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家を買うための自己資金の用意は始めていますか? 実は、購入資金の全額を住宅ローンでまかなえることもあるせいか、購入資金のうちの自己資金の割合が、特に注文住宅で減ってきている。自己資金をあまり用意せずに家を買うのは、住宅ローン破綻への可能性を上げてしまう要注意な行為。今回は、自己資金の重要性を考えてみよう。
注文住宅の自己資金比率は4年間で8.2ポイントもダウン家を買うときの費用のうち、住宅ローンなどから借りたお金ではなく、「自分の預貯金や親からの資金援助」といったものが「自己資金」。みんな、自己資金はどれくらい用意しているのだろうか。
国土交通省の「住宅市場動向調査」を見ると、2013年度調査(調査対象は2012年度中に家を建てたり買ったりした人)では、自己資金比率の平均は、注文住宅で34.0%、分譲一戸建てで31.3%、分譲マンションで33.9%。購入費用のうち平均3割以上を自己資金でまかなっている。
この自己資金比率、過去のデータを見てみると、注文住宅の場合は年々低下。2009年度の42.2%から、2013年度は8.2ポイント低い34.0%になっている。分譲マンション購入の自己資金比率は2012年度に一度上昇したが、2013年度は低下している。
今は、自己資金が少なくても住宅ローンが借りられる時代だ。例えば、年収や勤続年数などの条件をクリアすれば、家の購入価格・建築費用の全額をローンでまかなうことが可能。自己資金比率の低下の背景には、少ない自己資金で家を建てたり買ったりする人の増加が考えられる。
自己資金比率が少ないほど、住宅ローン破綻が多い!自己資金比率が低い、つまり、住宅ローンの借り入れの割合が多いと、「毎月の返済額が多くなり負担が大きい」「長期返済になってしまう」などの心配がある。実際、自己資金が少ない状態で借りた人に、住宅ローン破綻をしているケースが多いようなのだ。
図2を見てほしい。棒グラフは2002~2010年度に住宅ローンを借りたサンプル数。赤い折れ線グラフは2002~2010年度に住宅ローンを借りたうち、2013年3月末時点で返済ができなくなって破綻した割合。この2つのデータを重ね合わせると、実際、自己資金比率が低いほど、返済中に返済ができなくなって保証会社が代位弁済するデフォルト(住宅ローン破綻)の割合が高くなる傾向が出ている。
つまり、自己資金が少ないほど、将来、返済ができなくなる可能性が高いということ。
自己資金が十分に用意できていなくても、今の低金利を逃さないよう、自己資金が少ないまま住宅ローンを借りようと考える人は注意が必要だ。
住宅ローンは長い期間、返済が続くもの。借りるときのことだけでなく、借りたあとのことを考える必要がある。返済額に無理はないか、今は共働きならどちらかが仕事をやめても返済していけるかなど、ローンの契約を行う前にしっかり考え、「返済できない!」という事態を避けたい。
自己資金を多く用意することで、返済負担を軽くできるだけでなく、住宅ローンによっては通常より低い引き下げ金利が利用できる。自己資金を増やすメリットも考えて、安全な資金計画を立てよう。
住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナルこの記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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