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元国税職員さんきゅう倉田です。好きな減価償却資産は「航空機」です。
大学受験をしたことがなかったので、力試しのために東京大学を受験しました。
1回目は得点開示で120点足らず、2回目は50点足らず、3回目で合格。
いまは毎日本郷キャンパスに通っています。
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▶誰もが知る米国大企業の大物が…!
ヘッドエコノミストは我々に英語で話しかけた。
「君たちはみんな大学院生かい?え?君だけ学部生なの?学部生なのに、どうしてこのデータサイエンスの集まりにいるんだい?」
そこにいた院生がぼくだけが学部生であることを伝えたので、ヘッドエコノミストは興味を持ったようだった。
ぼくは返答に困り、2秒ほどまごついているとヘッドエコノミストが言った。
「ハハハ、難しい質問だよね」
穏やかな笑いが起こった。
ぼくは自分ののろま具合を呪う。
反射的にジョークを言えない、頭の回転の遅い人間である自分に呆れた。
ここにいるのは授業で案内があったからだが、そんなことをわざわざ英語で答えても、適切な回答だと思ってもらえないうえに、つまらないやつだと認識されるかもしれない。
いま、この瞬間はぼくが学部生の代表なのだ。
くだらないことを言うくらいなら、黙っているのがいいかもしれない。沈黙は金なり。
ただ、ここにいる理由を聞かれたあの瞬間に、「ここでコーヒーがタダで飲めるからさ」と言えたら、東大生侮れないなと思ってもらえたかもしれない。
アメリカンジョークが分かるやつだと評価されたかもしれない。
学生なのにそのような一挙手一投足を試される環境にいるのだ。
▶すべての学生に伝えたい。大学に通う醍醐味は…
授業があったのでヘッドエコノミストの講演を聞く予定はなかったが、先ほどまでのやりとりが楽しかったので、急遽参加することにした。
講演はもちろん素晴らしいが、我々のためだけにこの講演を準備したのだろうかと疑問を持った。スライドや話は洗練されている。普段から外部の人間のために講演をしているのかもしれない。
さて、米国事業の分析や日本でのビジネスの現状を聞き(もちろんすべて英語)、質疑応答が終わると、真っ黒のスーツを着た人々がどでかいコーヒーポットとうっとりするような甘さのお菓子を運んできた。
どうやら、コーヒーとお菓子を囲んで懇親会が行われるらしい。次の授業があったが、誰もが知る米国企業の人々と交流する希少な時間を大切にしたいと思った。
コーヒーも美味しいし、お菓子も子供の頃に地主の孫の家で出された高級なクッキーを遥かに上回る品質だったし、公務員からGoogle、さらに現在の企業へと転職した日本人の話は甘美だった。
「大学に入らなくても論文や本を読めば勉強はできたんじゃないか」と思うことがあったが、大学に入らなければ得られなかった情報や知識、コミュニティが確実にあって、それが大学の素晴らしさの一つである。
だから、何歳になっても大学に入ることを薦めている。
■編集部より
子どもの勉強方法や受験・塾についてなど、「通信簿オールB」から東大合格したさんきゅう倉田さんへぜひお悩みをお聞かせください!

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OTONA SALONE|オトナサローネ
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