金は残しておきたかった」など、住宅費以外の用途として考えている妻も多いようです。
また「独身時代にためたものだから、家計とは別に考えている」、「まさにへそくり。夫はその存在を知らないから」、「普段の家計は節約しているので、自分の好きなように使えるお金は必要」など、自分個人の財産と考えている妻の姿も。特に現在自分自身の収入が増えない専業主婦のほうが、その傾向が強いかもしれません。
「頭金を出したら共有名義にするなど、書類などの手続きが面倒で、大した額でもないのでいいかなと思った」という声もありました。
自分の貯蓄を頭金などの初期費用に充てるかどうかは、共働きかどうか、予算オーバーかどうか、妻のこだわり度や夫婦の関係性などで、大きく変わるようです。
妻の貯蓄があるという世帯は、資金計画やその後の家計にも大きく関わる部分なので、今一度妻の貯蓄をどのように使うか考えてみてもいいかもしれません。
●SUUMO×ウィメンズパーク『妻から見た住まい購入に関する意識調査』調査概要この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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